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物価高受け介護報酬引き上げ 2026年6月から実施へ

報酬改定を前倒しする政府判断 介護報酬は原則3年に1度改定されるが、政府は2027年度予定だった次回改定を前倒しし、2026年度に臨時改定を行う。背景には、物価高騰の長期化と、他分野で進む賃金上昇への対応がある。 2.03%増で現場の収入改善へ 臨時改定による引き上げ幅は**2.03%**とされ、介護事業者の収入増を通じて職員の賃金改善を後押しする。前回改定を上回る水準とすることで、離職防止と人材確保の効果を高める狙いがある。 サービス維持に向けた財源配分 引き上げ分の使途は、職員の処遇改善を軸としつつ、食材費など利用者向けサービスにかかるコスト増への対応も想定されている。介護サービスの質を維持するため、事業者の経営安定が重視されている。 政府・与党の説明と姿勢 自民党の鈴木俊一幹事長は、介護と医療の両分野が厳しい経営状況に置かれていると指摘し、今回の改定を「大きな支援策」と位置付けた。政府は月内にも方針を正式決定する方向で調整を進めている。 2026年度予算案に反映へ 今回の介護報酬改定は、12月26日に閣議決定予定の2026年度予算案に盛り込まれる見通しだ。政府は国民生活を支える社会保障の基盤強化を掲げ、医療・介護分野への財政対応を進める考えを示している。

政府が財政方針を決定し成長重視へ転換示す

経済運営の転換点を示した方針 政府は12月9日、2026年度予算編成に向けた基本方針を閣議で正式に了承した。今回の方針は、国内経済がこれまでの停滞局面を脱し、物価と賃金が同時に上昇する局面へ移りつつあるとの認識を示した点が特徴である。政府はこの変化を新たな成長段階への移行と位置づけ、財政運営の方向性を再構築する必要があると強調した。経済環境の改善を背景に、財政構造を従来型から成長軸に対応した形へ改める姿勢が明確になった。 成長に資する支出の重点化を進める方針 方針では、経済成長への寄与が見込まれる分野に対し、支出と税制の両面で重点的に資源を配分する姿勢が示された。研究開発、生産性向上、設備投資を促すための制度を厚くする一方、成果が十分に確認できない政策については縮減を検討すると記した。歳出と歳入を同時に見直すことで、財政全体の構造転換を図る意図が読み取れる。政府は支出の質を高めることで経済拡大と財政改善の両立を目指す立場を示した。 債務抑制と財政健全化を同時に図る姿勢 今回の基本方針では、債務残高の管理についても明確な方向性が示された。政府は経済成長率の範囲内に公的債務の増加を抑え、国内総生産比での債務水準を引き下げる目標を掲げた。市場の信頼を確保するために、財政運営の透明性と持続性を維持する必要があるとし、拡張的な財政措置と健全性確保を両立させるとした。財政余力を確保することが、長期的な経済安定につながるとの考え方が示されている。 社会保障制度改革と補正予算の課題認識 社会保障に関しては、現役世代が負担する保険料率の上昇を抑制する重要性が示された。制度の持続性を確保するため、保険料負担の軽減と並行して仕組みそのものの再構築を進めるとした。また、近年規模が拡大している補正予算についても課題視し、平時にふさわしい歳出構造を回復させる必要があると記した。政府は予算のあり方を検討する場を設け、財政運営全体の見直しに着手する方針である。 年内決定に向け作業を加速する見通し 政府は今回示した方針を基礎に、2026年度予算案の作成作業を本格化させる。年内の取りまとめを目指すとしており、財政規律と経済成長をいかに両立させるかが焦点となる。成長型経済への移行を支える財政のあり方が問われるなか、歳出の精査と制度改革の実行が今後の政策課題として浮上している。政府は国内外の経済環境を踏まえ、政策効果を重視した編成を進める構えである。

自民・維新が政策協議体設置 定数削減や改憲論議を加速

政権合意を具体化する実務協議が始動 自民党と日本維新の会は6日、連立政権の政策合意に基づく「与党実務者協議会」の初会合を国会内で開催した。両党は国会議員の定数削減や社会保障制度の見直しなど、5つの主要分野で協議体を設置し、政策の実行に向けた議論を本格化させる方針を確認した。会合では、自民の井上信治幹事長代理と維新の金村龍那幹事長代理が協議会代表として就任し、信頼関係を構築しながら政策推進を進める考えを示した。 政策実現へ5つの協議体を新設 協議体は、①議員定数削減を含む選挙制度改革、②社会保障制度改革、③政治資金の透明化、④統治機構改革(副首都構想を含む)、⑤憲法改正の5分野で構成される。各分野の協議は来週から順次開始され、協議会が進捗を一元的に管理する。特に、比例代表を中心とした定数削減や憲法改正の条文検討など、国会審議に直結する課題が焦点となる見通しだ。 臨時国会での法案成立を視野に協議加速 連立合意書には、衆院定数1割削減を目指し、臨時国会中の法案提出を明記している。これは国政改革の象徴として維新が強く求めてきた項目であり、連立政権における最初の試金石とされる。井上氏は「真摯な議論を重ねて着実に実現したい」と述べ、金村氏も「信頼構築が安定政権の基盤となる」と語った。両党の実務者が一体となり、議論を進める構えを見せている。 自民内の慎重論と野党対応が課題 一方で、自民党内では定数削減への慎重な意見もくすぶる。特に比例代表の削減は与党議席の減少に直結する可能性があり、党内調整が避けられない。また、少数与党の立場にある現政権では、野党の理解を得ることが法案成立の前提となる。高市早苗首相は「幅広い政党間の協議を重ね、合意形成を目指す」との姿勢を示している。 信頼構築が連立維持の鍵に 政策実現には、自民と維新の間での信頼関係が不可欠とされる。維新幹部の一人は「定数削減が進まなければ連立離脱も選択肢」と述べ、協議の進展に期待と警戒を交錯させている。両党が歩調を合わせられるかどうかが、連立の安定性と改革の行方を左右する重要な局面となる。

高市内閣、発足直後に64%の高支持率を記録

国民の6割超が新内閣を支持と回答 共同通信の全国調査によれば、発足直後の高市内閣支持率は64.4%に達した。これは石破内閣の50.7%、岸田内閣の55.7%を上回り、近年でも高い水準となった。不支持率は23.2%にとどまり、国民の期待感が新政権に集中していることがうかがえる。 女性初の首相誕生に広がる好感 日本初の女性首相誕生となった高市早苗氏について、「女性の社会進出を促す」と評価する回答は76.5%に上った。男女問わず期待が寄せられ、「歴史的な転換点」とする意見も多い。政治分野での女性活躍が現実味を帯びたことが、世論の好感を後押しした形だ。 萩生田氏起用に不満、7割が「不適切」 一方で、萩生田光一氏を幹事長代行に任命した人事には厳しい声が多い。70.2%が「適切ではない」と回答しており、派閥裏金問題の影響がなお根強い。新内閣に清新さを求める国民の姿勢が浮き彫りとなった。 維新との連立を肯定、公明離脱を容認 自民党と日本維新の会の連立発足を「良い判断」とした人は64.4%。公明党が離脱したことについても66.2%が「評価する」と回答している。与党構成の変化が国民におおむね受け入れられたことを示す結果となった。 政権に求める最優先課題は物価高対策 調査では、政府に最優先で取り組んでほしい課題として、物価高対策(38.9%)が最多だった。次いで社会保障(11.7%)、政治とカネの問題(8.1%)が続いた。経済安定への期待が高市政権の評価を支える一方、構造的課題も依然として重いテーマとなっている。

消費税減税に慎重姿勢、食料品への対応めぐり政府が方針明示

食料品減税の議論が再燃する中、首相が明確に否定 2025年4月1日、石破茂首相は記者会見で、食料品に対する消費税率の引き下げに否定的な考えを改めて示した。3月末の参院予算委員会では一部容認とも取れる発言をしていたが、今回は「税率引き下げは適当ではない」と明言し、その答弁を事実上撤回した。背景には、消費税が全世代型社会保障制度を支える財源として重要であるという政府の基本姿勢がある。 3月末の答弁から一転、首相が発言を訂正 石破首相は2025年3月28日の参院予算委員会において、物価高騰への対策として「消費税減税は一概に否定できない」と発言し、柔軟な姿勢を見せていた。しかし、4月1日の記者会見ではその発言を明確に訂正し、「消費税は社会保障制度を維持するうえで不可欠な財源であり、減税は適切でない」との認識を示した。この方針転換は、党内外に大きな波紋を呼んでいる。 自民党幹部も減税論に慎重姿勢を示す 同日、自民党の森山裕幹事長も記者会見で、消費税の減税に対する慎重な立場を明らかにした。「減税に言及する場合は、財源を明確に示すことが前提だ」と述べ、減税には財政上の裏付けが不可欠であることを強調した。党幹部の発言が首相の見解と歩調を合わせている点からも、政府与党として現時点で消費税減税に踏み切る意思はないとみられる。 物価高対策としての減税論が再燃する背景 国民の生活を直撃する物価上昇が続く中、食料品など生活必需品に対する消費税の軽減を求める声が強まっている。とくに低所得層における負担感は大きく、減税を通じた家計支援策の実現を求める世論が広がっている。一方で、社会保障制度の持続可能性を重視する財政当局の立場からは、税収の減少を招く政策には慎重論が根強い。 首相の姿勢が今後の政策議論に与える影響 石破首相が減税論を明確に否定したことで、今後の経済政策や社会保障制度改革において、財政健全化を優先する路線が強まるとみられる。食料品減税をめぐる議論は当面沈静化する可能性があるものの、物価高が続けば再び議論が活発化することも予想される。政府は生活支援と財政健全化のバランスをどう取るか、引き続き難しい舵取りを迫られる。