為替相場に表れた急激な円安局面 2026年1月上旬、外国為替市場では円安が急速に進み、1ドル=158円台前半を記録した。これは前年初め以来の水準で、市場関係者の注目を集めた。日本政府は、こうした動きが一方向に偏っている点を重く受け止めている。為替の急変は経済全体に波及するため、当局は慎重な対応を求められている。 訪米中に行われた財務相会談 訪問先の米国で、片山さつき財務相はベセント財務長官と個別に会談した。会談では、最近の為替市場の動向が主要な議題となった。片山財務相は、1月9日前後の円安進行について深刻な懸念を示した。米側もその問題意識を共有したとされる。 政策観測と市場反応の関係 市場では、国内政治日程を巡る観測が為替相場に影響したとの見方が出ている。衆議院解散や選挙を背景に、財政運営が緩和的に続くとの期待が円安要因の一つと受け止められた。政府としては、こうした観測が過度に相場を動かすことを警戒している。為替の安定は経済運営上の重要課題と位置づけられている。 為替問題での協調姿勢の確認 会談後、日米両国は為替市場について引き続き緊密に意思疎通を図る方針を確認した。必要に応じて連携し、市場動向に対応する姿勢が示された。これは、過度な変動を抑制し、市場の安定を確保する狙いがある。日本側は国際協調の枠組みを重視する立場を改めて示している。 重要鉱物を巡る国際的合意 今回の訪米では、重要鉱物に関する国際会合も開かれた。主要国と資源国の財務相が参加し、レアアースの対中依存度を下げる方針で一致した。片山財務相は、日本が中国の対日輸出規制の撤回を求めていることを説明した。為替問題と並び、資源供給の安定確保も日本外交の重要テーマとなっている。
輸出管理発表で表面化した摩擦 中国が発表した日本向け軍民両用製品の輸出管理強化は、日中関係に新たな緊張をもたらした。日本政府は発表直後に抗議を行い、措置の撤回を正式に要求している。 政府内では、今回の対応が日本のみを対象としている点が問題視され、外交上の影響を慎重に見極める必要があるとされている。 日本政府の対応と問題点の指摘 外務省の金井正彰アジア大洋州局長は、中国大使館の施泳次席公使に対し、措置の撤回を申し入れた。日本側は、対象品目や運用基準が明示されていない点を強く問題視している。 木原官房長官は会見で、内容が不透明なままの規制は受け入れられないとの立場を示し、政府として影響分析を進める考えを明らかにした。 レアアース規制への懸念と産業界の影響 日本政府が特に注視しているのが、レアアースが規制対象に含まれるかどうかである。レアアースは中国以外からの調達が難しい資源であり、国内製造業への影響は避けられないとされる。 現時点では輸出量に減少は見られないが、規制が本格化した場合、企業の調達戦略に影響を及ぼす可能性がある。 台湾有事を巡る発言と中国側の反応 今回の措置の背景として、台湾情勢を巡る高市首相の国会答弁が挙げられている。中国側は答弁を問題視し、日本に対する強硬な姿勢を強めてきた。 中国外務省の報道官は、今回の輸出管理について「正当かつ合法」と主張し、日本側に問題の根本原因を直視するよう求めている。 国際供給網への影響と今後の見通し 日本政府は、今回の規制が日中二国間にとどまらず、米国を含む国際的なサプライチェーンに影響を与える可能性を懸念している。先端産業を中心に、供給の安定性が重要な課題となる。 今後は、中国側の具体的な運用方針と、日本政府の外交的対応が国際的にも注目されることになる。
台湾情勢背景に緊張が増す状況 沖縄周辺の公海上空で6日、中国軍のJ15戦闘機が航空自衛隊のF15にレーダー照射を行った事案をめぐり、日中の対立がさらに深まっている。防衛省は照射が2度確認されたと説明し、飛行安全を損なう行為と位置付けて厳重に抗議した。この事案は、台湾情勢に言及した日本側の国会答弁への中国の反発が続く中で発生しており、両国間の摩擦が軍事領域にまで拡大した形となった。中国側は日本機が訓練海域に接近し、海軍の活動を妨げたと主張している。双方の見解は大きく異なり、現場での行動をめぐる緊張が高まっている。 中国側が照射認めつつ正当性を主張 中国外務省の郭嘉昆副報道局長は8日の会見で、艦載機の訓練時に捜索レーダーを作動させるのは一般的だと説明し、今回の照射が安全確保のための通常行為であると強調した。郭氏は国際法に沿った活動と述べた上で、日本が事案を大きく取り上げていると反論した。また、駐日中国大使も7日、日本側が事実と異なる情報を発信しているとし、即時の是正を求めた。中国海軍は空母「遼寧」を中心とする艦隊が訓練を継続していると発表し、安全への対応措置を取る姿勢を示した。 日本政府は危険行為と位置付け抗議 日本側は中国の主張に対し、航空自衛隊機は安全を確保したうえで任務を遂行していたと説明している。木原稔官房長官は8日の記者会見で、中国側の指摘には根拠がないと述べ、照射は通常訓練の範囲を逸脱すると指摘した。高市早苗首相は7日、「極めて遺憾」とした上で、冷静かつ毅然とした対応方針を示した。現場では中国海軍の空母「遼寧」が沖縄本島と南大東島の間を通過し、戦闘機やヘリによる発着艦は6日と7日の計約100回が確認されている。空母運用能力を高める動きが続く中、日本側は行動監視を強めている。 経済分野にも広がる日中の摩擦 軍事面での緊張が増す一方、中国からのレアアース輸出許可の遅延が報じられ、日本企業への影響が懸念されている。中国は世界生産の大半を占めており、供給に変化が生じた場合、産業構造に及ぶ影響は大きい。日本政府は現状を注視するとともに関係国と連携して対応を進める姿勢を示した。経済界からも不安の声が上がり、経団連の筒井義信会長は対中ビジネスの環境悪化に懸念を表明した。代表団の訪中計画については継続の重要性を述べ、経済分野での対話継続を強調した。
CPTPPとEUの初会合で連携強化の必要性が判明 日本を含む12カ国で構成するCPTPPの閣僚級会合が20日、オーストラリア南東部メルボルンで始まり、EUとの初めての協議が行われた。国際的な保護貿易の動きが広がる中、両者は自由貿易体制の維持が急務との認識を共有した。議長国のオーストラリアを代表するファレル貿易相は、世界の貿易環境が重大な局面にあり、協調的な対応が不可欠と述べた。また、EU側のシェフチョビッチ欧州委員は、多角的なルールに基づく取引の重要性を明確にし、双方の協力深化に期待を示した。 国際貿易情勢の変化が議論に影響 会合では、米国政府が高関税措置を継続する姿勢を示していることが議論の背景となった。近年、米国の政策は国際市場における緊張を高め、各国の供給網や貿易手続きに影響を与えている。参加国はこうした動きを踏まえ、自由で公正な貿易をいかに確保するかについて意見を交わした。各国の代表は、CPTPPとEUが協調することで、国際社会において安定した貿易環境を支える枠組みが形成できると認識を共有した。 WTO改革を巡る課題と解決策が協議で浮上 今回の対話では、機能不全が続くWTOの改革も主要議題となった。米国政権の反発により上級委員会が停滞している状況は、国際貿易ルールの実効性に影響し続けている。CPTPP加盟国とEUは、WTOの信頼性回復に向け実務的な協力が必要との考えで一致した。改革の具体的な方向性として、紛争解決手続きの改善や透明性向上が挙げられ、これらの取り組みを共同で推進する姿勢が確認された。 ASEANとの初対話で供給網安定化が焦点となる CPTPP加盟国はEUに加え、ASEANとの初協議も20日に実施した。会合にはベトナムやシンガポールなどの加盟国に加えて、加入申請中のインドネシアやフィリピンの代表がオンラインで参加した。議論では、アジア地域の経済発展と供給網の安定化が中心に据えられ、電子商取引の拡大や物流の強靭化など具体的な協力分野が示された。多地域間の連携拡大は、国際的な経済圧力に対応するための重要な手段として位置付けられた。 経済的威圧への懸念共有で協力文書の意義が判明 CPTPP加盟国はEU・ASEANとの協力を確認する文書を同日に発表し、対話の定期化と協力項目の早期具体化を明記した。文書では、一部の国によるレアアース輸出規制など、経済的圧力を利用した行為への懸念が示され、参加国はこれらの問題に対して共通の立場で対応することを確認した。多国間の結束を図る動きは、地域経済の安定化と自由貿易の維持に向けた重要な一歩と位置付けられている。
成長戦略会議で17分野を提示、高市カラー鮮明に 政府は10日、高市早苗首相の主導による「日本成長戦略会議」を初めて開催し、経済対策に盛り込む重点施策を発表した。AIや半導体、造船業など17分野を戦略領域に設定し、経済安全保障を柱とした「高市カラー」を前面に打ち出した。首相は「従来の枠組みにとらわれない大胆な発想を」と呼びかけ、閣僚に補正予算と税制措置の準備を指示した。 造船再生ロードマップ策定へ、日米協力も反映 重点分野の中心となるのが、国際競争で後れを取る造船業の再生である。政府は「造船再生ロードマップ(仮称)」を策定し、国内メーカーの設備投資を支援する。10月のトランプ大統領来日に合わせた日米の協力覚書を踏まえ、共同研究や技術連携の強化も盛り込む。造船分野の立て直しは、日本の海運産業全体の底上げに直結する施策と位置づけられた。 南鳥島でレアアース試掘を加速、中国依存脱却へ 資源分野では、レアアースの自給体制構築を急ぐ。会議では2026年1月に予定される南鳥島周辺海域での試掘を加速する方針が示され、中国への依存を減らす戦略を明記した。エネルギー安全保障やGX(グリーントランスフォーメーション)政策とも連動し、産業基盤の強靭化を目指す。 設備投資減税で民間資金を誘導、複数年度予算化 会議はまた、企業の大規模設備投資に対する減税制度の創設を検討。単年度に限らない複数年度予算で支援を行うことで、民間企業の投資予見性を高める狙いがある。税優遇措置の導入により、半導体や造船分野での大規模投資を後押しし、経済の長期的な成長基盤を固める方針を示した。 成長戦略は来夏に総括、前倒し実施も視野 政府は来年夏までに成長戦略全体を策定し、緊急性の高い施策は経済対策に前倒しで盛り込む方針だ。人材育成、賃上げ、サイバーセキュリティーなどの横断的課題にも対応し、官民連携による「強い経済」構築を目指す。高市政権の経済運営は、安全保障と成長投資を両輪とする方向性を明確にした形となった。
約6年ぶりの直接会談で関税引き下げを発表 米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席は10月30日、韓国・釜山で会談し、激化していた米中貿易摩擦の緩和策で合意した。両首脳の直接会談は2019年6月の大阪G20以来、約6年ぶり。会談は約1時間40分行われ、米国による対中追加関税の引き下げと、中国によるレアアース輸出規制の一時停止が柱となった。 レアアース問題で「障壁がなくなった」と強調 トランプ氏は会談後、専用機内で同行記者に対し「非常に生産的な会談だった」と述べ、「レアアース問題は完全に解決した」と強調した。中国側もレアアースを含む輸出管理措置を1年間停止することで合意し、米国は報復関税の一部を同期間停止する。これにより、当初11月1日に予定されていた100%追加関税の発動は見送られる見通しだ。 フェンタニル対策で制裁関税を半減 米国は、中国からの合成麻薬フェンタニル流入対策を理由に20%課していた制裁関税を10%に引き下げると発表。中国商務省もこの合意を確認し、「双方は主要な懸案の解決に向けて進展した」と発表した。さらに、中国は停止していた米国産大豆の輸入を再開することにも同意した。 首脳相互訪問の方針も確認 トランプ氏は2026年4月に訪中する意向を示し、その後に習氏が訪米する見通しを明らかにした。訪問地はワシントンまたはフロリダ州パームビーチとみられ、6年ぶりの対面を契機に両国関係の安定化を目指す考えだ。中国外務省は「両国は長期的な利益を重視し、報復の連鎖を避けるべきだ」との習氏発言を伝えた。 ウクライナ問題で協力を表明、台湾は議論せず 会談では、ロシアの侵攻が続くウクライナ情勢についても協議が行われた。トランプ氏は「共に解決に取り組む」と述べ、一定の協力姿勢を示した。一方で、台湾問題については「議題にならなかった」と明かし、地政学的な対立を避けた形だ。両首脳の合意は、世界経済の安定化に向けた重要な一歩となった。
首脳会談で「新たな黄金時代」を宣言 高市早苗首相とトランプ米大統領は10月28日、東京・元赤坂の迎賓館で初の首脳会談を行い、日米関係の「新たな黄金時代」を目指す共同文書に署名した。両首脳は日米関税合意に基づく総額5500億ドル(約84兆円)の対米投資を「着実に履行する」と明記し、経済・安全保障両面での協力を深化させることで一致した。 防衛費前倒しと自前抑止力強化を表明 会談では、高市首相が防衛関連費をGDP比2%に引き上げる時期を2025年度中に前倒しする方針を説明。日本が主体的に防衛力を強化する決意を示した。トランプ氏は日本の装備品調達に謝意を示し、「日米同盟はこれまで以上に強固になる」と応じた。両国は中国・北朝鮮・ロシアの連携にも言及し、台湾海峡の安定維持を改めて確認した。 経済分野で5500億ドルの投資文書に署名 日米両政府は、半導体、AI、エネルギーなど9分野を対象とした5500億ドル規模の投資計画を文書で確認した。日本政府は国際協力銀行(JBIC)を通じた出資や融資保証を実施する方針。高市政権では、茂木敏充外相と赤沢亮正経産相が実行責任を担う。赤沢氏は「大きな果実を生むプロジェクトに成長することを期待する」と述べた。 サプライチェーンとAI分野の協力を拡大 両国はまた、レアアースをはじめとする重要鉱物のサプライチェーン強化に関する覚書を締結。南鳥島やハワイ沖での共同開発を推進することを確認した。さらにAIや次世代通信、核融合といった先端技術7分野で協力を進める覚書も交わし、経済安全保障体制の連携強化を図る。 米側主導への懸念と日本企業の慎重姿勢 一方で、投資案件の選定を米商務長官が議長を務める「投資委員会」が主導する仕組みには、国内企業から懸念も出ている。日本側の資金拠出が滞れば関税再引き上げの可能性も指摘されており、高市政権の交渉力と実行力が問われる局面となった。
輸出制限を強化し安全保障を優先 中国は10月9日、希少金属レアアースおよび関連分野の技術について、輸出管理をさらに強化すると明らかにした。商務省は声明で、軍事転用の恐れを排除し国家安全を確保するための措置だと説明。新制度では、レアアース資源だけでなく、採掘・精錬・磁石製造に関する技術を国外に提供する場合、政府の許可取得が義務付けられる。 軍事利用への懸念と個別審査制度 新制度では、軍事目的での利用が疑われる案件については原則として許可を出さない方針が明示された。半導体研究や人工知能分野で使用される一部レアアースについては、個別審査を行う仕組みを導入する。これにより、最先端分野での軍事転用防止を徹底する構えだ。 世界供給の7割を握る中国の影響力 中国は世界のレアアース供給の約70%を占めており、同資源の採掘・加工・精製を一手に担う。レアアースは電気自動車、風力発電、半導体、ミサイル誘導装置など幅広い用途を持ち、グローバル産業の根幹を支える。今回の規制強化は、各国の供給網に大きな影響を与える可能性がある。 米中関係への影響と外交的思惑 この発表は、トランプ米大統領と習近平国家主席の首脳会談を数週間後に控えたタイミングで行われた。中国がレアアース政策を通じて、米国に対する外交的圧力を強める狙いがあるとの見方が広がっている。中国はこれまでも貿易摩擦下で資源分野の主導権を交渉材料として活用してきた。 国際市場の不安定化と今後の焦点 レアアース市場はすでに供給リスクを織り込みつつあり、国際価格の変動が続いている。米国や日本、欧州各国は、代替調達先の確保やリサイクル技術の強化を急ぐ見通しだ。今後は、中国の規制運用の具体的な内容と、各国の対応策が世界経済の新たな焦点となる。
輸出全体が高水準に回復 中国税関総署が公表したデータによれば、2025年8月のレアアース磁石輸出量は6146トンに達し、前月比10.2%増、前年同月比でも15.4%増となった。輸出は3カ月連続の増加を記録し、約7カ月ぶりの高水準に戻ったことになる。 規制緩和による影響が明確化 中国は4月、米国の関税強化への対抗措置として、レアアースや関連製品の輸出を制限した。しかしその後、米国や欧州との協議で一部規制を緩めており、今回の輸出増はこの政策転換を反映している。特に磁石製品の扱いが緩和され、取引が再び活発化した。 米国向けは依然として低迷 一方で、8月の米国向け輸出は590トンにとどまり、前月比4.7%減、前年同月比11.8%減と減少傾向が続いた。米国の防衛産業向け供給に対しては、中国が制限を緩和していないと報じられており、戦略物資としての側面が強調されている。 日本市場での需要拡大 日本向け輸出は前年同月比で40.1%増の255トンとなり、顕著な伸びを見せた。これは日本企業の需要増加やサプライチェーン安定化の動きと関連しているとみられる。規制緩和の恩恵がアジア市場にも広がりつつあることを示している。 国際取引と資源供給に及ぶ影響が浮き彫りに レアアースは電気自動車や電子機器、軍需産業に欠かせない重要資源であり、中国の輸出動向は国際市場に直結する。今回のデータは、規制緩和により供給が増加している一方で、米国向けだけが抑制されている状況を浮き彫りにしている。
欧州とインド太平洋の安保は不可分と明言 石破首相は7月23日、首相官邸でEUのコスタ大統領およびフォンデアライエン欧州委員長と対面し、定例の首脳協議を行った。協議では、欧州とインド太平洋における安保環境が密接に関連しているという共通認識のもと、防衛やサイバー安全保障を含む分野での協力を強化する方向で一致を見た。 防衛産業分野で新たな対話枠組みを設置へ 協議では、防衛産業に関する対話の新たな枠組みを創設する方針が示された。これにより、日本とEUは技術協力や生産体制の強化を目指し、相互運用性の向上と防衛力の底上げに取り組むこととなる。両者は機密性の高い情報の共有を可能にする情報保護協定の交渉にも着手するとしている。 経済安全保障で「競争力アライアンス」を始動 自由貿易体制の維持を掲げ、経済安全保障を重視する日EUは、新たな連携枠組み「競争力アライアンス」の設立に合意した。これにより、産業競争力の強化や重要インフラ保護、対中・対米の戦略的立場の共有が加速する見通し。閣僚級の定期協議による実務的連携も盛り込まれた。 希少資源の供給網強靭化で日EUが協力を推進 経済分野では、レアアースを含む重要鉱物のサプライチェーン強靭化に向けて協力を深める方針が確認された。特に中国依存の是正が喫緊の課題とされ、安定的かつ信頼性の高い供給体制の構築に両者が連携することになった。 ロシア・北朝鮮の動きに強い警戒感 安全保障の国際的課題として、ウクライナ支援の継続とロシアに対する制裁の維持が改めて確認された。あわせて、ロシアと北朝鮮の軍事協力への強い懸念が共有され、共同での非難が盛り込まれた。協議全体の成果は共同声明として発表された。
6月のレアアース輸出量が前月比で2.6倍に増加 中国税関総署のデータによると、2025年6月のレアアース磁石の輸出量は3,187トンに達し、前月比で約2.6倍となった。これは、6月上旬に行われた米中間の貿易協議で、輸出規制の緩和が合意されたことが背景にあるとみられる。特に米国向けの輸出量は353トンと、前月比で660%増となった。 対日輸出も大幅増 輸出手続きの迅速化が影響か 同様に日本向けの輸出量も131トンと、前月の5.1倍に拡大した。中国政府は、4月以降に強化した輸出審査制度の運用を見直し、許可手続きの簡素化に取り組んでいた。この動きが輸出加速に寄与したとみられる。輸出業者のライセンス取得が進んだことで、業界全体の対応力も改善している。 依然として前年同月比では減少傾向が続く 6月の世界全体への輸出量は前年比で約38%減と、大幅なマイナスを記録した。特に4月に中国がジスプロシウムなど7種のレアアースを新たに輸出規制対象に加えたことが、短期的な供給停滞を引き起こした。自動車や家電業界の一部企業では、部品調達の遅れによる生産調整も報告されている。 米中の貿易関係が供給のカギに 今回の急増は、中国と米国の貿易関係がレアアース市場に与える影響の大きさを示している。米中両国は6月にレアアースを含む鉱物の供給問題解決に向けた協議を進め、一定の合意に至った。その結果、米国向けの出荷は短期間で大幅に回復した。 今後の動向に注目集まる中、供給安定化が課題 市場アナリストの間では、7月以降も輸出量の回復が継続すると予想されているが、供給の完全な正常化には時間がかかるとの見方もある。2025年上半期の累計輸出量は前年比18.9%減の22,319トンにとどまり、長期的な安定供給の確立が今後の課題とされる。
米商務省が販売再開の背景を説明 7月15日、ラトニック米商務長官は、エヌビディアが画像処理用GPU「H20」を再び中国に供給する決定が、中国とのレアアースに関する協議の枠内で行われたものであると明らかにした。この再開はエヌビディア単独の判断ではなく、米中間の資源・技術交渉の一環であると位置づけられている。 エヌビディアが中国市場での供給を再開 エヌビディアは7月14日、従来制限対象となっていたGPU「H20」を中国市場で再び販売する方針を示した。このGPUは演算性能に優れ、中国の複数企業から注目されていたことから、告知直後に多数の注文が入り、流通体制の整備が急務となっている。 レアアース資源と技術輸出の相互依存 米国と中国は、技術製品と資源供給の面で相互依存の関係にある。今回のH20販売再開は、レアアースの安定供給と引き換えに技術製品の流通を許可するという、一種の交渉材料として利用された可能性が高い。米政府は中国のレアアース輸出制限に懸念を抱いており、商務省はこれまでに複数の交渉チャネルを開設してきた。 中国側の需要と市場の反応 販売再開が明らかになると、中国の企業からH20への需要が急増したとされる。背景には、国内での高度演算処理能力の確保に向けたニーズがある。中国は独自の半導体開発を進めているが、依然としてエヌビディア製品への依存度は高い。 米株式市場での影響が拡大 エヌビディアの販売再開を受けて、米株式市場では同社株が15日午前の取引で約4%上昇した。市場では、再開が同社の業績にポジティブな影響を与えるとの期待が高まっている。制裁環境下でも柔軟な対応が取れる姿勢が評価された形となった。
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