政局変化を背景に株価が急伸
9月8日の東京市場で日経平均は一時800円を超える上昇を示し、TOPIXは過去最高値を更新した。石破茂首相の辞任表明を受けて政局が流動化し、次期政権による経済対策が意識され、投資家の間で買いが広がった。
為替市場の円安が相場を押し上げ
為替市場ではドル円が148円台半ばまで円安に振れた。首相が消費税減税に慎重姿勢を示していたため、退陣を受けて財政拡張の期待が浮上し、円売りの流れが強まった。円安は輸出関連株に追い風となり、株価上昇の一因となった。
業種全般に広がる値上がり
東証33業種のうち不動産、サービス、電気機器など30業種以上が上昇。特に財政出動への期待感が強まる中、景気敏感株や主力銘柄に資金が流入した。プライム市場全体でも約78%の銘柄が値を上げるなど、幅広い上昇となった。
米国市場の影響と慎重姿勢
前週末の米国市場では雇用統計を受けて景気減速懸念が広がり、株価が下落していた。この影響は東京市場でも一部で利益確定売りにつながったが、全体的には過度な警戒は広がらず、リスク選好の動きが優勢となった。
長期金利の変化と市場への影響
次期政権による財政拡張への思惑は長期金利上昇につながる可能性が指摘されている。現在の株式市場は金利上昇圧力を大きく意識していないものの、今後の財政リスク次第では相場の重荷となる懸念も残る。
