法人口座起点の新サービス始動
みずほフィナンシャルグループとUPSIDERホールディングスは6月30日、法人向け総合金融サービス「UPSIDER BANK by MIZUHO」を開始した。創業期や成長期の企業を主な対象とし、法人口座を起点にインターネットバンキング、法人カード、資金調達支援などを組み合わせる。
同サービスは、みずほ銀行にインターネット経由で法人口座を開設することで利用できる。最短即日の口座開設に対応し、成長段階にある企業が早期に金融機能を整えられる仕組みを用意した。
みずほが持つ法人取引の基盤と、UPSIDERが展開してきたテクノロジーを組み合わせることで、日常的な資金管理から事業拡大に必要な支援までを一体化する狙いがある。
振込手数料100円で負担軽減
UPSIDER BANK by MIZUHOでは、契約料と月額利用料を0円とするインターネットバンキングを提供する。他行宛振込手数料は1件100円とし、企業が日常的に利用する送金機能のコストを抑える。
成長途上の企業では、取引先や社員の増加に伴い、入出金や口座管理に関する手続きが増える。低コストで使いやすい金融機能を整えることで、事務負担の軽減につなげる。
従来は、利便性や手数料の安さを重視するサービスと、融資などの成長支援を重視するサービスが分かれやすかった。新サービスでは、日常業務の効率化と成長資金の確保を同じ基盤で支える構成とした。
AI与信で最大10億円規模支援
資金調達面では、UPSIDERのAI与信技術を活用し、企業の返済能力や将来のキャッシュフローを分析する。法人カードでは、AI与信枠として最大10億円を設定する仕組みを用意している。
融資サービスも成長段階に応じて段階的に提供する。創業期の企業には来店不要の創業支援融資を展開し、一定条件を満たすUPSIDER利用者にはオンライン完結で最短2営業日、最大1億5000万円の融資を行う。
さらに2027年春からは、みずほ銀行による最大3億円規模のオンライン融資も予定する。成長が進んだ企業には、両社が共同で運営する「BLUE DREAM FUND」を通じ、最大10億円の融資を行う体制を整える。
人材支援や会計連携も拡大へ
資金供給だけでなく、業務効率化や人材不足への対応も支援領域に含める。外部の専門人材と企業をつなぐ「みずほココナラ」などを通じて、業務改善や生産性向上、内製化を後押しする。
開始時点では、法人口座開設、インターネットバンキング、法人カード、オンライン融資などを中心に提供する。今後は追加の融資サービス、経理・会計関連サービス、各種情報提供サービスとの連携を広げる。
対象ユーザーや機能も順次拡大する計画で、創業直後の企業から成長局面にある企業まで、必要な機能を段階的に利用できる形を目指す。
成長企業支える新基盤へ
発表会でみずほFGの木原正裕社長は、中小企業が求めるものとして、低コスト、高い利便性、成長資金を迅速に得られることを挙げた。日本が地政学環境の変化、労働人口の減少、AIの普及といった転換期にある中、中堅・中小企業の成長支援を重視する姿勢を示した。
みずほ銀行の加藤勝彦頭取は、創業期から成長期まで企業を支える体制が整ったとの認識を示した。UPSIDERホールディングスの宮城徹社長は、オンライン完結の利便性と、みずほの支援体制、UPSIDERのAI与信を組み合わせる意義を説明した。
両社は2030年度までに、オンライン融資の累計実行額5000億円、アクティブ口座10万口座を目標に掲げる。UPSIDER BANK by MIZUHOは、企業の成長過程に伴う金融課題を一つの基盤で支える取り組みとして展開される。
