野党3党首と個別会談が実現
自民党の高市早苗総裁は15日、国会内で立憲民主党、国民民主党、日本維新の会の各党首と相次いで会談した。目的は、21日に予定される首相指名選挙を前に、少数与党の立場から今後の国会運営への協力を取り付けることにあった。
高市氏は特に維新との協力に力を入れ、両党が政策面で歩み寄れば、連立政権の樹立も視野に入ると強調した。各党との会談はいずれも30分前後で行われ、経済対策や税制、社会保障制度など幅広い分野が議題となった。
維新との政策協議開始に合意
日本維新の会の吉村洋文代表および藤田文武共同代表との会談では、高市氏が首相指名選挙での支持に加え、政権参加の可能性にも言及した。両党は16日から正式な政策協議を始めることで合意。協議では、維新が掲げる「副首都構想」や社会保障改革などの優先課題も取り上げられる見通しだ。
吉村氏は会談後、「政策が一致すれば高市氏に投票する」と明言。政策協議の成否が、維新の最終判断を左右する構図となっている。
立民とは税制・物価対策で接点
立憲民主党の野田佳彦代表とは、物価高対策の迅速な実施とガソリン税の暫定税率廃止に関して協力を確認した。さらに「給付付き税額控除」の制度設計を進めることで一致。高市氏は会談後、「国民の生活を守るために、党派を超えて連携する必要がある」と述べた。
一方、野田氏は「首相指名選挙への協力要請はなかった」と明言し、立民が独自候補を擁立する可能性を残した。
国民民主とは信頼醸成を模索
国民民主党の玉木雄一郎代表との会談では、外交・エネルギー政策での一致点を確認。高市氏は「一緒に責任を担いたい」と述べ、連立も視野に入れた協力を求めた。
玉木氏は「過半数に届かない連立は意味が薄い」と述べつつも、「年収の壁引き上げやガソリン税廃止の実現が協力の前提」とした。両党間の信頼醸成が今後の焦点となる。
政局再編の動き加速
高市氏の一連の会談は、公明党の連立離脱後の政権再構築を視野に入れた動きとみられる。維新の対応次第では、「高市連立内閣」の成立が現実味を帯びる。一方で、野党3党の連携が不調に終わったことで、国会は新たな勢力図を模索する局面に入った。
