食料品減税と所得連動型の給付制度を一体化へ
政府は2027年4月から2年間、食料品にかかる消費税率を現在の8%から1%へ引き下げる方針を示している。期間限定の減税と並行し、中低所得の勤労者を対象に、所得に応じて支給額を変える新たな給付制度を導入する。自民党は9月8日、税制調査会と社会保障制度調査会の合同会議を開き、こうした措置を盛り込んだ税制改正大綱案について協議した。
新たな給付は「就業者負担軽減支援金」と位置付けられる。減税だけでなく現金給付を組み合わせることで、所得水準に応じた家計支援を行う制度となる。
2027、28年度は税収1%相当を給付原資に
2027、28年度は、新制度を本格導入に先立って実施する。食料品の消費税率を1%まで引き下げたうえで、その1%分に相当する消費税収を給付に充てる仕組みだ。原資の規模は約6000億円とされ、税負担の軽減と支援金を組み合わせることで、食料品に関する消費税負担を実質的にゼロとする考えが示されている。
財源については、政府がこれまで説明してきた「特例公債に頼らない」とする方針を維持する。減税期間中に給付制度を先行して運用し、制度の本格実施につなげる構成となっている。
2029年4月に半年分相当の支援金を先行支給
食料品の減税は2029年3月末で終了し、同年4月から税率を8%へ戻す計画だ。一方、新たな給付制度は2029年度から支援規模を拡大して本格的に実施する。通常は1年分を毎年秋にまとめて支払うことを想定しているが、2029年度については特別な対応を取る。
税率が4月から1%から8%へ戻れば、給付より先に家計の負担が増える。このため、政府は半年分相当を基本とする額を2029年4月に先行して支給し、同年度は年2回の給付とする方針を大綱案に盛り込んだ。
支援対象や具体的な給付額は今後決定へ
「就業者負担軽減支援金」は中低所得の勤労者を対象とするが、具体的な所得基準や支給額については現時点で決定していない。今後の制度設計を通じて詳細を詰める。所得に応じて給付水準を変える仕組みとし、2029年度以降は減税期間中より支援規模を拡大する。
給付方法については、公金受取口座を登録済みの対象者に対し、自治体が本人から申請を受けなくても振り込める仕組みを整える方針も示された。支給手続きを簡素化し、新制度による給付につなげる考えだ。
9月15日の閣議決定に向け大綱取りまとめへ
自民党は週内にも税制改正大綱をまとめ、政府は9月15日の閣議決定を目指す。関連法案については、10月上旬に召集される見通しの臨時国会へ提出する方針が示されている。今回の制度案では、2年間の税率引き下げだけでなく、減税終了後の家計負担まで含めた対応が組み込まれた。
特に2029年4月の先行給付は、税率が元の8%へ戻る時期と給付時期のずれを埋める措置となる。期間限定の消費税減税から所得連動型の給付制度へ移行する過程で、負担増が集中しないよう支援時期を調整する仕組みが示された。
