広がる不祥事が経営陣交代を促す
プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンは、相次ぐ不祥事を受けて浜田元房会長兼CEOの退任を発表した。退任日は10月6日付。傘下のプルデンシャル生命保険で元社員による詐欺事件が複数発覚し、社内の統制不備が指摘されていた。浜田氏は経営責任を明確にする形で職を辞した。
元社員の詐欺容疑、総額7億円超に
問題の発端は2024年に発生した詐欺事件である。石川県警はプルデンシャル生命の元社員を逮捕し、顧客から約7億5千万円を不正に預かった疑いを指摘した。さらに別の元社員も同様の容疑で逮捕され、組織的なチェック体制の甘さが露呈した。顧客の信頼を損なう事態となり、経営陣への責任追及が強まっていた。
個人情報漏えいも発覚、金融庁が報告命令
詐欺事件に続き、今年2月には顧客の個人情報を不正に流出させたとして、元社員が逮捕された。金融庁はこれらの不祥事を受け、プルデンシャル生命およびホールディングスに対し、保険業法に基づく報告徴求命令を出した。監督当局は社内管理体制の抜本的見直しを求めている。
新CEOにオー・ハーン氏、再建を託す
10日付で社長兼CEOに就任したブラッドフォード・オー・ハーン氏は、これまでCOOとして業務執行を統括していた人物だ。トップ交代により、企業統治の立て直しと内部管理強化が急務となる。グループ全体での信頼回復を最優先課題とし、再発防止策を徹底する姿勢を示した。
信頼再構築への取り組みが焦点に
プルデンシャルグループは、外資系生保の中でも長年の実績を誇るが、今回の一連の事件は経営基盤に深刻な影響を与えた。今後は透明性の高い経営と内部統制の強化が求められる。新体制がどこまで信頼を取り戻せるかが焦点となる。
