CESで注目集めたAIモデルの概要 エヌビディアはCESで、自動運転向けに設計された新たなAIモデルを披露した。視覚情報と言語情報を組み合わせ、車両が自律的に行動判断を行う仕組みを備える点が特徴である。これにより、従来は対応が難しかった複雑な交通環境での判断力向上を図る。 事前学習依存からの脱却 新技術では、特定の環境を事前に学習していなくても、周囲の状況を理解したうえで最適な行動を選択できるとされる。信号停止や交通障害など不測の事態にも柔軟に対応できるため、自動運転の適用範囲拡大につながる技術として位置付けられている。 実用化を後押しするパートナー企業 エヌビディアによれば、このAIモデルは複数の自動車・モビリティ関連企業で採用が検討されている。特に都市部での運転手なし走行を可能にするレベル4自動運転の実現に向け、技術検証が進められているという。 普及時期に関する経営トップの見解 フアンCEOは、今後10年間で自動運転車の比率が大きく高まるとの認識を示した。AIの判断能力が人間の運転を補完・代替する段階に近づいているとの説明で、モビリティ分野全体の変化を示唆した。 半導体供給体制とAI競争の行方 生成AI開発競争の激化を背景に、エヌビディアはGPU供給体制の強化も進めている。次世代GPUの量産開始は、自動運転AIの高度化を支える基盤となり、同社の半導体事業とモビリティ分野の相乗効果を生み出す要因とされる。
公共交通向け自動運転事業の再編が始動 NTTは2025年12月、公共交通分野に特化した自動運転支援会社「NTTモビリティ」を発足させた。路線バスやオンデマンドバス、ロボットタクシーなど、事業者が運営する交通サービスを主な対象とする。従来、NTT東日本、西日本、NTTドコモビジネスなどが個別に担ってきた自動運転関連の取り組みを集約し、事業基盤を一本化した。バス運転手不足が深刻化する中、地域公共交通の維持を支える役割を担う。 導入から運行までを担う統合モデル 自治体が自動運転車両を導入するには、地域公共交通会議での調整やルート設計、車両・システム選定、実証実験など複数の工程が必要となる。NTTモビリティは、こうした一連の工程をまとめて支援する体制を整えた。車両調達、導入・運用支援、遠隔モニタリングを3本柱とし、運行開始後の監視や保守までを含めて提供する。これにより、自治体側の負担軽減を図る。 技術は外部連携、開発は行わない方針 同社は自動運転システムや車両を自社で開発しない点を明確にしている。米May Mobility、ティアフォー、Navyaなど複数のベンダーと連携し、地域条件や用途に応じて最適な技術を選定する。特定の技術に依存しないことで、急速に進化する自動運転分野に柔軟に対応する狙いがある。日本の道路環境への対応が必要な場合は、ベンダー側に改良を求める形を取る。 2028年度にレベル4体制を確立 NTTモビリティは2028年度までに、特定条件下で完全自動運転を行うレベル4のサービス体制を整える計画だ。まずは路線バスでの実装を進め、その後オンデマンド型やロボットタクシーへと範囲を広げる。遠隔モニタリングでは、AIを活用し1人のオペレーターが約10台を監視する運用を目指す。実証実験の知見を共通基盤に反映し、効率的な展開を図る。 1,000台規模を視野に全国展開を加速 2030年代には1,000台規模の自動運転車両の運行支援と、数百億円規模の収益確保を目標に掲げる。国土交通省が掲げる2030年度のレベル4車両1万台という目標の中で、一定のシェア獲得を目指す構えだ。NTTグループが過去に実施した35件以上の実証成果を生かし、全国展開を本格化させる。
楽天ID導入で利用特典拡大が進展 Uber Japanと楽天は12月9日、両社の協業を本格化させる方針を明らかにした。配車アプリ「Uber」とフードデリバリー「Uber Eats」に楽天 ID連携が加わり、ポイントを獲得できる仕組みが整備される。利用額に応じた付与に加え、連携開始を記念する複数のキャンペーンも設定され、既存利用者から新規顧客まで幅広い層への訴求を図る狙いが示された。導入は順次拡大され、12月12日までに全利用者が対象となる予定である。 両アプリに共通ポイントを導入した意図 今回の取り組みでは、楽天ペイメントが運営する共通ポイントサービスを両アプリに適用し、支払い200円につき1ポイントが貯まる制度を導入した。これまでも楽天ペイを通じた支払いで最大1.5%の還元が得られていたが、今回の制度併用により合計で最大2%の取得が可能となる。物価上昇が続く環境下で、日常的に利用される移動や食事の注文において実質的な負担軽減が期待される。 会員サービスを含む多層的な特典設計 定額制サービス「Uber One」の会員には、乗車料金の1割に相当するクレジットが還元され、既存特典に新たなメリットが加わる構造となった。さらに楽天ID連携の開始を記念し、12月12日から22日にかけて最大1,000ポイントが付与される特別企画を展開する。期間中、Uber Eatsで一定額以上を支払った先着50万名に300ポイントを進呈し、配車サービスを利用した場合は初回と2回目で計700ポイントが追加される仕組みである。 楽天モバイル利用者向け施策の拡張 楽天モバイル契約者を対象とした既存キャンペーンにも、UberとUber Eatsが新たに加わる。12月12日以降、楽天IDを使って決済した場合、通常付与の20倍に相当するポイントが提供される。また、Uber Oneの年間プランについては大幅な割引が適用され、通常料金から70%引きの特別価格が提示される。複数のサービスを横断する形で負担を抑えつつ利便性を高める仕組みが整えられている。 データ活用で新たな価値創出を目指す方針 連携を通じて、Uberは楽天が保有する大規模データを活用したレコメンド機能の高度化を進める。利用者の行動傾向を踏まえた情報配信により、移動と飲食の双方で利便性を高めるサービス展開が可能になる。楽天側は会員基盤を活用して顧客接点の拡張を図り、Uberは国内での事業拡大を加速させる方針を示した。両社は今後も協業範囲を広げ、生活のさまざまな場面において価値を共有する取り組みを進めるとしている。
次世代技術を生活空間で検証開始が判明 トヨタ自動車は静岡県裾野市で進めていた実証都市「ウーブン・シティ」の第1期区域を25日に始動した。旧東富士工場跡地を活用した敷地約4万7,000平方メートルには住居や研究施設が整備され、まず約300人が入居する。街全体を試験場とすることで、自動運転や物流、自律型モビリティなどの最新技術を住民の生活と直結させながら開発を進めることが狙いだ。 異業種連携による実証実験開始を発表 参画するのはトヨタグループ12社に加え、ダイキン工業や日清食品、UCCジャパンなど外部企業7社を含む計19社。自動運転EV「イーパレット」の運行や自律搬送ロボットの導入、歩行者信号の自動制御などが計画されている。さらに日清食品は最適化された食事の提供、ダイキンは花粉のない空間の実証を進め、教育やカフェ運営など多分野で実験が行われる。 豊田会長が強調した「掛け算」の意義 25日の式典で豊田章男会長は「ウーブン・シティで起こすのは掛け算だ」と述べ、各社の知見を組み合わせることで新たな価値が創出されると強調した。プロジェクト責任者である息子の豊田大輔氏も入居者として参加し、失敗を重ねながらもデータを集め、開発を加速させる考えを示した。 居住者拡大と一般参加の計画が判明 現在の入居者は当初予定の360人から減り約300人となったが、今後は2,000人規模に拡大する見通し。2026年度以降には一般の来訪者も受け入れられる予定で、都市全体を活用した新ビジネスやサービスの展開が期待されている。 創業の精神を受け継ぐ都市構想の影響 「ウーブン」という名称はトヨタグループ創始者の豊田佐吉氏が発明した自動織機に由来する。5年前に構想が公表されたこの都市は、自動車産業を超えた多分野の実証拠点として動き出した。街全体が「未来社会の試験場」として世界から注目を集めている。
Sign in to your account