宗教行事中に発生した襲撃事件
イギリス中部マンチェスターのシナゴーグで2日、車で群衆に突入した後に刃物で襲撃する事件が発生した。警察によると2人が死亡し、4人が重傷を負った。容疑者の男は現場で警官に射殺され、爆発物とみられる物を身に着けていた。現場には多くの信徒が集まっており、事件はユダヤ教の重要な祭日であるヨム・キプルの日に発生した。
容疑者の行動と警察の対応が判明
警察への通報は午前9時31分にあり、その数分後に武装警官が現場に駆け付けた。容疑者は車で突入後に刃物で市民を襲撃しており、警察官が発砲して制圧した。容疑者は腰に銀色の包みを装着していたことが確認され、爆発物の可能性もあるとして慎重に検証が進められている。
政府と自治体の対応を発表
事件を受けてスターマー首相は「極めて衝撃的だ」と述べ、ユダヤ人社会の安全確保を最優先に掲げた。首相は予定を変更して早期に帰国し、治安当局や閣僚らと協議する意向を示した。マンチェスターのバーナム市長も「差し迫った危険は終息した」と市民に呼びかけた。
宗教的背景と過去の事例が浮上
今回の事件はユダヤ教徒にとって最も神聖な日とされるヨム・キプルに発生した。2019年にはドイツ・ハレでも同じ祭日にシナゴーグが襲撃され2人が死亡する事件があり、宗教行事を狙った攻撃の危険性が改めて浮き彫りとなった。多くの信徒が礼拝に集まるこの日に発生したことは、信仰を揺さぶる行為として大きな衝撃を与えている。
王室も犠牲者に哀悼を表明
チャールズ国王とカミラ王妃は「深い悲しみと衝撃を受けている」との声明を出し、犠牲者や遺族に思いを寄せた。王はまた、初動対応に当たった警察や救急隊の迅速な行動を称賛した。捜査はテロ事件として進められており、イギリス全土で宗教施設への警備が強化されている。
