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ドラッグストア統合で海外戦略強化が進展

統合発表の背景が判明 ツルハホールディングスとウエルシアホールディングスが12月1日に経営統合を公表し、日本のドラッグストア業界に大きな再編が生じた。今回の統合は、イオングループが構築してきた小売網をさらに強化する位置づけとなる。ウエルシアは上場廃止となり、ツルハの完全子会社として新体制が発足した。統合後の売上高は2兆円超となり、国内最大手としての地位を確立する運営体制が示された。 企業再編の影響が判明 統合により全国の店舗数は約5600店となり、従業員数も11万6000人規模に達する。持株構造としてはツルハがウエルシアを統合した形となり、両社の協力関係がより密接なものとなった。イオンは今後、公開買い付けでツルハ株を取得し子会社化する方針を示しているが、ツルハの独立性は維持される見通しが明らかにされた。これにより、グループ内の役割分担が再整理されることになる。 商品戦略の強化策が発表 新体制では商品調達の共通化を進め、コスト削減と供給の安定化を図る方針が示された。プライベートブランド商品の開発については、両社のノウハウを合わせることで効率的な商品展開を行う計画が説明された。また物流分野でも統合効果を最大化し、地域ごとの配送網を一体化して効率化を進める方針が明らかになった。これにより消費者への提供価値向上が期待されている。 海外進出方針の詳細が判明 海外展開では東南アジア地域への出店強化が主要戦略として掲げられた。イオンが構築してきた現地拠点を活用することで、市場参入を迅速に進める狙いが示されている。日本のドラッグストアが持つ健康支援サービスや店舗運営の知見を海外展開に生かし、地域ごとの需要に応じた事業モデルを構築する方針が述べられた。 中長期計画の影響が発表 統合企業は2032年に売上3兆円を視野に入れ、国内外での事業強化を進める。鶴羽順社長は会見で海外市場での競争力強化に意欲を示し、「世界でも存在感を示す企業体制を構築する」という姿勢を明らかにした。また介護関連の取り組みも事業の重要分野として位置づける方針が示され、幅広い領域での事業拡大が計画されている。

イオン、中間決算で2年ぶりの増益を発表

節約志向が追い風となり「トップバリュ」が好調 総合スーパーの回復で業績が上向き 流通最大手のイオンは14日、2025年8月期中間連結決算を公表した。純利益は前年同期比9.1%増の40億円となり、2年ぶりに増益へ転じた。主力である総合スーパー事業が回復したことで、グループ全体の収益を押し上げた。 独自ブランド強化で顧客を呼び戻す 生活防衛意識の高まりを背景に、イオンはプライベートブランド「トップバリュ」の販売拡大に注力した。価格を抑えた食品や日用品が消費者の支持を集め、集客力の向上につながった。店舗では売り場の配置や販促活動を最適化し、来店頻度を高める施策を展開した。 DX推進で経費削減と効率化を実現 イオンは経営効率の向上にも取り組んでいる。セルフレジ導入の拡大やデジタル化による業務効率化が進み、販売現場の負担軽減とコスト削減を両立した。これにより、販管費の抑制が実現し、利益率の改善に寄与した。 金融・ドラッグストア事業も堅調 小売事業以外でも好調が続いた。イオンクレジットサービスなどの金融部門やドラッグストア事業が業績を下支えした。営業収益は3.8%増の5兆1899億円と中間期として過去最高を更新。成長分野の拡大がグループ全体の安定性を高めた。 グループ再編で地域密着経営を推進 東京都内での会見で吉田昭夫社長は、「各地域での経営を最適化するため、グループ内の再編を継続する」と述べた。店舗網や人材配置の見直しを通じ、地域ごとの需要に即した経営体制を構築する方針だ。イオンは構造改革を進めつつ、次期成長に向けた基盤強化を急ぐ。

イオンが新米販売を首都圏に拡大 割安価格で需要喚起

直営農場の新米が首都圏47店舗に登場 流通大手イオンは7日、埼玉県羽生市の直営農場で収穫した新米の販売を開始した。これまで県内の限られた店舗のみで取り扱っていたが、今年は首都圏47店舗へと販売網を広げた。中間コストを削減し、一般的な銘柄米より1〜2割安い価格設定とすることで、米価高騰が続く中での消費者需要に応える狙いだ。 価格は5キロ4298円、4銘柄を展開 今回販売されるのは「コシヒカリ」「あきたこまち」「彩のきずな」「にじのきらめき」の4銘柄で、いずれも直営農場で栽培されたもの。5キロあたり4298円(税込)で販売され、他ブランド米に比べて手頃な価格となっている。東京都江東区の店舗では販売初日から多くの買い物客が訪れ、「価格の安さが決め手」と話す声も聞かれた。 作付面積1.5倍に拡大、生産量100トンを見込む イオンは2015年から羽生市で稲作を開始し、遊休農地の活用を進めてきた。今年は作付面積を約30ヘクタールへと1.5倍に拡大。これにより約100トンの生産を見込んでいるという。高温耐性を持つ品種の導入も進め、安定した供給体制の確立を図る。 農業分野での取り組みを加速 イオンはグループ会社「イオンアグリ創造」を通じて全国各地で農業事業を展開している。流通の大手企業が自ら生産に乗り出す動きは珍しく、農地の有効活用や価格安定化に寄与している。担当の川口雅明取締役は「コメの供給不足を補うだけでなく、農業の持続的発展にも貢献していきたい」と語った。 2030年までに生産量を2~3倍へ 今後は首都圏以外への展開や他の直営農場での生産拡大も視野に入れる。イオンは2030年までに生産量を現在の2〜3倍に増やす方針で、国内の米供給の安定化に向けた取り組みを本格化させる構えだ。自社生産・販売の強みを生かし、物価上昇局面でも消費者に安心価格を提供する体制づくりを進めている。

イオン、決算発表を延期 買収先の会計問題影響

ベトナム企業での会計不正が明るみに イオンは2025年7月9日、金融子会社を通じて取得したベトナムの企業における会計上の問題を理由に、当初予定していた7月11日の決算発表を延期し、7月31日に変更すると発表した。このベトナム企業では、買収前からの会計上の不備が確認されている。 この不正は経営統合の過程で明らかになったもので、帳簿の整合性や会計基準の逸脱など、企業買収におけるリスク管理の課題も浮き彫りとなった。 約262億円で買収した企業に不正処理 問題となったベトナム企業は、個人向けローン事業を展開する現地の金融機関であり、イオンフィナンシャルサービスは2024年2月に約262億円を投じてこれを完全子会社化していた。買収後の経営統合作業の中で、買収前に行われていた会計処理の不適正が発覚した。 具体的な内容は明かされていないが、貸倒引当金の過少計上や、貸出資産の過大評価といった手法が疑われており、企業価値の見積もりにも誤差があった可能性がある。 契約無効を主張、現地銀行と協議継続 イオン側は問題発覚後、当該企業を譲渡した現地の金融機関に対し、買収契約の無効を正式に通知している。これは、2025年6月6日付の資料でも確認されており、買収条件が大きく崩れたことに伴う契約上の再交渉が続いていると見られる。 イオンフィナンシャルサービスは現在、取得企業との協議を継続しており、契約の見直しや損失補填に関する対応を検討中である。 2026年2月期の業績見通しは引き続き分析中 会計処理の不適切さが連結決算にどの程度影響するかについては、現時点では「精査中」とされている。ただし、買収にかかった金額と子会社化の比重を考慮すれば、一定の減損リスクや会計修正が発生する可能性は否定できない。 このため、7月31日の発表時には修正報告の有無や、26年2月期通期見通しへの影響が注目されることになる。 現地戦略にも遅れ、再構築に時間を要す 一連の問題により、イオンフィナンシャルサービスによるベトナム市場への進出戦略も遅れを余儀なくされている。同社はアジア展開を成長戦略の柱と位置付けており、今回のような統合失敗は経営全体にとっても打撃となり得る。 今後の重点は、リスク管理の強化と事業再編の実施に移る見通しであり、同地域での信頼回復と安定成長が問われることになりそうだ。