Tag: 官民連携

国産AI基盤構築へ1兆円支援、官民連携を本格化

国産AI開発を巡る政策方針が明確化 政府は国産AIの研究開発を国家戦略として位置づけ、2026年度から5年間で総額1兆円規模の支援を行う方針を示した。AIの基盤技術を国内で確立することで、国際競争力の強化を図る狙いがある。背景には、AI分野で米国と中国が先行する現状への危機感がある。 新会社設立で基盤モデル開発を推進 来春にも、ソフトバンク を含む複数の企業が共同で新会社を設立する計画が進んでいる。新会社には、AI開発を手がける プリファードネットワークス の技術者など、約100人規模が参加する予定とされる。経済産業省の公募制度を通じ、開発設備や研究環境の整備に対する支援を受ける。 国内最高水準を目指す性能指標 新会社が開発を目指すのは、基盤モデルの性能を示す指標で国内最高水準に達するAIである。開発されたモデルは特定企業に限定せず、日本企業全体に開放される方針とされている。産業分野への幅広い応用を促し、AI活用の裾野拡大を図る。 半導体調達競争への対応策 AIの性能を左右する半導体の確保は、世界的な競争が激化している分野である。価格の高騰も続く中、新会社は政府支援を活用し、必要な量の半導体を安定的に調達する考えを示している。研究開発の継続性を確保するための重要な課題となる。 日本主導のAI開発体制確立が焦点 今回の支援策は、官民が一体となり、日本主導のAI開発体制を築く試みである。基盤モデルの国内開発と共有を通じ、産業競争力の底上げを図ることが最終的な狙いとされている。

高市政権が成長戦略を始動 過去の課題克服なるか

経済安全保障と成長の両立を掲げる新方針 高市早苗首相は11月4日、全閣僚が出席する「日本成長戦略本部」の初会合を開催し、経済の再生と安全保障強化を両立させる新たな戦略の方向性を示した。政府はAIや造船、防衛、エネルギー、半導体など17分野を重点支援とし、民間投資を促す制度を整備する。首相は「供給力を抜本的に強化し、危機に備える経済基盤をつくる」と強調した。 「日本成長戦略会議」で官民連携を制度化 この方針のもと、政府は「日本成長戦略会議」を新設した。高市首相と経済政策を共有する有識者が参加し、官民が一体となって投資促進策を議論する。重点分野ごとに担当閣僚を置き、政策の一貫性を確保する体制を採る。政府はこれまでの経済対策に見られた「バラマキ型」を脱し、構造的な成長力強化を目指すとしている。 17分野に広がる投資対象と支援策の焦点 投資対象には、AI・半導体の技術革新、造船産業の再建、防衛関連の国内生産力強化のほか、航空宇宙や核融合技術などの新領域も含まれる。また、アニメやゲーム産業などのコンテンツ分野も「日本独自の競争力を持つ資産」として支援対象となる。これらは単なる成長産業ではなく、危機対応力を高める国家戦略の一部と位置づけられている。 歴代政権の政策を継承しつつ課題を再定義 過去の政権も同様に成長戦略を掲げたが、持続的な経済拡大にはつながらなかった。高市首相は安倍晋三元首相のアベノミクスの投資促進策や、岸田文雄元首相の「新しい資本主義」の分配重視政策を引き継ぎつつ、これらを融合する形で政策を再構築している。政府は「税率を上げずに税収を増やす」との方針を掲げ、企業収益と所得の底上げを通じて財政健全化を図る。 経済基盤の強化と実効性が問われる局面 今回の戦略が成果を上げるかどうかは、実施段階の政策連携にかかっている。専門家は「過去の成長戦略が効果を上げなかった要因を分析し、構造的な障害を取り除けるかが鍵」とみる。急速な物価上昇や実質賃金の伸び悩みが続く中、高市政権が打ち出す新方針は、経済の持続力を左右する試金石となりそうだ。

大規模災害に対応するデジタル支援チームを設置

災害対応の迅速化を目的とした新体制が始動 デジタル庁は5日、「災害派遣デジタル支援チーム(D-CERT)」を創設し、災害発生時に被災自治体を支援する仕組みを構築した。能登半島地震での協力実績を踏まえ、現場でのデジタル対応を迅速に進めるためIT技術者や職員を派遣できる体制を整えた。 官民連携によるデジタル人材活用の枠組み このチームは、デジタル庁の職員と、防災分野で協働する民間事業者らが協力して構成されている。民間の先端技術と行政の現場調整力を融合させることで、災害対応の即応性と柔軟性を高めている。能登半島地震では、現地でのデジタル支援が有効に機能した事例もある。 平時と災害時で異なる役割を担う運用方針 平時には、派遣要員のリスト作成や研修実施、災害記録の整理を進める。災害発生時は、被災自治体の要望を把握し、避難所管理システムや被災者データベースの構築を行う。現地での活動を重視し、デジタルインフラの整備と迅速な復旧支援を目指す。 被災者支援システムの具体的な事例 能登半島地震では、交通系ICカードを利用した避難所入退場管理システムが導入された。このシステムにより、避難者情報の効率的な収集が可能となり、必要な支援物資の配分や避難環境の改善に役立った。D-CERTはこうした取り組みを標準化し、他の地域にも広げる方針だ。 全国自治体との連携強化に向けた取り組み 今後、デジタル庁は全国の都道府県を対象に説明会を開き、D-CERTの活動や協力体制を整備する。マイナンバーカードを活用した避難者支援や防災システム間のデータ連携基盤構築なども進め、災害時のデジタル支援を強化する狙いがある。