元従業員による不正持ち出しが判明
物流大手のヤマト運輸で、兵庫県姫路市の支店に勤務していた元従業員が、取引先企業の情報を不正に持ち出していたことが確認された。流出件数は2万6790件に及び、姫路市や加古川市、高砂市など広範囲の企業情報が含まれていた。流出先は2社で、このうち1社は営業活動に情報を使用していたという。
不審な営業連絡で内部調査開始
同社によると、取引先企業から「不審な営業を受けた」との報告があり、内部調査を実施したところ9月16日に不正が発覚した。持ち出されたデータには企業名、所在地、請求金額などの詳細が含まれ、うち561社・750件は個人情報に関連する内容だったとされる。
荷物情報は含まれず被害範囲を特定
調査の結果、流出したのは取引先関連の情報に限定され、荷物の届け先データなど顧客配送情報は含まれていなかったことが確認された。ヤマト運輸は被害を受けた企業に順次連絡を取り、被害状況の把握と対応を進めている。
企業2社への情報流出と刑事告訴検討
持ち出されたデータは2つの外部企業に流出しており、そのうち1社では営業活動に直接利用されていた。ヤマト運輸は警察に相談し、元従業員および関与企業2社への刑事告訴を検討中であると発表した。
信頼回復へ再発防止策を強化
同社は「お客様に多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫びする」とコメントし、再発防止策の徹底を約束した。今回の事件は、物流業界における情報管理の脆弱性を浮き彫りにしており、企業のデータ保護体制が改めて問われている。
