東京市場で全面高、ハイテク株が主導
10月27日の東京株式市場で、日経平均株価が前営業日比1,212円67銭高の50,512円32銭となり、初めて終値で5万円台を突破した。米中貿易摩擦の緩和観測、新政権の経済政策への期待、そして円安基調が投資家心理を押し上げ、取引は終日堅調に推移した。プライム市場では9割近くの銘柄が上昇し、ほぼ全面高の展開となった。
米中摩擦緩和と円安が上昇基調を形成
株高の背景には、米中間の対立懸念がやや後退したことや、米国の物価上昇が落ち着きつつあることによる利下げ期待がある。加えて、為替市場での円安基調が続き、輸出企業の収益改善への思惑が高まった。これらの外部環境が、海外投資家の日本株買いを促した形となった。
高市政権への期待が投資心理を刺激
今月発足した高市早苗政権は、成長重視の経済政策を掲げており、海外マネーの流入を後押ししている。特に首相が表明した「日本成長戦略会議」の創設など、経済拡大を前面に打ち出す姿勢が市場で好感された。岸田政権や石破政権期に比べて「分配より成長」に舵を切った政策姿勢が、株価上昇の土台となった。
銘柄別ではハイテク・非鉄・防衛関連が上昇
個別銘柄では、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリングの3銘柄が日経平均を740円超押し上げた。加えて、東京エレクトロンやフジクラも堅調で、非鉄金属や精密機器、防衛関連株が買われた。一方で、決算を発表した信越化学工業は3%超の下落と対照的な動きを見せた。
次の節目は5万1,000円台、調整への警戒も
市場では「5万円は通過点」との声も多く、海外勢の資金流入が続けばさらに上値を目指すとの見方が広がっている。ただし、急速な上昇に対しては短期的な調整を警戒する声もある。27日の東証プライム市場の売買代金は6兆1,130億円超に達し、活況を呈した。
