両国の財務関係を再構築 1時間超の対面協議
日本の片山さつき財務相は27日夜、来日中のスコット・ベッセント米財務長官と財務省で会談した。対面での会談は初めてで、約1時間にわたり実施された。会談では、両国の財政・経済政策の連携を再確認し、今後も緊密な協力関係を維持することで一致した。
高市政権の経済方針に理解 株価上昇を象徴に言及
片山氏は会談の冒頭、同日の日経平均株価が初めて5万円台を突破したことを引き合いに、「株価があなたを歓迎している」と発言。これに対しベッセント氏は「5万円を超えた日に日本に来られて光栄だ」と応じたという。ベッセント氏はまた、高市早苗首相の積極財政方針が市場の信頼を得ていると評価した。
日米投資協議と関税合意の進展
両者は、日米関税合意に基づく5500億ドル(約84兆円)規模の日本側投資についても協議した。片山氏は内容に踏み込まず、翌28日の首脳会談での正式発表を控える意向を示した。一方で、協定の誠実な履行を米側に伝え、ベッセント氏のリーダーシップに謝意を示した。
経済制裁とエネルギー輸入問題
ロシアへの制裁強化をめぐる議題では、ロシア産LNG(液化天然ガス)輸入の継続是非が取り上げられた。トランプ政権が輸入停止を求める立場を維持しているため、米側の関心は高い。片山氏は記者団に「制裁に関する話題は出たが、詳細は控える」と述べるにとどめた。
為替や金融政策は議題に上らず
9月に発表された日米為替共同声明に関しては、今回の会談では「機微な話は出なかった」と片山氏が説明した。また、日本銀行の金融政策についても協議の対象外だった。両国は、経済安定と国際協調を重視する姿勢を共有し、次の首脳会談に向けて連携を強化する考えを示した。
