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米国初の研究拠点設置でSCREENの開発体制が拡充

米国で始動する研究開発の新拠点 SCREENホールディングスは、米ニューヨーク州オールバニに海外初となる研究開発拠点を設立した。投資額は約120億円に達し、2026年度の稼働を予定している。拠点は、先端半導体研究で知られる研究センター内に位置し、半導体製造装置の高度化を目的とした研究活動を担う。 洗浄装置を核に先端分野へ展開 新拠点では、SCREENが強みとする半導体洗浄装置を中心に、次世代工程に対応した装置開発を進める。クリーンルームには最先端設備を導入し、洗浄分野にとどまらない研究を実施する。複数の技術領域を横断した研究を行うことで、製造プロセス全体を視野に入れた技術開発を進める。 研究センター内での企業間連携 研究センターには、アプライドマテリアルズやIBMなど、世界的な半導体関連企業が入居している。SCREENは同じ施設内での研究活動を通じ、装置メーカーや関連機関との協業を深める。研究環境を共有することで、技術的な知見の交換や共同研究を迅速に進める体制を整える。 国内拠点と連動した開発体制 滋賀県彦根市の主力工場や京都市の研究拠点と連携し、国内外を結ぶ研究ネットワークを構築する。基礎研究から製品開発までを一体的に進めることで、開発期間の短縮を図る。海外拠点で得た成果を国内の製造や設計に反映させる役割も担う。 半導体装置事業の競争力向上へ 米国での研究開発体制を強化することで、SCREENは半導体装置事業全体の競争力を高める。洗浄分野で培った技術を基盤に、先端製造プロセスへの対応力を拡充する方針だ。グローバルな研究環境を活用し、成長分野への取り組みを本格化させる。

トヨタが米国でHV投資強化を発表、カローラ生産開始へ

米工場への大規模投資計画が判明 トヨタ自動車は2025年11月18日、米国内でのハイブリッド車拡大に向け、5工場を対象に総額9億1200万ドルを投じる方針を示した。投入される資金は、生産設備の拡大および新ラインの構築に用いられる。今回の決定は、北米市場で需要が増加するHV供給体制を強化する施策として位置付けられている。加えて、米国向け車両の生産基盤をより安定させる狙いがあるとされる。 カローラHVの国内生産開始を発表 ミシシッピ州の工場では、2028年からカローラのハイブリッドモデルが米国内で初めて製造される。これまで日本から輸送していた車種を現地で生産することで、供給効率の向上や調達コストの抑制が期待されるとしている。併せて、同工場には1億2500万ドルが投入され、新たなHVラインが導入される予定だ。他州の工場と合わせて生産能力の底上げを図る構成となっている。 複数州で生産設備を拡充する動きが進行 ウェストバージニア州ではHV向けエンジンの製造体制を拡張し、4億5300万ドルを投じた設備更新が行われる見通しだ。また、ケンタッキー、テネシー、ミズーリの各工場でもHV部品の生産ラインの強化が実施される。これらの拡張は2027年以降に順次稼働し、トヨタは合計252人の新規雇用を見込んでいる。生産ネットワーク全体での効率向上が目的とされ、北米需要に応じた柔軟な対応を可能にする体制を整える。 北米市場での販売動向が影響 トヨタの米国販売は1〜10月で約207万台となり、前年同期比8%増と堅調に推移している。特にHVやPHVは24%増と伸びが大きく、消費者の選択肢として存在感を高めている。9月末に終了したEV向け税制優遇策は需要構造の変化を生み、HVへの関心が広がったとされる。こうした市場環境が、今回の大規模投資に影響を与えた背景として位置づけられる。 北米投資計画全体への組み込みが進展 トヨタは11月12日に、米国でHVやEVの現地化を進めるため、今後5年間で最大100億ドルを投資する計画を示していた。今回の9億1200万ドルの投入はこの枠組みに組み込まれており、生産の現地化と供給網の強化を着実に進める構成となる。北米全体では米国向け車両の76%が現地生産で占められており、今回の追加措置により生産地域の集中がさらに進む見通しだ。

トヨタ、ノースカロライナで電池生産開始 米国戦略の節目に

電動車生産体制を拡充 100億ドルを追加投資 トヨタ自動車は、米国での電動車事業を拡大するため今後5年間で最大100億ドルを投じる方針を発表した。この新たな投資により、同社の米国での累計投資額は約600億ドルとなる。トヨタは長年にわたり米国内での生産基盤を整備してきたが、今回の決定は電池供給体制を強化することで電動化への転換を加速させる狙いがある。 海外初の電池工場「TBMNC」が正式稼働 投資発表に合わせて、ノースカロライナ州に建設した「Toyota Battery Manufacturing, North Carolina(TBMNC)」の開所式が行われた。総投資額は約139億ドルで、稼働後は最大5100人の新規雇用が見込まれる。ここで生産されるリチウムイオン電池は、ハイブリッド車や電気自動車、プラグインハイブリッド車向けに供給される。トヨタにとって、日本国外での電池専用生産拠点はこれが初となる。 米国市場への長期的コミットメントを強調 トヨタ北米CEOの小川哲男氏は、「米国初の電池工場稼働と100億ドル規模の追加投資の発表は、当社の歴史の節目」と述べ、電動化事業の本格拡大を宣言した。また、同氏は「販売店や地域社会、サプライヤーとの関係をより強固にし、米国の持続的成長に貢献する」と強調。トヨタは、単なる生産拡大にとどまらず、地域との共生を経営方針の中核に据える。 現地生産拡大で供給網を強化 米国では環境規制や消費者の嗜好変化を背景に、電動車需要が高まっている。トヨタはこれに対応するため、既存の11の製造拠点に加え、新たな電池供給体制を確立することで生産効率と供給安定性を高める。これにより、ハイブリッド車を中心に電動車の現地生産比率を引き上げるとともに、部品サプライチェーン全体の競争力を向上させる狙いがある。 トヨタの電動化戦略が次の段階へ トヨタは今後も「マルチパスウェイ戦略」のもとで、ハイブリッド車からEV、PHV、水素車まで多様な技術を併存させる方針を示している。今回のノースカロライナ工場稼働と大規模投資は、その戦略を支える基盤強化の一環といえる。トヨタの米国事業が新たな段階に入ったことで、電動化を巡る国際競争が一層活発化しそうだ。

TSMC、2ナノ半導体工場の拡張を発表 – 台湾の技術基盤を強化

半導体産業の最前線を走るTSMC 世界最大手の半導体受託製造企業である台湾のTSMCは、2025年3月31日に台湾南部・高雄で「2ナノ」半導体工場の拡張を祝う式典を開催した。この式典では、同社が台湾での半導体生産を継続・強化する姿勢を改めて示し、業界内外の注目を集めた。 2ナノ半導体の量産開始を発表 TSMCは2025年下半期に、世界でもまだ量産されていない最先端の「2ナノ」プロセスの半導体製造を開始する予定である。これにより、同社はさらなる技術革新を推し進め、グローバル市場において競争優位性を確保する狙いがある。 台湾政府もこの取り組みを支援しており、卓栄泰行政院長は「最先端の半導体生産と研究開発を台湾に維持することが重要である」と強調した。TSMCの2ナノ半導体が商業化されれば、スマートフォンや高性能コンピューター、人工知能(AI)分野の発展に大きな影響を与えると見込まれている。 米国投資とのバランスを模索 TSMCは、米国に1000億ドル(約15兆円)を投資し、国内での半導体生産拡大を進める方針を掲げている。この動きは、米国政府が自国の半導体生産能力を強化し、サプライチェーンのリスクを低減するための政策と一致する。 一方で、台湾国内では技術流出への懸念も広がっており、TSMCが海外進出と台湾での生産拡大をどのように両立させるかが注目されている。 TSMCの戦略と台湾経済への影響 TSMCの投資は台湾経済にとって大きな意味を持つ。半導体産業は台湾のGDPの主要な部分を占めており、同社の成長が台湾の経済発展と技術革新を牽引している。 また、TSMCの拡張計画により、高雄地域では雇用の増加が期待されている。工場の拡張に伴い、エンジニアや研究者の需要が高まり、台湾の人材育成にも寄与することが予測される。 TSMCの未来 – 台湾を半導体の中心地に TSMCは今後も台湾を半導体技術の中心地として維持する方針を強調している。同社の最新技術である2ナノプロセスの量産が実現すれば、世界市場における台湾の競争力はさらに向上するだろう。 しかし、グローバルな供給網の中で、米国や日本、欧州などの市場とのバランスをどのように取るかが課題となる。TSMCの今後の戦略に、業界関係者の関心が集まっている。