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欧州7カ国が示した北極秩序維持への明確な姿勢

北極を巡る発言が欧州に波紋 アメリカ大統領がグリーンランドの取得に言及したことで、北極圏を巡る主権と安全保障の在り方が改めて注目を集めた。発言はデンマーク自治領という政治的に繊細な地域を対象としており、欧州各国は即座に反応した。事態は二国間問題にとどまらず、同盟全体の秩序にも関わる問題として受け止められている。 共同声明に込められた主権尊重の原則 デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、スペイン、英国の首脳は共同声明で、グリーンランドはその住民のものであると明確に示した。領有や将来の地位に関する判断は、外部からではなく、現地の意思に基づくべきだと強調している。国際社会の基本原則である主権と領土の一体性を守る姿勢を打ち出した形だ。 NATO枠組みでの北極圏安全保障 声明では、北極圏の安全保障はNATO同盟国が協調して達成すべき課題と位置付けられた。NATOは北極を優先分野の一つとし、欧州諸国は存在感や活動、投資を拡大していると説明している。敵対的な動きを抑止するため、集団的な対応の重要性が改めて確認された。 米欧関係への配慮も併記 一方で声明は、米国を欧州にとって不可欠なパートナーと位置付け、対立一辺倒ではない姿勢も示した。デンマークと米国はいずれもNATO加盟国であり、同盟内の結束維持が重要であるとの認識が背景にある。牽制と協力の両立を図る内容となった。 北極秩序を巡る欧州の立場が鮮明に 今回の声明は、北極圏を巡る秩序を現行の国際ルールの下で維持するという欧州側の立場を明確にした。主権尊重と同盟協調を同時に掲げることで、地域の安定確保を優先する姿勢を打ち出したといえる。

ポーランド領空侵犯で緊張拡大、NATO緊急対応

ポーランド東部で無人機侵入が発表 ポーランド国防省は9月10日、ロシアによる攻撃の一環として、無人機19機が同国領空に侵入したと発表した。侵入はベラルーシ方面から多く確認され、少なくとも3機が撃墜された。事態を受け、ワルシャワのショパン空港を含む4空港が一時閉鎖され、国内は一時的に緊張に包まれた。人的被害は出ていない。 トゥスク首相が安全保障上の脅威を指摘 トゥスク首相は議会演説で、今回の侵犯を「安全保障を揺るがす深刻な事態」と表明した。さらに北大西洋条約第4条の発動を要請し、加盟国に軍事的な協議を求めた。これを受け、NATOはブリュッセルで北大西洋理事会の緊急会合を開催した。欧州各国はロシアによる意図的な挑発の可能性を警戒している。 ロシアは意図的な侵犯を否定 ポーランドのガフコフスキ副首相は「ロシアが計画した行動だ」と非難した。一方、ロシア国防省は声明で「ポーランド領内の標的を攻撃する計画はなかった」と主張し、意図的な侵犯を否定。さらに「協議に応じる用意がある」として外交的対応の余地を示した。 ゼレンスキー大統領が新たな脅威を警告 同日、ゼレンスキー大統領は「少なくとも8機の無人機がポーランドを標的にしていた」と発言し、これを「新たなエスカレーション」と指摘した。彼は「単なる事故ではなく計画的な行動」と強調し、NATO領空での攻撃が新たな段階に入ったと訴えた。 ウクライナ全土に大規模攻撃が続発 ロシアは同夜、無人機415機とミサイル40発以上を用いてウクライナを攻撃。ウクライナ空軍はそのうち無人機386機とミサイル27発を撃墜したと報告したが、ジトーミル州で1人死亡、フメルニツキー州で3人が負傷する被害が確認された。外相のシビハ氏は近隣諸国に対し、防空システムを用いた共同迎撃を呼びかけている。

ウクライナ支援強化とロシアへの圧力に警戒感

トランプ政権が停戦合意を期限付きで要求 アメリカのトランプ大統領は7月14日、ロシアが50日以内にウクライナとの和平に応じなければ制裁を実施する方針を発表した。さらに、NATOを通じてウクライナに先端兵器を供与すると表明し、軍事的支援を強化する姿勢を示した。これまで抑制的だった同政権の対応からの転換であり、国際社会に衝撃を与えた。 ロシア外務省は「脅し」として反発 この発言に対して、ロシア外務省のザハロワ報道官は17日、「ロシアは脅しを受け入れない」と断言した。米国による追加制裁の可能性についても「今やニュースではない」と述べ、アメリカの措置がウクライナでの戦闘継続を助長するものだと批判した。外交的な対話ではなく力による解決を選ぶ姿勢だとして反発を強めている。 モスクワ攻撃可能性を問う発言が波紋 英フィナンシャル・タイムズの報道によれば、トランプ氏は7月4日のゼレンスキー大統領との電話会談で、モスクワやサンクトペテルブルクを攻撃可能かと質問したという。この発言は外交的な波紋を広げ、核保有国であるロシアとの緊張をさらに高める結果となった。 ホワイトハウスは釈明し緊張緩和を図る この件に関し、ホワイトハウスのレビット報道官は「トランプ氏は単に質問しただけであり、さらなる殺りくを推奨したわけではない」と釈明した。また、トランプ大統領自身も「長距離兵器の供与は考えていない」と述べ、ゼレンスキー氏に対しても「モスクワを標的にすべきではない」と諭す発言をしていたことが伝えられている。 米ロ関係は緊張状態のまま推移か 今回のやり取りは、米ロ関係の一層の悪化を象徴するものとなっている。トランプ政権の対応は一貫性に欠ける面もあり、対話による和平への道筋が不透明な状況が続いている。ロシア側の態度も強硬であり、今後の外交的調整は一段と困難を極める見通しだ。