山梨県駅の工事契約締結が発表
JR東海は9月17日、リニア中央新幹線山梨県駅(仮称)の建設工事契約を発表した。契約は名工建設、鉄建、早野組の共同企業体と結ばれ、工事内容は駅舎約1万5000平方メートル、高架橋約960メートル、橋梁約310メートルを含む大規模なものとなる。完成予定は2031年12月10日で、25年度中の着工を目指すとしている。
静岡工区の遅延で開業は2035年以降
品川―名古屋間の駅では、山梨県駅が最後の未着工案件だった。しかし、静岡工区が着工していない状況から、全線開業は2035年以降になる見通しだ。これにより、完成した山梨県駅は少なくとも4年間未開業のまま置かれる可能性が高い。
山梨県知事が部分開業を歓迎と表明
長崎幸太郎知事は「全線開通が前提だが、部分開通は歓迎する」との立場を示している。また、「JR東海が経営判断できるように環境を整えたい」と述べ、行政として支援する姿勢を明確にしている。
経済界が実験線の活用を提案
甲府商工会議所は、実験線を延伸し山梨県駅を観光拠点として利用する案を提示した。これにより、リニア実験線が都留市の山梨実験センターに加え、山梨県駅からも乗降可能となり、観光客誘致や地域活性化につながると期待されている。
地元に高まる早期開業の要望
山梨県内では、既に中央市周辺の橋脚や橋げたが完成間近となり、開業を心待ちにする声が大きい。全線開業までの長期的な空白期間を埋めるため、部分開業や観光利用といった代替案の検討が強まっている。
