地下水活用の水産事業が本格展開
JR四国は2025年12月18日、愛媛県西条市で育成した陸上養殖サーモンの販売開始を発表した。西条市の地下水を使用した閉鎖型養殖で、安定した水温管理と品質確保を特徴とする。鉄道事業に依存しない収益基盤の構築を目的とし、水産分野への参入を進めてきた取り組みが商品化の段階に入った。
ブランド化と流通先の拡大方針
今回販売されるサーモンは、一般公募により命名された「サイモン」の名称で流通する。12月19日から西条市、松山市、宇和島市の飲食店に加え、高松市のJRホテルクレメント高松でも提供される。今後は飲食店を中心に取扱先を増やし、県内外への展開を段階的に進める計画としている。
ふるさと納税の返礼対象として登録
サイモンは西条市のふるさと納税返礼品としても受け付けを開始した。地元資源を活用した新たな特産品として位置づけ、地域経済への波及効果も期待されている。返礼品としての展開により、一般消費者への認知向上と販路拡大を同時に図る狙いがある。
養殖規模と出荷計画の概要
養殖施設は愛媛県漁業協同組合ひうち支所の敷地内に設けられ、13基のいけすで約4750匹の稚魚を育成している。今回の初回出荷は約700匹で、来春以降にはさらに約4000匹を市場に供給する予定だ。安定供給に向け、養殖技術と管理体制の確立を進めている。
非鉄道事業収益化への位置づけ
JR四国は2024年夏から熊本県でも陸上養殖に着手しており、西条市の事業はその延長線上にある。養殖施設の拡充を視野に入れ、2030年度にはグループ全体で売上高1億円規模を目標に掲げる。鉄道以外の分野で収益を確保する戦略の一環として、継続的な事業展開を進める方針だ。
