節約志向が追い風となり「トップバリュ」が好調
総合スーパーの回復で業績が上向き
流通最大手のイオンは14日、2025年8月期中間連結決算を公表した。純利益は前年同期比9.1%増の40億円となり、2年ぶりに増益へ転じた。主力である総合スーパー事業が回復したことで、グループ全体の収益を押し上げた。
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独自ブランド強化で顧客を呼び戻す
生活防衛意識の高まりを背景に、イオンはプライベートブランド「トップバリュ」の販売拡大に注力した。価格を抑えた食品や日用品が消費者の支持を集め、集客力の向上につながった。店舗では売り場の配置や販促活動を最適化し、来店頻度を高める施策を展開した。
DX推進で経費削減と効率化を実現
イオンは経営効率の向上にも取り組んでいる。セルフレジ導入の拡大やデジタル化による業務効率化が進み、販売現場の負担軽減とコスト削減を両立した。これにより、販管費の抑制が実現し、利益率の改善に寄与した。
金融・ドラッグストア事業も堅調
小売事業以外でも好調が続いた。イオンクレジットサービスなどの金融部門やドラッグストア事業が業績を下支えした。営業収益は3.8%増の5兆1899億円と中間期として過去最高を更新。成長分野の拡大がグループ全体の安定性を高めた。
グループ再編で地域密着経営を推進
東京都内での会見で吉田昭夫社長は、「各地域での経営を最適化するため、グループ内の再編を継続する」と述べた。店舗網や人材配置の見直しを通じ、地域ごとの需要に即した経営体制を構築する方針だ。イオンは構造改革を進めつつ、次期成長に向けた基盤強化を急ぐ。
