株式評価益が四半期利益を大幅に押し上げる結果
米グーグルの親会社アルファベットが7月22日に発表した2026年4~6月期決算は、純利益が1121億700万ドルとなった。日本円では約18兆3000億円に相当し、前年同期と比べて約4倍の規模に拡大した。通常の事業収益に加え、保有する企業の株式価値が上昇したことが、最終利益を大きく引き上げた。
売上高も前年同期比24%増の1197億9600万ドルとなり、本業の事業規模は引き続き拡大した。企業向けクラウドやインターネット広告など、複数の主要分野で増収を確保している。投資による収益と中核事業の成長が重なり、利益と売上高の双方が伸びる決算となった。
投資収益の急増が純利益拡大の主要因に浮上
保有株式などから生じた投資利益は、純利益を771億ドル押し上げた。営業活動以外から得た利益は979億ドルに達し、前年同期のおよそ37倍に膨らんだ。今回の大幅な増益は、投資先企業の価値上昇による影響が特に大きい。
アルファベットは、6月に株式を上場した宇宙開発企業スペースXの主要株主となっている。上場に伴う株価評価の上昇が、巨額の含み益につながったとされる。さらに、AI開発企業アンソロピックにも出資しており、同社の企業価値上昇も投資収益の増加に関係した。
企業向けクラウドがAI需要を取り込み急伸
事業別では、クラウド部門の売上高が前年同期比82%増の247億6800万ドルとなった。企業が生成AIを導入するために必要な計算基盤やクラウドサービスの利用を増やしたことが、高い伸びにつながった。AI関連需要が一時的な研究用途に限らず、企業の業務基盤へ広がっていることを示す数字となった。
アルファベットは、企業向けのAIインフラや関連サービスをクラウド上で提供している。大規模なデータ処理やAIモデルの運用には、高性能な計算設備が必要となる。こうした利用の拡大を取り込み、クラウド部門は広告に続く収益源として存在感を強めた。
検索とユーチューブの広告収入も堅調を維持
主力の検索関連広告は前年同期比17%増となり、売上高は632億7100万ドルに達した。対話型AIや検索結果に概要を表示する機能が導入される中でも、広告事業は増収を確保した。検索サービスへのAI機能の追加と広告収益の拡大が同時に進んだ形となる。
動画投稿サービス「ユーチューブ」の広告収入も13%増の110億5500万ドルだった。クラウドほどの伸び率ではないものの、既存の広告部門が安定した収益を生み出した。投資利益の急増だけでなく、検索と動画広告の成長も売上高全体を支えた。
AI基盤への大型投資で次の成長を見据える方針
アルファベットは、AI開発やクラウドサービスに必要なデータセンターへの投資を拡大する。2026年通期の設備投資額は1950億~2050億ドルを見込み、4月時点の計画から150億ドル引き上げた。AIを利用する企業の増加に対応し、計算能力や関連設備を増強する。
スンダー・ピチャイ最高経営責任者は、AI分野への支出が幅広い事業の可能性を拡大しているとの認識を示した。今回の決算では、保有株式の価値上昇が純利益を大きく押し上げる一方、クラウドや広告も増収を記録した。今後は巨額の設備投資を事業成長へ結び付けられるかが重要となる。
