経済指標を巡る異例の事態 米国で重要な経済指標とされる雇用統計を巡り、公式発表前の情報がSNS上に掲載される異例の事態が起きた。問題となったのは、ドナルド・トランプ大統領が発表前夜に投稿したグラフで、雇用の増減を示す具体的な数値が含まれていた点である。 投稿内容に含まれた数値の概要 SNSに掲載された資料では、民間部門で65万4000人の雇用増、政府部門で18万1000人の減少が示されていた。これらの数値は、翌日に労働省が正式に公表した雇用統計と一致しており、事前情報であったことが確認されている。 市場への影響と批判の広がり 雇用統計は為替相場や株価に直結する指標であり、情報管理の厳格さが求められてきた。今回の事例を受け、米メディアや市場関係者からは、特定の立場に有利な情報公開ではないかとの指摘が相次いだ。公平性の確保という観点からも問題視されている。 政権側の説明と釈明 ホワイトハウスは、経済指標の発表前に行われる大統領向け説明の過程で、未公表情報を含む集計データが誤って公開されたと説明した。意図的な情報漏えいではないと強調し、内部手続きの不備を認めた。 手続き見直しと今後の課題 政権は、同様の事態を防ぐため、経済データの管理や説明手順を見直す方針を示している。信頼性が不可欠な統計情報の扱いをどう改善するかが、今後の課題となる。
米株価が広範囲で下落した状況が判明 17日の米株市場では、主要指数がそろって大きく値を下げ、NYダウは前日比で500ドル超の下落となった。政府機関の閉鎖で経済指標の公表が滞っている状況が相場の視界を悪化させ、ハイテク銘柄を中心に売りが広がった。ナスダックとS&P500はいずれも50日移動平均線を割り込み、上値の重さが目立つ展開となった。小売大手や半導体企業の決算発表を控え、投資家の慎重姿勢が一段と強まり、市場の重しとなった。 為替でドルが上昇し円が売られた影響 為替市場ではドルが日本円やユーロに対して優位に立ち、ドル・円は155円台前半で取引された。米国の経済指標が予想を上回り、12月利下げ観測が後退したことが背景にある。日本のGDP速報値が6四半期ぶりにマイナスとなったことが伝わったが、反応は限定的で円売り基調が継続した。ユーロ・ドルでもドル買いが続き、ユーロは弱含んだ。 米国債利回りが下がり雇用統計に関心が集中 米国債券市場では10年債利回りが4.13%台に低下した。閉鎖の影響で発表が遅れていた指標が20日から再開される予定で、9月の雇用統計が焦点となっている。大手金融機関は雇用増加が確認されるとの見方を示しており、金融政策判断を左右する材料として注目されている。 金と原油が軟調な値動きを見せた状況を発表 金先物はドル高進行で売りが優勢となり、3日続落した。1オンス当たり4074ドル台で取引を終えた。原油先物も弱含み、WTIは59ドル台後半での推移となった。アジア時間に下落した後、米国時間に反発したものの、買いの勢いは持続しなかった。 企業個別ニュースが相場に影響 個別銘柄ではアルファベットが上昇し、過去最高値を更新した。バークシャー・ハサウェイが同社株を保有していたことが明らかになり買いが続いた。一方、半導体関連には売りが出ており、エヌビディアは著名投資家の保有売却を受けて下落した。アップルはCEOの後任選びに関する報道を背景に下げた。投資家の恐怖心理を表すVIX指数は23台まで上昇し、市場の緊張感を示した。
期限迫る中で合意に至らず 米連邦政府の現行予算が9月30日で失効する中、議会での調整は難航している。共和党主導の下院は暫定予算を可決したが、上院の民主党が医療関連予算を盛り込むよう求め、採決で否決された。結果、トランプ政権と議会は29日に協議したものの、合意に達することはできなかった。 政府閉鎖のリスクを警告 会談後、バンス副大統領は「政府機関の閉鎖に進んでいる」と記者団に述べた。公共サービスを人質にするべきではないとの姿勢を強調したが、妥協点を見いだせない現状を示唆した。民主党のシューマー院内総務も「我々は国民が支持する医療制度改革を提案した」と語り、共和党に譲歩を求めている。 統計発表の停止で市場に影響も 閉鎖に陥った場合、米労働省は10月3日発表予定の雇用統計をはじめとする経済データの公表を停止する計画だ。雇用統計は景気の実態を示す重要な資料で、金融市場の不透明感を高める可能性が高い。 過去の閉鎖が及ぼした打撃 米国ではこれまで14回政府閉鎖が起きており、特に2018年から19年にかけての35日間の閉鎖は史上最長となった。公務員の給与停止や観光業の停滞などの悪影響が繰り返されており、今回閉鎖が実現すれば約7年ぶりとなる。 国民生活と経済に迫る影響 閉鎖が長引けば、政府職員の無給労働や旅行者への影響、観光施設の閉鎖が予想される。政府の予算対立は繰り返されてきたが、今回もその行方次第で米国経済と社会全体に大きな混乱をもたらす可能性がある。
雇用統計の下方修正が投資家心理を刺激 米労働省は9日、雇用統計の年次改定速報値を発表し、2025年3月までの雇用創出が91万1,000人少ないことを明らかにした。この下方修正は労働市場の鈍化を示し、金融政策に影響を与える材料として受け止められた。市場参加者の間では、労働市場の弱さを理由にFRBが利下げを加速させる可能性が改めて意識されている。 ダウ・S&P・ナスダックが揃って最高値を更新 9日の取引では、ダウ平均が前日比196ドル高の45,711ドル、S&P500が0.3%高、ナスダック総合が0.4%高となり、いずれも過去最高値を更新した。金融政策の緩和期待が買いを支え、株価の上昇基調を強めている。 個別銘柄の動向が相場を牽引 主要銘柄では、ユナイテッドヘルスが9%高となり、医療保険事業の見通し改善が好感された。さらに、スーパー・マイクロ・コンピューターが7%高、コインベースが5%高を記録し、ハイテク株や暗号資産関連株が投資家の関心を集めた。 金利と為替市場の動きに注目が集まる 債券市場では、長期債の買いが一服したことから利回りが上昇した。一方、為替市場ではドルが主要通貨に対して上昇したが、ユーロは0.5%安の1.1707ドルとなった。労働市場の弱さは織り込み済みとされ、為替の反応は限定的だった。 物価指標が金融政策の焦点に 市場の関心は10日の卸売物価指数(PPI)と11日の消費者物価指数(CPI)に移っている。これらの結果次第で、FRBが25bpの利下げにとどめるか、50bpに踏み切るかが決まるとみられ、今後の金融政策の方向性を占う重要な局面を迎えている。
景気動向を映す指標として注目集まる 米労働省は8月21日、8月16日までの1週間の新規失業保険申請件数が23万5000件となり、前週比で1万1000件増えたと公表した。これは5月下旬以来約3カ月ぶりの大幅な伸びで、雇用情勢の変化を示唆する数値として注目を集めている。 エコノミスト予想を上回る結果が判明 市場関係者が事前に予測していた22万5000件を上回る結果となり、労働市場における一時解雇増加の影響が表面化した。予想を超える増加幅は、雇用の安定性に対する懸念を強める要因とされている。 継続受給件数が2021年以来の高水準を記録 同じ週における継続受給件数は197万2000件に達し、2021年11月以来の水準となった。求職活動が長期化している現状が浮き彫りとなり、労働市場の硬直性が意識されている。 労働市場に軟化の兆しが鮮明に 今回の統計は、これまで堅調とされてきた米国の労働市場に軟化の兆しが広がっていることを示している。失業保険申請の増加は、一時解雇の加速を裏付ける形で現れており、経済全体への波及が警戒されている。 今後の雇用統計発表に関心集中 労働市場の動向は、金融政策の判断材料としても重視される。今後発表される雇用統計の数値次第で、米経済の先行きや市場の見方に大きな影響を与える可能性があるとみられている。
ジャクソンホール会合で金融政策の方向性を示す見通し 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は8月22日、米ワイオミング州で開かれるジャクソンホール会合で講演に臨む。市場関係者や各国中央銀行の要人が集う場であり、9月16~17日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた金融政策の方向性を探る重要な機会となる。特に、7月まで5会合連続で政策金利を4.25~4.50%に据え置いたFRBが利下げに踏み切るのか、発言内容が注目を集めている。 雇用統計の悪化が政策判断に影響 直近の米国の雇用統計では、非農業部門の就業者数が市場予想を下回り、失業率も上昇した。さらに、5月と6月の就業者数も大幅に下方修正され、労働市場の減速が鮮明になった。この状況を受け、市場ではFRBが9月に0.25%の利下げを実施するとの見方が強まり、ドル売りや米国株高といった動きにつながっている。パウエル議長が慎重な姿勢を示せば、過熱する市場の期待に冷や水を浴びせる可能性もある。 トランプ政権と財務省からの圧力が高まる トランプ大統領は景気の下支えを目的に利下げを強く求めており、応じなければパウエル議長の交代も辞さない構えを示している。加えて、ベセント財務長官もメディアで9月の利下げを検討するよう発言しており、中央銀行の独立性が揺らぐ状況となった。ジャクソンホール会合では、パウエル氏がどのような姿勢を打ち出すかがFRBの信用を左右する局面となる。 クック理事を巡る司法省の調査が浮上 さらに、クックFRB理事が住宅ローン契約に関する不正疑惑で米司法省の調査対象となっていることが報じられた。司法省高官はパウエル議長に書簡を送り、クック理事の解任を促している。トランプ大統領も20日に辞任を要求しており、FRB理事会を巡る混乱は金融政策判断に影を落としている。 今後の金融政策を見極める重要な局面 9月のFOMCを控え、FRBが利下げに踏み切るのか、それとも現行の政策を維持するのかは世界経済に直結する。パウエル議長の発言は、日本を含む株式市場や為替相場にも影響を与える可能性が高い。市場はFRBのシグナルを注視しており、ジャクソンホールでの発言が世界の金融市場に大きな波紋を広げることになる。
企業決算の好調が市場の懸念を緩和 4日の米株式市場では、ダウ平均が6営業日ぶりに急反発し、585ドル高の4万4173ドルで取引を終えた。背景には、大手企業による予想を上回る決算内容が相次いで発表されたことがある。S&P500構成銘柄のうち75%が予想超えという実績が、景気減速への懸念を和らげた。 ハイテク銘柄が大幅高、AI戦略も評価 注目を集めたのはマイクロソフトとメタ。マイクロソフトは時価総額が4兆ドルを突破し、株価は前週末比で4%上昇。メタはAI戦略の評価と好決算により12%高となった。こうしたハイテク銘柄の上昇が、全体相場を押し上げる要因となった。 雇用統計の鈍化と利下げ観測の高まり 7月の米雇用統計が予想を下回り、CMEフェドウオッチによれば9月の利下げ確率は約90%に上昇した。これが投資家による金利低下を見込んだ買いの動きを後押しした。 為替市場でドルが上昇、債券は利回り低下 ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して堅調に推移。ドル円は146.94円で0.3%高となり、ドル指数も小幅上昇。一方、10年債利回りは4.20%まで低下し、7月初旬以来の低水準を記録した。 金は上昇、原油は下落と資源価格に明暗 商品市場では金先物価格が続伸。背景には、FRBの利下げ観測と米経済の減速懸念がある。シティは金価格の見通しを最大3,600ドルに上方修正した。一方、原油はOPECプラスの増産と需要減退懸念で続落し、資源相場では明暗が分かれた。
米国株高が東京市場に与えた影響が鮮明に 東京株式市場では5日、日経平均株価が3営業日ぶりに反発し、終値は前日比258円高の4万0549円を記録した。米国の利下げ観測を受けた前日の米株式市場の上昇が投資家心理を後押しし、東京市場でも買いが優勢となった。特にダウ平均やナスダック指数の反発が投資家の安心感につながり、ソフトバンクグループやファナックなど主力株に買いが集まった。 利下げ期待が高まる米金融政策の動向 米金利先物市場では、米連邦準備理事会(FRB)が9月会合で利下げに踏み切る確率が9割に達している。さらに米ゴールドマン・サックスは「8月の雇用統計で失業率が上昇すれば0.5%利下げの可能性もある」との見解を示した。これにより米国株が6日ぶりに反発したことが、東京市場にも波及した。 決算発表が個別銘柄を押し上げる要因に 国内企業の決算発表も株価上昇の要因となった。川崎汽は業績予想の上方修正を発表後に買いが進み、三菱重は四半期決算発表後に上場来高値を更新した。さらに営業黒字見通しを示したマツダや電線株の古河電工、フジクラも買われるなど、決算に基づく物色が活発化した。 TOPIXやJPXプライム150も連動して反発 東証株価指数(TOPIX)は20.34ポイント高の2936.54、JPXプライム150指数も8.00ポイント高の1272.69で取引を終えた。これらの指数の反発は、米利下げ期待が日本株全体に広がったことを示している。 売買動向と市場の今後の注目点 東証プライム市場では、売買代金が概算で4兆8776億円、売買高は21億3121万株となった。値上がり銘柄は1154、値下がりは412、横ばいは56だった。米国の雇用統計やFRBの金融政策判断が、今後の市場動向に大きな影響を及ぼす見通しが強まっている。
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