店頭平均が複数週ぶりに下向きとなった動向が示された状況を発表 11月16日までの1週間における店頭のコメ平均価格が、前回の集計値を下回った。全国約1,000店のデータでは、5キロ4,260円となり、直前の週に記録した最高水準から水準を下げた。数週ぶりの下落となり、新米が流通量を増やす時期にあたるため、価格動向に一時的な落ち着きが見られた。ただし、全体としては依然として高値帯の水準にとどまっている。 産地単一米の価格変化が全体の価格水準を押し下げた影響が判明 銘柄米の平均価格は4,542円となり、前の週から31円低下した。この区分の価格は夏以降上昇が続いていたが、今回の集計でおよそ3か月半ぶりに方向性が変わった。一方、複数産地を組み合わせた米の価格も84円下がり、3,648円となった。需要構成は変化していないものの、単一産地米の値動きが全体に影響を与え、平均価格の下落につながった。 広範な店舗調査で別集計の価格も下落し高値が続く状況を分析 約6,000店を対象にした別の調査でも、平均価格が4,357円となり87円低下した。こちらは集計開始以来の最高値を付けた前週から下がっており、7週ぶりの減少となった。しかし数値自体は高い水準にとどまっており、政府の備蓄米が市場に供給されていた時期と同程度の価格帯が続いている。広範囲の店舗で同様の傾向が見られ、下落幅よりも依然高値である点が注目されている。 地域別調査で近畿などの高値が続く価格帯の違いが鮮明化 地域別にみると、近畿で4,561円となり、北陸や東海も4,400円台に達した。3,000円台に収まる地域は中国・四国と九州・沖縄に限定されており、地域ごとの販売価格の差がくっきりと表れた。十分な収穫量が見込まれる中でも、JAグループが生産者に支払う概算金が高く設定されたことが、高値での流通に結びついている。 取引段階の記録的水準が店頭価格を支え高止まりを招く可能性が判明 卸売事業者と出荷団体の間で交わされる取引価格は10月に過去最高を更新し、依然として高い状態を保っている。この取引段階の価格設定が店頭に波及しやすく、各地での価格下落を抑える要因となっている。新米が増える時期であっても、こうした構造が影響し、販売価格が大幅に下がりにくい状況が続くとみられている。
2026年産米生産量を711万トンに設定した事情が明らかに 農林水産省は10月31日、2026年産主食用米の生産見通しを711万トンと決定した。これは25年産見通しの748万トンと比較して約5%の減少を示しており、需給のバランス調整を目的とした方向転換である。需要見通しを694万~711万トンと算定し、最大値に合わせて生産枠を設定したことで、供給過剰による価格低迷に対する備えがうかがえる。また、産地の作付け計画の目安ともなるこの数値は、生産者の収益性を見据えた出荷制御の意図を含んでいる。 増産方針からの変更で前政権との方針乖離が浮上 かつて増産を支持していた前政権の方針から、今回の生産見通しでは実質的に「増産撤回」と捉えられている。生産量の急増が米価の下落を招くとの生産者の懸念が背景にあり、政府がこれに配慮して減産を決断した。備蓄用米の買い入れを再開する方針も、主食用米の生産削減に影響を与える要因として注目されている。このような政策転換は、国内米価の維持と生産者保護を優先する姿勢の表れといえる。 米価高止まりと輸入米動向が市場に影響を与えている 10月20〜26日のスーパー約1000店舗調査による5キログラム当たりの平均販売価格は4,208円となり、前週比で43円下落したものの、依然として4,000円台を維持している。この高値水準は、消費者の負担増および国内米離れの可能性を指摘されており、安価な輸入米の増加とも連動している。価格が高止まりする構図が長期化する場合、国内農業と消費市場の双方にとって構造的な課題となる。 生産者・政府双方の視点から見える今後の方針 鈴木農水大臣は「大幅増産は需給安定を損なう」と明言しており、中長期的には海外展開も視野に「増産トレンドを作りたい」としている。一方で、生産者側には「現状から大きく変わらない」との見方も示されており、今回の見通しが実質的には現状維持的な水準であることがうかがえる。このように、生産体制の調整と将来戦略の両輪が政府の米政策において鍵を握る。 将来の需給管理と消費者対策が政策課題にのぼる 国内米の需給バランスを維持するためには、備蓄米の活用、消費促進策、価格安定化対策が不可欠である。政府は「おこめ券」など消費支援にも言及しており、消費者の購買力低下を念頭に置いた対応を検討している。ただし、国内産米価格の高止まりが続くと、消費者離れや輸入米依存となる構図が生じる可能性もある。今後は、生産者への配慮と消費者への配慮を両立させる需給・価格政策がより重要な課題となる。
増産政策に現場の戸惑いが広がる 鈴木憲和農林水産相は23日、報道各社のインタビューで、石破政権が掲げたコメ増産方針について「生産現場が大きな混乱に直面している」との認識を示した。生産者の間では、今年の好天による豊作を受け「来年は供給過剰による米価下落が起きるのではないか」との懸念が強まっている。政府はこれまで「価格抑制」を目的に備蓄米を放出してきたが、その政策が市場に与える影響が指摘されている。 「需要に応じた生産」を基本方針に転換 鈴木氏は、需給バランスを崩すような生産拡大は避けるべきだと述べ、「需要を基準にした農政運営が不可欠」と強調した。「需要を短期間で増やすのは難しく、来年は大幅な増産にはならない」と説明し、拡大一辺倒の政策を見直す方向性を明確にした。一方で、海外需要の開拓を通じて「中長期的には増産体制を整える可能性もある」と述べ、輸出戦略に軸足を置く姿勢を示した。 コメ価格への政府関与を否定 新政権の経済政策では食料品価格の安定が課題となっているが、鈴木氏は「コメ価格は市場で決まるもので、政府が関与すべきではない」と明言した。これは、前任の小泉進次郎前農相が主張した「コメは高すぎる」との発言と明確に異なる立場であり、石破茂前首相が示した「5キロあたり3,000円台が望ましい」との目安とも距離を置く発言となった。 小泉氏主導の「コメ対策チーム」も年内に解散 政府は「令和の米騒動」と呼ばれた昨年の混乱を受け、備蓄米を随意契約で市場に放出してきた。これを主導した小泉氏の「コメ対策チーム」について、鈴木氏は「役割を終えた」として年内に解散する方針を明らかにした。これにより、価格抑制中心の政策から、市場原理を重視する体制への移行が進むとみられる。 消費者支援策の検討と今後の展望 一方で、鈴木氏は物価高への対応として「おこめ券」などの消費者向け支援策を検討する考えを示した。農家保護と消費者支援の両立を課題としつつ、「現場感覚を重視した農政」を掲げている。政府内では、輸出強化や需給調整の仕組みづくりを通じて、長期的な安定供給を目指す方向で調整が続く見通しだ。
生産現場で広がる不透明感が判明 全国農業協同組合中央会(JA全中)の山野徹会長は21日、政府による備蓄米販売期限の延長について言及し、生産現場で需給や価格に対する不安が高まっていると指摘した。農林水産省は当初8月末までとしていた販売期限を見直し、急きょ9月以降も販売を認める方針を決定。この対応により、現場からは「今後の市場動向が読みづらい」との懸念が広がっている。 農水省の対応変更と理由を発表 農水省は当初の期限を設けた際、新米の流通開始前に市場が混乱しないよう配慮したとしていた。しかし、倉庫からの出荷が遅れる事態が判明し、販売期限の延長を余儀なくされたと説明している。急な対応変更は、農業関係者の間で「見通しの甘さ」を露呈したとの指摘も出ており、行政の判断の在り方が改めて問われている。 JA全中会長が政府に情報発信を要請 会見で山野会長は「追加の受付やさらなる期限変更が行われないことが重要だ」と強調した。懸念を払拭するためには、農林水産省が透明性の高い情報発信を徹底し、生産者や流通関係者に対して方針を明確に示すことが不可欠と述べた。現場では、新米の販売価格に直接大きな影響はないとの見方もあるが、不安心理は依然根強い。 新米集荷と概算金引き上げの影響 各地のJAは新米の安定的な集荷を目指し、生産者に対する仮払いである「概算金」の目安を引き上げている。山野会長は「概算金は営農継続を可能にする総合的な判断に基づいて設定されている」と述べ、今後の動向を注視する意向を示した。新米の集荷が円滑に進まなければ、市場への供給に影響が出る懸念もある。 今後の需給と価格動向を注視 今回の決定は、生産現場の信頼性や市場の安定性に直結する問題として注目されている。農業団体は、農水省が追加の変更を繰り返すことなく一貫した政策運営を行うよう求めており、今後の需給と価格の動向が焦点となっている。
価格高騰の背景と要因が明らかに 政府はコメ価格の急騰を受け、6月に関係閣僚会議を設置し検証を実施した。その結果、農林水産省が需要減少を前提に需給予測を立て、インバウンド需要増加や国内消費拡大を過小評価していたことが判明した。さらに、高温に伴う白米への精米効率低下も供給不足を助長した。これらの要因が複合し、需給バランスが崩れたと指摘されている。 実際の生産量不足と統計データの公表 政府の統計では、2023〜2024年の生産量は需要に対し40〜50万トン不足し、翌2024〜2025年も20〜30万トンの供給ギャップが確認された。また、全国消費者物価指数によれば、コメ価格は6月に前年同月比100.2%上昇し、5月まで8カ月連続で最高値を更新していた。これらのデータは、明らかな供給逼迫を示している。 政策転換と農業支援の新方針 石破首相は閣僚会議で「生産不足を真摯に受け止める」と述べ、増産促進への政策転換を表明した。耕作放棄地の解消や農地集約化、スマート農業技術の導入を通じて生産性を向上させる方針を提示。減反廃止後も続いていた供給管理的施策を見直し、農業者が積極的に増産に取り組める環境づくりを進めるとした。 備蓄米放出遅延と供給管理の課題 検証結果では、政府備蓄米の放出時期が遅れたことも価格高騰の要因と指摘された。農林水産省が流通実態把握に消極的だった姿勢が供給管理の遅れを招き、需給逼迫を深刻化させた。今後は備蓄管理の改善と迅速な市場対応が求められる。 今後の展望と物価への影響 日本銀行は7月31日の展望リポートで、コメを中心とする食料品価格の上昇が物価全体に影響しているとし、コアCPIの見通しを引き上げた。政府は今後の需要動向を注視しつつ、国内農業の生産力強化と価格安定策を両立させる必要がある。増産政策の具体化が市場安定の鍵を握る。
9週連続の値下がりが確認された全国平均価格 農林水産省によると、全国のスーパーで14~20日に販売されたコメ5キロの平均価格は3585円で、9週連続の値下がりとなった。ただし、下げ幅は縮小しており、6週連続で3000円台が維持されている。2022年3月の公表開始以来、9週連続下落は初の事例である。 銘柄米は微増、ブレンド米が価格下落 銘柄米の平均価格は4264円で前週より3円上昇した。一方、複数の品種を混ぜたブレンド米は3088円に下がり、18円の下落が見られた。ブレンド米の販売比率は3週連続で58%と変動はなく、全体の価格動向は横ばい傾向が続いている。 備蓄米販売の累計は6万9777トンに到達 随意契約で供給される備蓄米の販売量は、20日までの累計で6万9777トンとなった。都道府県別では東京都が5989トンで最も多く、秋田県が75トンで最少だった。この備蓄米は5月末以降に市場に流通し、価格下落を後押ししている。 都道府県別の価格差が浮き彫りに ブレンド米の都道府県別調査では、税抜き価格の最安が大阪府の2580円、最高が滋賀県の4980円であった。随意契約米を除いた結果であり、地域ごとの価格差が顕著に示されている。 今後の価格動向に注目集まる コメ価格は9週連続の下落が確認されたが、直近では下げ幅が縮小している。ブレンド米の高い比率が維持される一方で、銘柄米の動きや備蓄米の供給が価格に与える影響が引き続き注目される。
生産規模の将来像を探る大規模アンケートを実施 農水省は6月19日から、国内の稲作農家に対してアンケート調査を行っている。対象は現時点で稲作を営んでいる農家で、調査では今後1年後、5年後、10年後の米の生産量について尋ね、農水省のウェブサイト上での回答を求めている。 長期的な米政策への反映が狙い この調査は、中長期的な米政策の策定に向けた基礎データを収集することを目的としている。現在、国内のコメ生産量は、生産調整政策の影響により減少傾向にある。農水省はこの実態を踏まえ、将来の需給バランスや農業支援策を再検討する必要があると判断し、全国規模の調査に踏み切った。 小泉大臣「現場の実態把握が不可欠」と強調 小泉進次郎農林水産大臣は記者団に対し、「農家が今後も安心して生産を続けられる環境を整えるには、現場の実情を正確に把握する必要がある」と述べた。さらに、政策の方向性について「『作りたい人が作れる』ような仕組みに転換する場合、農家の意向を知ることが極めて重要」と語り、調査結果を政策に直結させる意向を示した。 生産調整から自由生産への転換に備えた動き 長年続いてきた生産調整政策からの脱却を視野に入れ、政府は新たな農業モデルの構築を進めている。コメの需給管理が難しくなる中で、農家の自由な経営判断を尊重しながら、安定供給と価格維持の両立を図る必要がある。そのためには、農家自身の見通しと意欲に関する定量的なデータの収集が欠かせない。 今後の農政展開に影響を与える可能性 今回の調査結果は、将来の補助金制度や生産支援策の見直しに活用される可能性がある。政府は農業従事者の高齢化や後継者不足といった構造的課題にも対応していく方針であり、今回のアンケートは政策の再構築に向けた第一歩となる。調査の進展とともに、農業政策の新たな方向性が明らかになることが期待される。
江藤発言への批判が拡大 石破首相が江藤拓農相の更迭を検討していることが明らかになった。江藤氏は18日の講演で「コメを買ったことがない。支援者からもらって売るほどある」と発言し、コメ不足と価格高騰が続く中での発言として批判が集中した。特に農政を担う立場の閣僚としての資質が問われている。 野党が一斉に辞任を要求 20日に立憲民主党の野田代表は党内会合で「江藤氏は任にあらず」と強く非難し、21日の党首討論で任命責任も追及する構えを見せた。これを受け、立憲をはじめ日本維新の会、国民民主党など野党5党の国対委員長が国会内で会談し、辞任を求める方針で一致した。不信任決議案の提出も視野に入れており、衆院では野党が過半数を握るため可決の可能性が高いとされる。 首相は続投を擁護も与党内に動揺 石破首相は同日の衆院本会議で「課題解決に全力を尽くさせたい」と述べ、江藤氏の続投を支持する意向を示した。発言の不適切さについては認め、「任命権者としておわびしたい」と陳謝したものの、野党の結束に抗しきれない情勢となっている。これまで野党との分断戦略で政権運営を進めてきた石破政権だが、今回は対応が後手に回った形となった。 与党内からも批判の声が相次ぐ 与党内からも江藤氏の発言に対する厳しい意見が噴出している。公明党の西田幹事長は「国民の怒りが頂点に達している中での不適切な発言」と非難し、自民党の鈴木総務会長も「政権に対する信頼が問われる状況での軽率な言動」と述べた。閣僚辞任は石破政権発足以来初で、7月の参院選を控えた今、政権にとっては大きな痛手となる可能性がある。 経歴と今後の影響に注目集まる 江藤氏は宮崎2区選出で当選8回。父も元自民党議員で総務庁長官を務めた政治家一族の出身だ。2019年に第2次安倍政権で農相に就任し、今回が2度目の登板だった。小里前農相の落選を受けての再起用であったが、不適切発言によって短期間での辞任となれば、政権全体のガバナンスにも疑問が投げかけられることになる。
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