アメリカ、ユネスコ脱退の意向を表明 2025年7月22日、アメリカのトランプ政権は、ユネスコからの脱退を正式に表明した。この決定の背景には、アメリカが承認していないパレスチナの加盟をユネスコが受け入れたことがあり、アメリカはこれを受けて自国の外交政策とユネスコの方針に相違があるとしている。 ユネスコの反論 ユネスコは、アメリカの脱退の意向を受け、声明を発表し、アメリカの主張に反論した。ユネスコは、ナチスによるユダヤ人の大量虐殺に関する教育や、反ユダヤ主義との闘いに取り組んでいることを強調した。ユネスコのアズレ事務局長は、アメリカ側の反イスラエル的な主張が事実と異なるとし、深い遺憾の意を表明した。 トランプ政権によるユネスコ脱退決定の背景 アメリカの脱退発表は、トランプ政権の1期目にも繰り返されていた「反イスラエル的」な批判に起因している。特に、ユネスコがパレスチナの加盟を認めたことがアメリカにとっては大きな問題となっている。アメリカはこれまでにも、パレスチナの国家承認を拒否し、ユネスコがその加盟を認めたことに反発してきた。 アメリカの外交政策とユネスコの関係 アメリカ政府は、ユネスコが推進している「分断を生む社会的・文化的な大義」に対して批判的な立場を取っており、国連の持続可能な開発目標やグローバル主義的なアジェンダに対する反発が背景にある。これらの理由から、アメリカはユネスコの活動に賛同せず、脱退という決定を下した。 ユネスコ脱退がもたらす国際的な影響とは アメリカの脱退は、ユネスコにとって大きな打撃となる可能性がある。特に、国際的な文化的協力においてアメリカの影響力が強いため、脱退後の対応が注目される。ユネスコ側は、アメリカの立場に反論し、今後もその活動を継続すると表明しているが、アメリカとの関係悪化が国際的にどのような影響を及ぼすかは不明である。
世界経済の不安定化を背景に会議が開幕 G20財務相・中央銀行総裁会議が7月17日、南アフリカ・ダーバンで開幕した。米国の関税措置が発動間近となる中、世界経済の先行きに対する懸念が強まっており、各国が協調対応を模索する重要な局面となっている。日本からは加藤財務大臣と日銀の清水理事が出席している。 トランプ政権の通商政策が議論の中心に アメリカのトランプ政権は8月1日から25カ国に対する追加関税を発動する構えで、鉄鋼やアルミ、自動車に加えて医薬品にも最大200%の関税が課される見通しだ。これは各国の輸出産業やサプライチェーンに重大な影響を及ぼす可能性があるとされ、会議ではこの通商政策が主要な論点となった。 ベセント財務長官の欠席が与える影響 今回の会議ではベセント米財務長官が出席を見送ったことも注目されている。米国が主要議題に対する直接的な発言機会を持たないことで、議論の不透明感が増している。米国とBRICS諸国間の緊張も深まり、従来の協調体制の維持が難しくなっているとの指摘が相次いでいる。 アフリカ諸国の債務危機が顕在化 アフリカ諸国では対外債務がGDP比で45%に達する国もあり、資金不足が深刻だ。中国による融資は鈍化し、約800億ドルの資金ギャップが発生している。米欧からの資金流入も低迷しており、アフリカのマクロ経済環境は厳しさを増している。こうした状況は途上国全体の成長見通しにも影響を与えている。 気候リスクへの対応でも米国に溝 金融安定理事会(FSB)は14日、気候関連リスクへの対応策を新たに発表したが、米国は関連部会から離脱しており、グローバルな枠組みへの関与に後ろ向きな姿勢を見せている。これは気候変動対策と金融安定を両立させようとする他国との温度差を際立たせる結果となっている。
国内産業強化と防衛拡充を前提とした人事構想 ゼレンスキー大統領は7月14日、自身のSNSを通じて、スビリデンコ第1副首相兼経済相に対し、次期首相就任を打診したと公表した。背景には、ウクライナ国内の経済基盤強化と兵器製造体制の整備を急ぐ思惑がある。とりわけ国内生産能力の向上は、長期的な戦争継続を支える鍵と位置づけられている。 資源外交での実績が人事決定に影響 米ウクライナ間で結ばれた経済連携協定において、国内資源の共同開発を巡る交渉を取りまとめたのがスビリデンコ氏である。この交渉経験が国際社会での信頼獲得につながり、政権の要職としての地位を確保する後押しとなった。 国際イベントでの発信力にも期待集まる スビリデンコ氏は2024年12月に日本を訪問し、ウクライナ復興支援を議題とする会議に出席した。また、2025年8月開催予定の大阪・関西万博における「ウクライナ・ナショナルデー」にも参加の意向を示しており、国際的発信の要としての期待も高い。 大使交代と国防相の起用で米政権との接近図る ゼレンスキー政権は、内閣改造の一環として、駐米大使を交代させる方針を示している。後任には、現職のウメロフ国防相の起用が検討されており、米国とのパイプを強化する意図が読み取れる。特にトランプ政権との関係再構築が喫緊の課題となっている。 対米関係の戦略的再構築が最重要課題に 一連の人事や外交方針の転換は、トランプ政権下のアメリカとの信頼関係の再構築を最優先課題とするゼレンスキー政権の姿勢を示している。ウクライナが長期戦に備える体制構築を進める中、政治的安定と外交的柔軟性の両立が求められている。
国家安全保障を理由に50%の関税を決定 トランプ米大統領は、2025年8月1日付で銅の輸入に対する50%の関税措置を実施する方針を明らかにした。この判断は、通商拡大法232条に基づく国家安全保障調査の結果を踏まえたもので、銅が重要戦略資源に該当すると認定されたことが背景にある。商務省からはこの結論を支持する厳密な分析報告が提出されている。 銅の重要性と対象分野の広がり 今回の関税措置が注目される理由は、銅の使用分野の広がりにある。大統領はSNSで、銅が半導体、データセンター、航空機、船舶、レーダーシステム、ミサイル防衛、極超音速兵器などの製造に欠かせない素材だと指摘。さらにリチウムイオン電池や弾薬といった分野でも不可欠な存在であることを強調した。これにより、安全保障だけでなくハイテク産業全体に直結する戦略的物資としての位置づけが鮮明になった。 米国の銅輸入依存と主な供給国 米国は銅需要の約半分を輸入に頼っており、2024年には81万トンを海外から調達している。その主要供給国としてはチリ、カナダ、メキシコが挙げられ、今回の関税がこれらの国々に大きな影響を及ぼす可能性がある。中でもチリは世界有数の銅生産国であり、輸出の約半分がアメリカ向けであるとの見方もある。 製造業の国内回帰を掲げる政策の一環 今回の発表は、トランプ政権が一貫して掲げてきた「製造業の国内回帰」政策の延長線上にある。これまでにも、鉄鋼、自動車、木材、医薬品、半導体といった分野で類似の措置が取られており、対象分野を拡大させることで、国内の産業基盤を再構築する狙いがあるとされる。ラトニック商務長官も、「生産を国内に取り戻すことが最優先事項」と述べている。 政治的アピールと経済への波及効果 トランプ氏は、自身の政策を「米国再建のための道筋」として強調し、今回の関税措置によって「再び支配的な銅産業を築く」と宣言した。これは選挙戦を見据えた支持層へのアピールとも捉えられ、保守層や製造業従事者の関心を引き寄せる狙いもある。ただし、銅価格の高騰や下流産業へのコスト転嫁といった波及効果も予想されており、今後の国内市場への影響にも注目が集まっている。
新たな関税措置が投資家心理を冷却 2025年7月7日、米国株式市場は大幅な下げで終了した。トランプ大統領が複数のアジア・新興国に対して新関税を発表したことで、リスク回避姿勢が一気に広がった。関税は日本と韓国に25%、南アフリカに30%、ラオスとミャンマーに40%という高水準で、8月1日から適用される見通し。マーケットでは貿易戦争の再来を警戒する声が強まっている。 指数全面安、過熱相場に急ブレーキ この日の米株市場では、ダウ平均が前日比422ドル安の44,406ドルに下落。S&P500は6,229まで49ポイント下げ、ナスダック総合も188ポイントの値下がりを見せた。前週まで連日高値を更新していた市場だったが、ここで一転して調整ムードが強まり、投資家の慎重姿勢が目立った。 テスラ株急落、CEOの政治的動きが影響 個別ではテスラが6.8%安と急落。背景には、マスクCEOが新たに政党を立ち上げたとの報道があり、政権との対立激化が懸念された。この動きがハイテク銘柄全般のセンチメントにも悪影響を及ぼしたとみられる。 セクター間で明暗、公益関連に資金が集中 業種別に見ると、S&P500構成の11セクター中9セクターが下落。特に一般消費財やエネルギー分野が大きく値を下げた。一方で、公益事業や生活必需品などディフェンシブな分野には資金が流入し、小幅ながら上昇を見せた。公益事業指数は0.17%の上昇を記録した。 市場の先行きは不透明、交渉次第で展開も 市場関係者の間では、今回の措置が長期的なものではなく「交渉戦術の一環」との見方も出ている。これまでの政権の対応を踏まえると、一定期間後に条件緩和される可能性も否定できない。出来高は165億株と平常よりやや低調で、市場全体の様子見ムードを反映している。
仮想通貨が住宅ローン審査に与える変化 米連邦住宅金融局(FHFA)は6月26日、政府系住宅金融機関であるファニーメイおよびフレディマックに対して、仮想通貨を住宅ローン審査の資産評価対象に加えるかどうかの検討を開始した。これにより、従来の「除外対象」であったビットコインやイーサリアムなどが、公式に担保資産として認められる可能性が出てきた。 トランプ政権の方針とパルテ局長の決定 今回の動きは、トランプ政権による仮想通貨振興策の一環として行われている。パルテ局長は、自身のSNSで「米国を仮想通貨の中心地にするというトランプ大統領の構想に従う」と述べた。彼は2025年3月にトランプ大統領から指名されて局長に就任しており、ビットコインとソラナをそれぞれ50万USドル超保有するなど、仮想通貨支持者としても知られている。 過去の審査基準と今回の転換点 これまで米国の住宅ローン審査では、現金貯蓄や上場株式が担保資産として認められていた。一方で、仮想通貨はその高い価格変動性や制度的な不確実性から審査対象外とされていた。しかし近年、民間レベルでは仮想通貨を担保とするローンサービスが出現しており、政策レベルでも柔軟な対応が求められていた。 Figure社と民間の先行事例 米国のFigure社は、2022年からすでにビットコインやイーサリアムを担保とした住宅ローンを提供しており、仮想通貨を不動産金融に活用する事例の先駆けとなっている。また、マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長は、同社のビットコイン信用評価モデルをFHFAに提案し、制度面での実装可能性に言及している。 制度実現に向けた課題と今後の焦点 現時点では、どの仮想通貨を対象とするのか、審査基準はどうなるのかなどの具体的な情報は示されていない。FHFAによる調査と議論の進展により、今後の金融政策の方向性が左右される見通しだ。住宅金融市場における仮想通貨の正式な地位確立が注目されている。
COMPUTEXでの発言に注目が集まる 台北で開催された国際技術見本市「COMPUTEX」において、米エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが登壇し、米国の中国向けAI半導体規制について問題提起した。フアン氏は、旧バイデン政権が導入した規制措置により、企業の収益が大幅に損なわれたと述べ、業界に波紋を広げた。 市場喪失による実害を強調 フアン氏は、中国市場でのシェアがかつての95%から50%にまで縮小したと明かし、「輸出規制は米企業にとって経済的損失をもたらした」と強調した。特に、AI分野での先端チップ販売の喪失が収益面で打撃となったことを指摘している。 AI拡散規則に構造的問題 問題視された「AI拡散規則」は、世界各国を3つのグループに分類し、中国への先端技術の供給を厳しく制限するものだった。フアン氏は、この制度の設計思想そのものに重大な欠陥があるとし、政策の抜本的な再考を呼びかけた。 中国の自立化を後押しする結果に 米国の規制が皮肉にも中国企業の国産化を後押しした形となり、ファーウェイなどの国内メーカーへの依存が強まっている。さらに、中国政府はサプライチェーンの国産化へ向けて積極的な資金投入を進めているという。 現政権の対応に期待集まる トランプ現政権は、これまでの輸出規制の在り方を見直す意向を示しており、今後の政策変更が注目されている。米中テクノロジー競争の構図が変わる中、エヌビディアの今後の動向にも関心が高まっている。
電動化戦略を大幅修正し投資総額を削減 20日、ホンダは電気自動車(EV)に関する投資戦略を再構築し、当初計画していた10兆円の予算を7兆円に修正すると発表した。これは、世界的なEV需要の低迷と米政権による支援姿勢の変化を受けた対応となる。 内訳としては、電池関連で1兆円、EV工場などの生産設備に対して2兆円の減額が行われる。2028年稼働を予定していたカナダの新工場は、2030年以降に稼働を延期する。なお、ソフトウェア関連への2兆円投資計画は維持される。 米政権の政策転換が投資判断に影響 見直しの背景には、EVの普及支援に消極的な姿勢を見せているトランプ米政権の動きがある。ホンダはこうした政策環境の変化を踏まえ、リスク回避と柔軟な対応の両立を目指して計画を修正したとみられる。 EVの販売比率についても、2030年時点の想定を従来の30%から20%へと引き下げた。今後は市場の成熟度と政策動向を注視しながら、段階的な電動化を進める構えだ。 ハイブリッド車戦略を全面強化 ハイブリッド車(HV)の販売が堅調なことを受け、ホンダは今後もこの分野への投資を加速させる方針だ。2027年から2030年までに計13車種を世界市場に投入し、2030年には220万台の販売を目指す。これは2024年比で約2.5倍の規模となる。 長期目標は維持、将来のEV普及に期待 EVの普及見通しは短期的に下方修正されたが、ホンダは2040年までにすべての新車をEVまたは燃料電池車(FCV)とするという方針を引き続き掲げている。環境対応技術の開発は継続される。 社長の三部敏宏氏は「現実を見据えた調整であり、収益性と将来戦略の両立を目指す」と述べた。
前日急落の反動で反発も、慎重な相場展開が続く 2025年4月1日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比6円92銭高の3万5624円48銭で取引を終え、小幅ながら反発した。前日に1500円を超える大幅な下落があった反動により、内需関連株を中心に買い戻しの動きが広がった。米国市場の反発や為替相場の円安も相場を支える一因となったが、午後には米国の関税政策に対する警戒感が強まり、買いの勢いは次第に後退した。 米国株高と円安進行が東京市場を下支え 東京市場は、前日の米国市場の流れを引き継ぐかたちで朝方から買いが先行した。3月31日のニューヨーク市場でダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反発し、投資家心理の改善に寄与した。さらに、外国為替市場では円安ドル高が進行し、輸出関連銘柄を中心に買いが集まった。 その結果、日経平均は取引開始後に上昇幅を拡大し、一時は前日終値から400円を超える上げ幅を記録した。市場では、割安感の出た銘柄に対する短期的な押し目買いが強まったとされている。 内需株が堅調 医薬品や電力などに資金流入 前日の急落を受け、景気変動に左右されにくい内需関連銘柄に対する買い戻しの動きが目立った。特に医薬品株や電力株は堅調に推移し、相場全体の下支え役を果たした。こうしたディフェンシブセクターへの資金流入は、市場の不安定な動きに対する防衛的な対応として機能した。 一方で、外需依存度の高い銘柄では上昇幅に限りが見られ、全体としては強い回復基調には至らなかった。 米国の通商政策に対する警戒感が広がる 午後の取引に入ると、米国の通商政策に関する報道が投資家心理に影響を与えた。4月2日にはトランプ前政権による相互関税の内容が発表される予定であり、翌3日には輸入車に対する25%の追加関税が発動される見通しである。 こうした動きにより、米国と主要貿易相手国との間で貿易摩擦が激化するとの懸念が強まり、株式市場では一部銘柄への売りが広がった。結果として、日経平均は午後に下落へ転じる場面もあり、上げ幅は大きく縮小した。 今後の相場は外部環境次第 方向感に欠ける展開続く 1日の取引全体を通じて、東京市場は一時的な反発を見せたものの、明確な方向感を欠いた展開となった。東証株価指数(TOPIX)は前日比3.00ポイント高の2661.73を記録し、出来高は17億5492万株にのぼった。 今後も市場は米国経済の動向や貿易政策の発表に敏感に反応することが予想される。特に通商摩擦の行方や為替の動きが焦点となり、投資家は慎重な姿勢を維持する見通しである。
市場の先行きに影落とす政策リスクと経済不安 2025年1~3月期の米国株式市場は大きな波乱に見舞われた。S&P500種指数は最高値を記録した直後に調整局面へと突入し、四半期としては4.6%の下落を記録。これは2022年以来の大幅な下落率となった。背景には、トランプ政権が打ち出した保護主義的な通商政策への懸念や、インフレ再燃への不安がある。これにより、米経済が景気後退もしくはスタグフレーションへ向かうリスクが意識され、投資家心理は大きく揺らいでいる。 VIXの推移から見える投資家の心理状態 市場全体が弱気ムードに包まれる中、恐怖指数(VIX)は過去の類似局面と比較しても低水準にとどまっている。S&P500種指数が過去10回調整に入った際には、平均でVIXが37まで上昇していたが、今回の下落局面では30を下回ったままだ。市場では、この動きが「まだ全面的な売り(キャピチュレーション)には至っていない」ことを示唆しているとの見方が広がっている。専門家は、VIXが17付近で推移している現状を「機関投資家が完全には動揺していない証左」と分析している。 ハイテク大手の急落、指数に大きな影響 特に大きな打撃を受けたのは、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる主要ハイテク7社。アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、エヌビディア、メタ、テスラの株価は、いずれも四半期平均で16%下落した。S&P500指数ではこれらの企業の構成比が高いため、指数全体への影響は大きく、時価総額加重型指数は等ウエート型指数を3.5ポイント下回った。この差は過去16四半期で3番目の規模である。ただし、依然として全体の構成比は30.5%と高く、市場への影響力は継続している。 過去の統計が示す次期の回復可能性 S&P500指数は現在、3月13日に記録した安値付近で推移しているが、まだこの水準を終値ベースで割り込んではいない。専門家の間では「V字回復は期待しにくいが、今の下落は長期的な弱気相場ではなく一時的な調整に過ぎない」との見方が多い。実際に、1928年以降の統計では第1四半期に下落した場合でも、第2四半期は平均2.3%の上昇を記録しており、特に下落率が5%を超えた四半期の翌期では、平均上昇率が2.2%と回復傾向があることが確認されている。 景気後退リスクに備えつつ反発機会を見極める局面 市場の不安定さは続いているが、歴史的なパターンを踏まえれば、現在の調整局面は長期的な弱気相場の前兆とは言い切れない。とはいえ、政策不透明感と経済の先行き不安が重なる中で、投資家が今後の判断を下すには冷静な市場分析と過去データの照合が不可欠となっている。特にハイテク株の動向が引き続き市場全体に影響を与える構造は変わっておらず、米市場は依然として慎重な視線の中にある。
米関税政策による世界的な景気不安が東京市場を揺らす 2025年3月31日の東京株式市場では、日経平均株価が今年最大の下げ幅を記録し、終値で3万6000円を下回った。背景には、アメリカ・トランプ政権による新たな関税措置への警戒感がある。世界経済の減速への懸念が投資家心理を冷やし、市場全体に売りが広がった。 日経平均が1500円超下落、今年最大の下げ幅を記録 日経平均株価は、前週末比1502円77銭安の3万5617円56銭で取引を終え、2025年に入ってから最も大きな下げ幅を記録した。取引時間中には一時1570円以上下落し、下げ幅は一層広がった。特に自動車や半導体といった輸出関連株が大きく値を下げ、全面安の様相を呈した。 また、東証株価指数(TOPIX)も98.52ポイント下落し、2658.73となった。1日の出来高は23億3555万株に達し、大きな動揺が市場に広がったことを示している。 トランプ政権の追加関税方針が市場に影を落とす 市場を大きく揺さぶったのは、トランプ政権が来月3日に発動を予定している輸入自動車への追加関税および相互関税措置である。これにより、アメリカ経済だけでなく、世界経済全体が減速するという懸念が急速に高まった。 市場関係者は、「今回の関税政策が各国の報復措置を引き起こし、世界的な貿易摩擦を激化させるとのシナリオを、市場が徐々に織り込み始めている」と分析している。今後は、アメリカ企業の景況感を示す指標や雇用統計などの経済データにも注目が集まる見込みだ。 年度末の株価が3年ぶりに前年を下回る 2025年3月31日は年度末の取引日でもあったが、日経平均の終値は昨年度末比で4751円88銭(11.7%)下落した。これは2021年度以来、3年ぶりの年度末終値の下落となる。年度を通じて株価が伸び悩んだ背景には、米中貿易摩擦の再燃や政策の不透明感が影響している。 市場関係者は、「株価は今後、アメリカの関税政策の動向と、それに対する各国の対応に左右される局面が続くだろう。アメリカ経済が緩やかな減速にとどまるのか、本格的な景気後退に入るのかが、投資判断の鍵となる」としている。 アジア市場にも波及、各地で株価が大幅下落 東京市場の不安はアジア諸国にも波及し、日本時間の午前11時時点では台湾の株価指数が2.74%、韓国が2.33%、オーストラリアでも1.54%と、それぞれ大幅な下落を記録した。いずれの市場も、アメリカの保護主義的な経済政策が世界貿易に悪影響を及ぼすとの見方から、売りが先行した。 専門家は、「自動車などへの追加関税が発動されれば、各国が対抗措置を講じる可能性が高く、貿易戦争に発展するリスクがある。アジア市場はその影響を直接受けやすいため、特に敏感に反応している」と警鐘を鳴らしている。
株式市場は上昇基調、政策変更への期待が広がる 米国株式市場は3月25日、トランプ政権の関税政策に関する柔軟な対応への期待から続伸した。特に4月2日に予定されている関税発表の一部延期の可能性が示唆されたことで、市場心理が改善した。さらに、消費者信頼感指数の発表にも注目が集まり、投資家の関心は経済指標の動向にも向けられている。 トランプ政権の関税政策が市場を左右 トランプ大統領は、自動車関税の発表を近く行う意向を示した一方で、4月2日に予定されている追加関税発表の一部延期の可能性に言及した。これを受け、市場では貿易摩擦の緩和に期待が高まり、投資家心理が改善した。一部の専門家は「市場の完全な明確さは得られていないが、関税政策に関する方向性が示されたことで投資家の安心感が強まった」と指摘している。 消費者信頼感指数が低下、景気の先行きに不安も 米コンファレンス・ボード(CB)が発表した3月の消費者信頼感指数は92.9と、前月比7.2ポイントの大幅な下落を記録した。これは4年以上ぶりの低水準となり、市場予想の94.0も下回る結果となった。この指標は4カ月連続で低下しており、個人消費の鈍化を示唆している。これにより、景気減速への懸念が市場に影響を与える可能性がある。 主要銘柄の動向、テスラが上昇をけん引 個別銘柄では、アップルが1.4%上昇し、ナスダック総合指数を支えた。一方、半導体大手エヌビディアは0.6%下落した。電気自動車(EV)大手のテスラは、前日の約12%の急騰に続き、この日も3.5%上昇。これは、新型モデルの予約好調や自動運転技術の進展への期待が背景にあるとみられる。 一方で、住宅建設のKBホームは、2025年通期の売上高見通しを引き下げたことを受け、5%超の下落となった。この発表により、住宅市場の減速が懸念されている。 FRBの金融政策と今後の市場の焦点 米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事は、現在の金融政策が依然として引き締め的であると発言した。また、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、企業や家計が経済の先行きに対して「不確実性の高まり」を感じているとの認識を示した。 市場関係者の関心は、今後発表される経済指標に移っており、特に3月28日に発表予定の個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まっている。この指数は、インフレの動向を測る重要な指標であり、FRBの政策決定に影響を与える可能性が高い。 経済の不透明感が続く中、投資家の注目は経済指標へ 米国株式市場は、トランプ政権の関税政策の柔軟化への期待や、一部の銘柄の上昇によって続伸した。しかし、消費者信頼感指数の低下や住宅市場の懸念が市場のリスク要因として浮上している。今後の市場動向は、FRBの金融政策や重要経済指標の発表次第で大きく変動する可能性がある。投資家は引き続き経済指標の動向を注視する必要があるだろう。
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