新たな規制方針を東京都が示す
東京都は宅地開発における電柱の新設を原則禁止する全国初の条例制定を目指している。背景には防災機能の強化と都市景観の改善があり、電線を地中に埋める「無電柱化」を推進する狙いがある。
条例骨子案に違反事業者名の公表が盛り込まれる
条例骨子案では、開発許可申請の段階で「無電柱化計画書」の提出を義務化し、違反が確認された場合は指導・勧告に加え、事業者名の公表を行う内容が含まれている。対象は23区の大部分に及ぶ見通しだ。
年間約850本の電柱増加を防止する見込み
都の推計によると、毎年約500件の宅地開発でおよそ850本の電柱が新たに設置されている。条例の施行により、これらの増加が抑制され、防災リスク低減に直結すると期待されている。
災害による電柱倒壊の危険性を都知事が指摘
小池百合子知事は、静岡県牧之原市で発生した竜巻被害を踏まえ、電柱倒壊による停電被害を問題視。「電柱の存在を改めて考え直す必要がある」と述べ、防災上の課題解決を訴えた。
来年の施行を視野にパブリックコメント開始へ
東京都は近く条例骨子案を公表し、1か月間の意見募集を経て条例案の作成を進める。来年の制定を目指しており、全国で初めて宅地開発における電柱新設禁止を明文化する条例となる見込みだ。
