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欧州7カ国が示した北極秩序維持への明確な姿勢

北極を巡る発言が欧州に波紋 アメリカ大統領がグリーンランドの取得に言及したことで、北極圏を巡る主権と安全保障の在り方が改めて注目を集めた。発言はデンマーク自治領という政治的に繊細な地域を対象としており、欧州各国は即座に反応した。事態は二国間問題にとどまらず、同盟全体の秩序にも関わる問題として受け止められている。 共同声明に込められた主権尊重の原則 デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、スペイン、英国の首脳は共同声明で、グリーンランドはその住民のものであると明確に示した。領有や将来の地位に関する判断は、外部からではなく、現地の意思に基づくべきだと強調している。国際社会の基本原則である主権と領土の一体性を守る姿勢を打ち出した形だ。 NATO枠組みでの北極圏安全保障 声明では、北極圏の安全保障はNATO同盟国が協調して達成すべき課題と位置付けられた。NATOは北極を優先分野の一つとし、欧州諸国は存在感や活動、投資を拡大していると説明している。敵対的な動きを抑止するため、集団的な対応の重要性が改めて確認された。 米欧関係への配慮も併記 一方で声明は、米国を欧州にとって不可欠なパートナーと位置付け、対立一辺倒ではない姿勢も示した。デンマークと米国はいずれもNATO加盟国であり、同盟内の結束維持が重要であるとの認識が背景にある。牽制と協力の両立を図る内容となった。 北極秩序を巡る欧州の立場が鮮明に 今回の声明は、北極圏を巡る秩序を現行の国際ルールの下で維持するという欧州側の立場を明確にした。主権尊重と同盟協調を同時に掲げることで、地域の安定確保を優先する姿勢を打ち出したといえる。

高市首相、中央アジア連携を軸にカザフスタンと協力深化

首脳会談で確認された基本認識 高市早苗首相は2025年12月18日夜、首相官邸でカザフスタンのトカエフ大統領と会談した。会談では、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化するため、両国が戦略的なパートナーとして協力を深める重要性を共有した。高市首相は、日本とカザフスタンが互恵的な関係を発展させてきた点に触れ、今後も連携を拡大していく姿勢を示した。これに対し、トカエフ大統領は、日本を信頼できるアジアの重要な友好国と位置づけ、関係強化への意欲を表明した。 政治・経済分野での協力拡大 両首脳は、政治対話に加え、経済分野での協力をさらに進めることで一致した。カザフスタンは石油や天然ガス、ウラン、レアメタルなど多様な資源を有しており、日本側は重要鉱物を含む資源分野での連携強化を重視している。会談では、政府開発援助(ODA)の活用を含め、持続可能な形で協力を進める方針が確認された。両国の経済関係を多角的に拡充することで、安定的な供給網の構築につなげる狙いがある。 物流と輸送網整備への具体策 会談では、中央アジアとヨーロッパを結ぶ輸送ルートの整備も主要議題となった。日本政府は、ロシアを迂回する物流ルートとして注目される「カスピ海ルート」の円滑化を支援する方針を示した。具体的には、港湾税関への大型X線機材の供与を決定したことが伝えられ、物流の効率化と透明性向上への貢献が期待されている。両国は、輸送・物流分野での協力が地域全体の経済発展につながるとの認識を共有した。 人的交流と航空分野の進展 両首脳は、来年にも予定されている日本とカザフスタン間の直行便就航を歓迎した。あわせて、航空協定締結に向けた協議を開始することで一致し、人的交流やビジネス往来の拡大を後押しする方針を確認した。直行便の実現は、両国間の距離を縮める象徴的な取り組みと位置づけられている。文化や観光分野を含む交流の拡大が、関係全体の底上げにつながるとされる。 地域協力を見据えた戦略的意義 高市首相は、12月19日から東京都内で開催される日本と中央アジア5か国による初の首脳会合で議長を務める。今回の会談は、その直前に行われたもので、地域全体との連携強化を見据えた意味合いが大きい。両首脳は、ウクライナ情勢についても意見を交わし、国際秩序の安定に向けた協調の必要性を確認した。日本とカザフスタンの協力は、中央アジア全体との関係深化を支える基盤として位置づけられている。

高市首相、ゼレンスキー・メローニ両首相と相次ぎ会談

国際秩序維持への連携を確認 高市早苗首相は11月5日、就任後初めてウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行い、同国の復旧・復興を引き続き支援する方針を示した。また同日、イタリアのメローニ首相とも協議し、主要7カ国(G7)としての結束を確認した。相次ぐ会談は、日本が国際社会の中で主導的な役割を果たす姿勢を明確にするものとなった。 電話会談はゼレンスキー大統領との間で約30分間行われ、メローニ首相との協議は約15分間だった。両首脳との会話を通じ、高市首相は「自由で開かれた国際秩序」の維持に向けた連携を強調した。 ウクライナへの支援継続方針を強調 ゼレンスキー大統領との会談では、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、日本が引き続き「ウクライナと共にある」との姿勢を堅持する意向を伝えた。高市首相は「戦争の帰結は国際秩序に影響を及ぼす。公正で永続的な平和の早期実現に向けて力強く支援する」と述べた。 ゼレンスキー大統領は日本のこれまでの支援に謝意を表し、和平に向けた取り組みを説明。さらに日本によるエネルギー関連機器の供与に期待を示し、「この冬、われわれの都市や地域にとって大きな力になる」と述べたとされる。大統領はまた、高市首相にウクライナ訪問を要請した。 欧州との協調も強化 同日夜、高市首相はイタリアのジョルジャ・メローニ首相とも電話で協議した。両首脳は安全保障や経済など幅広い分野での協力の進展を確認し、「同志国としての連携をさらに深める必要性」で一致した。 メローニ首相は高市首相の就任を祝意し、女性首脳がG7で2人となったことを喜んだという。高市首相は会談後、自身のSNSで「メローニ氏が女性リーダーの増加を歓迎してくれた」と投稿し、相互の信頼関係を強調した。 G7連携を軸に外交姿勢を明確化 今回の2つの会談は、日本が欧州との関係を再確認し、G7の枠組みの中で積極的な役割を果たす意志を示すものとなった。高市首相は、民主主義国家間の結束を重視し、自由主義の価値観を守るための国際協調を訴えている。 日本政府内では、ウクライナ支援やエネルギー供給の安定化に加え、防衛分野や経済安全保障における協力拡大も視野に入れる動きが強まっている。 同志国との連携で新政権の立場を明示 就任直後から欧州主要国との連携を打ち出した高市首相の動きは、国際社会での発言力を高める戦略の一環とみられる。ウクライナ支援と欧州連携を同時に進めることで、日本外交の方向性を明確にした形だ。 日本が掲げる「公正で持続的な平和」の理念のもと、G7諸国との連携を軸にした外交は今後も継続される見通しである。

習主席の訪韓調整が進展、中韓外相が会談

両国外相が北京で会談を実施 中国の王毅外相と韓国の趙顕外相は17日、北京で会談し、両国関係の発展に向けた意思を確認した。趙氏の訪中は就任後初めてであり、韓国新政権による対中関係重視の姿勢が示された。両国外相は今後の協力の枠組みについても意見を交わした。 習近平主席の訪韓が最終調整段階 会談では、10月31日から11月1日に韓国・慶州で開催されるAPEC首脳会議にあわせて、習主席が訪韓する方向で調整が進んでいることが明らかになった。趙氏は改めて出席を要請し、訪韓が両国関係の発展を後押しすることを期待した。王氏も自ら訪韓する意向を示した。 北朝鮮情勢をめぐる協議 両国外相は北朝鮮情勢についても意見交換した。趙氏は、北朝鮮を非核化に向けた対話の場に戻すよう中国に協力を求めた。これに対し王氏は「朝鮮半島の安定に向けて建設的役割を果たし続ける」と応じた。今月上旬には金正恩総書記が訪中しており、北朝鮮問題が改めて注目されている。 国際秩序をめぐる発言 王氏は国連創設80年に言及し、「国際秩序をより公正な方向へ導くべきだ」と発言した。これは「米国第一」を掲げるトランプ政権の通商政策を意識した発言とみられ、韓国を含む国際社会に協力を呼びかける姿勢を強調した。 中韓関係強化への期待 今回の会談を通じて、中韓両国は戦略的な協力をさらに深める方針を確認した。韓国政府は日米との協力を維持しつつ、最大の貿易相手国である中国との関係強化を重視しており、習主席の訪韓がその転機となることが期待されている。