次世代AIインフラ構築へ向けた協力体制が始動
三菱電機は11月6日、台湾の鴻海精密工業とAI向けデータセンターソリューション事業に関する覚書(MoU)を締結した。両社はそれぞれの技術と経験を融合させ、高効率で信頼性の高いAIデータセンターの実現を目指す。電力供給やエネルギー効率化を軸に、グローバル規模での展開を視野に入れる。
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電力供給から省エネまで包括的な連携を想定
今回の協業では、三菱電機の持つ発電システムや無停電電源装置(UPS)のノウハウが活用される。鴻海が強みとするデータセンター設計技術と組み合わせることで、エネルギーコストを抑えた運用モデルを構築する狙いだ。両社は、AI処理能力の拡大に伴い増加する電力需要に対応するため、省エネ・高効率化の技術革新を推進する。
グローバルビジネスでの立ち位置を強化する
AI分野の拡大により、データセンターのエネルギー消費は急増している。三菱電機と鴻海は、それぞれが持つ国際的なネットワークを活用し、海外拠点を含む統合的な供給体制を整備する計画だ。両社はまた、循環型経済やカーボンニュートラルの実現といった社会課題にも対応し、持続可能な技術開発を進めるとしている。
「循環型デジタル・エンジニアリング」で新価値創出
三菱電機は独自のデジタル基盤「Serendie(セレンディエ)」を活用し、顧客データの分析を通じて新たなエンジニアリングモデルを推進している。この取り組みを鴻海との連携に応用することで、AIデータセンターの運用最適化や効率向上を図る構想だ。両社は、再生可能エネルギーの利用拡大にも意欲を示している。
AI以外の分野にも拡大を視野
覚書には、AIデータセンター分野に限らず、電気自動車やスマートシティなど他の事業領域での協力検討も含まれる。三菱電機は「相互の知見を融合し、社会的価値を創出する」としており、長期的なパートナーシップを通じて新しいビジネスモデルの構築を目指す方針を明らかにした。
