米大統領が軍事作戦の長期化を否定する姿勢
トランプ米大統領は9月2日、米軍が8月30日に再開したイランへの攻撃について、長期間にわたって続くものではないとの認識を示した。ホワイトハウスで記者団の質問に答えたもので、戦闘のさらなる拡大を避ける姿勢を示す一方、必要に応じて再度軍事行動を取る用意があることも強調した。
トランプ氏は、ホルムズ海峡沿岸でイラン側が整備を進めていた機雷敷設関連の設備などを米軍が破壊したと説明した。米国が海峡の主導権を維持しているとの立場を示し、石油を積載した船舶の航行が続いていることを成果として挙げた。
ホルムズ海峡周辺の軍事施設を重点攻撃
米軍はホルムズ海峡周辺にあるイラン側の軍事能力を低下させることを今回の作戦の重点としている。米当局者によると、9月1日に実施された作戦では、防空施設、レーダーシステム、海上関連設備、機雷を敷設する能力、通信施設など約60カ所が攻撃対象となった。
トランプ氏は、攻撃の目的にはイランのレーダーを無力化するだけでなく、海峡を航行する船舶を追跡する能力を排除することも含まれていたと説明した。米軍は空、海、宇宙分野の戦力を投入し、船舶への攻撃能力を抑えながら航路の安全確保を進めたとしている。
原油1800万バレル積載の商船40隻を護衛
9月1日の作戦では、米軍が商船計40隻を護衛し、ホルムズ海峡を通過させた。米当局者によると、船舶が積載していた原油は合計約1800万バレルに上り、戦時下の同海峡で米軍が実施した作戦として過去最大規模になったという。
戦争が始まる以前、ホルムズ海峡を通過する原油量は1日当たり約2000万バレルだった。今回の護衛では、米軍はイラン側によるドローン攻撃への対応を続けながら商船を防護し、対艦巡航ミサイルも無力化したとされる。トランプ政権は、原油輸送路を確保できる軍事能力を示したとしている。
イラン側は公共施設や民間人被害を非難
これに対し、イラン外務省は9月2日の声明で、米軍の攻撃対象には通信施設をはじめとする複数の公共施設が含まれていたと主張した。南部ホルムズガン州シリクでは結婚式会場への攻撃によって、子どもを含む多数の民間人が死傷したとし、米国の攻撃を強く非難している。
地域では船舶を巡る攻撃も続いている。サウジアラビア外務省は同日、ホルムズ海峡を航行していたサウジ関連のタンカーがイラン側の攻撃を受け、乗組員が死亡したと発表した。海峡では米軍による護衛と軍事施設への攻撃が続く一方、商船への危険も残っている。
戦闘抑制を掲げながら軍事的圧力は継続へ
トランプ氏は戦闘の長期化を否定する一方、米軍についてはいつでも再び攻撃できる態勢にあると強調した。米政権はホルムズ海峡周辺への攻撃、商船の護衛、イラン港湾に対する封鎖を組み合わせ、イラン側への軍事・経済面での圧力を続けている。
ただ、米当局者は紛争の早期終結が目前に迫っているとの見方を示していない。海峡を航行する船舶へのリスクを警戒するエネルギー業界の姿勢も続いており、原油輸送の安全確保と軍事衝突の抑制を両立できるかが引き続き焦点となる。
