政府の供給改革が成果、物価に上昇の兆し 中国国家統計局が9日に公表したデータによると、10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.2%上昇し、4カ月ぶりにプラス圏へ回復した。食品と燃料を除くコアCPIは1.2%上昇し、1年8カ月ぶりの高水準を記録した。専門家は、政府の生産抑制策や市場供給の安定化政策が効果を見せ始めたと評価している。 物価の安定化進むも、消費低迷が重し CPIの回復は供給面の改善を示すものの、消費意欲の回復は限定的だ。食品価格は前年比2.9%下落し、家計の節約志向が続く。エネルギー価格も低調で、景気全体を押し上げる力は弱いままだ。 一方、前月比では0.2%上昇と小幅な改善を示し、9月の0.1%上昇を上回った。内需回復に向けた取り組みが一定の成果を出しつつある。 生産者物価の下落幅が縮小、構造改革の影響 生産者物価指数(PPI)は前年同月比で2.1%低下したが、下落幅は前月から縮小した。これは、政府が進める主要産業の生産能力調整の成果とみられる。石炭、電池、太陽光発電設備など複数の分野で価格下落が緩和し、製造業の安定化に寄与した。 専門家、デフレ脱却には時期尚早と指摘 保銀投資(ピンポイント・アセット・マネジメント)の張智威氏は、「デフレ脱却を判断するには時期尚早」と述べ、数カ月のデータ推移を見極める必要があると指摘した。市場では、需要喚起策や雇用改善など、内需拡大を支える政策の強化を求める声が上がっている。 中央銀行は慎重姿勢、金利据え置き継続 中国人民銀行は、最優遇貸出金利(LPR)を5カ月連続で据え置き、景気刺激策に慎重な姿勢を維持している。米国との貿易関係改善で輸出が底堅い中、当局はバランスを重視した政策運営を続けている。物価上昇が定着するかどうかは、今後の内需回復と政策対応に左右される。
投資家の動きに影響を与えた消費者物価指数発表前の警戒 9月10日のニューヨーク株式市場では、翌日に控えた米国消費者物価指数(CPI)の発表を前に投資家心理が慎重となり、利益を確定する動きが強まった。トランプ政権による追加関税の影響がインフレ再燃につながるとの懸念も加わり、市場全体で売り注文が増加した。 ダウ平均が220ドル超下落した経緯が判明 この結果、ダウ工業株平均は前日比220ドル42セント安の4万5490ドル92セントで取引を終了した。8月末には最高値を更新したばかりだったが、指標発表を前にした慎重な姿勢が株価を押し下げた。 オラクル株急伸がS&P500を押し上げたことが判明 一方、ソフトウエア大手オラクルがクラウド事業の好調な見通しを示したことで株価が約36%上昇し、S&P500を牽引した。AI需要の拡大が引き続き注目され、投資資金の一部がハイテク関連に集中した。 ナスダックが最高値を更新した影響 ナスダック総合指数も最高値を更新し、ハイテク分野への期待が市場を支えていることが示された。特にクラウドやAI関連企業への投資意欲は強く、全体的な市場の二極化が鮮明となった。 市場の今後に向けた視点 ダウ平均は下落したものの、他の主要指数は最高値を記録しており、市場は必ずしも悲観的ではない。今後の焦点はCPIの結果とFRBの利下げ姿勢に集まり、インフレ動向が株価変動の主要因となる見通しだ。
消費者物価が3か月ぶりの下落を記録 中国国家統計局が発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で0.4%低下し、3か月ぶりにマイナスに転じた。7月は横ばいで推移していたが、再び物価が下落に転じたことで消費の弱さが浮き彫りとなった。エコノミスト予想は0.2%減にとどまっており、下落幅は市場予測を上回った。 食品と自動車価格が下落の要因に 今回の下落の大きな要因は生鮮野菜や豚肉の価格低下に加え、消費者の節約志向による自動車など耐久財の値下がりにあると指摘されている。物価の低下は消費心理の冷え込みを反映しており、需要喚起が進まない現状が続いている。 生産者物価は縮小傾向を示す 同時に発表された生産者物価指数(PPI)は前年同月比2.9%減となり、35か月連続のマイナスとなった。ただし7月の3.6%減からは下落幅が縮小し、底打ちの兆しもわずかに見られる。生産現場では過剰供給が続いているものの、価格下落の勢いには鈍化がみられる。 GDPデフレーターの低下が続く構図 CPIやPPIの動きと連動する形で、中国のGDPデフレーターも9四半期連続でマイナスが続いている。今年で3年目に突入したことは、1970年代後半の計画経済から市場経済への移行以来初めての事態となっている。需給の不均衡が長期化し、企業収益を圧迫する状況が広がっている。 政府が内需拡大策を最優先に掲げる背景 こうした中で、中国政府は内需拡大を最重要課題とし、消費刺激策の実施に注力している。過剰生産能力や過当競争の抑制も課題であり、経済安定化に向けた政策の実効性が問われる状況だ。さらに、米中間の関税交渉の進展や再燃する可能性のある貿易摩擦も景気動向を左右する重要な要素となっている。
半導体株主導でナスダックが続伸、指数をけん引 7月15日のニューヨーク市場では、ナスダック総合指数が再び最高値を記録した。主要因は、エヌビディアが中国向けに半導体製品の販売を再開すると発表したことにある。エヌビディア株はこの報道を受けて4%上昇。同業他社であるAMDやスーパー・マイクロ・コンピューターも、それぞれ6%超の値上がりを見せた。 CPIの加速が利下げ観測を鈍化させる 米国の6月CPIは前年比2.7%の上昇と、前月の2.4%から伸びが加速した。また、コアCPIも前年比で2.9%増となり、物価圧力の強まりが示された。これにより、年内の複数回利下げは難しいとの見方が強まり、投資家は慎重姿勢を強めている。 金利上昇で債券市場が変動、ドルは急伸 CPIの発表を受けて、米国債市場では10年債利回りが一時4.49%と1カ月ぶりの高水準に上昇。加えて30年債も5%を上回る水準に達した。金利上昇を背景に、外国為替市場ではドル買いが優勢となり、ドル円は148.84円と約3カ月ぶりの高値を更新した。 決算発表控えダウ軟調、S&Pも売り優勢 ナスダックが上昇する一方で、ダウ平均株価は436ドル安と大幅反落。決算期に突入する中で、関税政策の影響が企業収益に及ぶのではないかとの不安もある。特にウェルズ・ファーゴは5.5%の下落、JPモルガンも下げた。ただし、シティグループは増益決算で3.7%上昇し、明暗が分かれる結果となった。 商品市場では金と原油が下落傾向に 商品市場では、金先物価格が22.40ドル安の1オンス=3336.70ドルと続落。ドル高により割高感が意識されたためである。また、WTI原油先物も66.52ドルに下落。米国による対ロシア制裁が即時発動されなかったことで、供給不安がやや後退したことが背景にある。
物価指標の上昇傾向を踏まえた対応が浮上 日本銀行は、7月末に予定される金融政策決定会合において、2025年度の物価見通しを上方修正する方向で調整を進めている。主因は、コメや加工食品を中心とした価格上昇が想定を上回っており、消費者物価指数(CPI)が5月時点の見通しより高い水準で推移している点にある。関係者によると、物価の動きが予測を超えたため、これを反映させる必要があるとの認識が共有されている。 コア・コアCPIが見通しを上回る水準で推移 5月時点で示されたコアCPIおよびコアコアCPIの予測値は、それぞれ2.2%と2.3%だった。しかし、最近のデータでは両指標がそれを上回る推移を示しており、従来の予測を据え置くには無理があるとされる。物価上昇圧力が根強い中で、金融当局はより現実的な物価見通しを示す必要に迫られている。 関税の影響が依然として見通せず 一方で、米国による日本製品への関税率の引き上げ問題が、経済全体の先行き不透明感を高めている。トランプ大統領は8月1日から関税を25%に引き上げる方針を発表しているが、日本側との交渉は未決着のままである。これにより、企業収益や来年度の春闘での賃上げ水準への影響が懸念されている。 今回は26年度見通しの大幅変更は回避か 5月時点の展望では、トランプ関税が経済に下押し圧力をもたらすとの観点から、2026年度のコアコアCPI見通しを1.8%に引き下げた経緯がある。今回の会合では、その見通しを据え置く可能性が高いとされており、情勢を注視したうえでの慎重な判断が求められる状況である。 交渉結果次第で次回以降の政策に波及も 8月1日に設定された関税発動の最終期限までに合意に至らなかった場合、日銀が設定した前提条件が崩れる可能性が出てくる。これにより、秋以降の金融政策や物価見通しにもさらなる調整が加わる可能性がある。現在は短期的な物価上昇と中長期的な経済への懸念が併存する、難しい舵取りが続いている。
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