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中国の輸出管理強化が映す日中関係の緊張

輸出管理発表で表面化した摩擦 中国が発表した日本向け軍民両用製品の輸出管理強化は、日中関係に新たな緊張をもたらした。日本政府は発表直後に抗議を行い、措置の撤回を正式に要求している。 政府内では、今回の対応が日本のみを対象としている点が問題視され、外交上の影響を慎重に見極める必要があるとされている。 日本政府の対応と問題点の指摘 外務省の金井正彰アジア大洋州局長は、中国大使館の施泳次席公使に対し、措置の撤回を申し入れた。日本側は、対象品目や運用基準が明示されていない点を強く問題視している。 木原官房長官は会見で、内容が不透明なままの規制は受け入れられないとの立場を示し、政府として影響分析を進める考えを明らかにした。 レアアース規制への懸念と産業界の影響 日本政府が特に注視しているのが、レアアースが規制対象に含まれるかどうかである。レアアースは中国以外からの調達が難しい資源であり、国内製造業への影響は避けられないとされる。 現時点では輸出量に減少は見られないが、規制が本格化した場合、企業の調達戦略に影響を及ぼす可能性がある。 台湾有事を巡る発言と中国側の反応 今回の措置の背景として、台湾情勢を巡る高市首相の国会答弁が挙げられている。中国側は答弁を問題視し、日本に対する強硬な姿勢を強めてきた。 中国外務省の報道官は、今回の輸出管理について「正当かつ合法」と主張し、日本側に問題の根本原因を直視するよう求めている。 国際供給網への影響と今後の見通し 日本政府は、今回の規制が日中二国間にとどまらず、米国を含む国際的なサプライチェーンに影響を与える可能性を懸念している。先端産業を中心に、供給の安定性が重要な課題となる。 今後は、中国側の具体的な運用方針と、日本政府の外交的対応が国際的にも注目されることになる。

中国の物価統計が改善傾向、政策効果が鮮明に

政府の供給改革が成果、物価に上昇の兆し 中国国家統計局が9日に公表したデータによると、10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.2%上昇し、4カ月ぶりにプラス圏へ回復した。食品と燃料を除くコアCPIは1.2%上昇し、1年8カ月ぶりの高水準を記録した。専門家は、政府の生産抑制策や市場供給の安定化政策が効果を見せ始めたと評価している。 物価の安定化進むも、消費低迷が重し CPIの回復は供給面の改善を示すものの、消費意欲の回復は限定的だ。食品価格は前年比2.9%下落し、家計の節約志向が続く。エネルギー価格も低調で、景気全体を押し上げる力は弱いままだ。 一方、前月比では0.2%上昇と小幅な改善を示し、9月の0.1%上昇を上回った。内需回復に向けた取り組みが一定の成果を出しつつある。 生産者物価の下落幅が縮小、構造改革の影響 生産者物価指数(PPI)は前年同月比で2.1%低下したが、下落幅は前月から縮小した。これは、政府が進める主要産業の生産能力調整の成果とみられる。石炭、電池、太陽光発電設備など複数の分野で価格下落が緩和し、製造業の安定化に寄与した。 専門家、デフレ脱却には時期尚早と指摘 保銀投資(ピンポイント・アセット・マネジメント)の張智威氏は、「デフレ脱却を判断するには時期尚早」と述べ、数カ月のデータ推移を見極める必要があると指摘した。市場では、需要喚起策や雇用改善など、内需拡大を支える政策の強化を求める声が上がっている。 中央銀行は慎重姿勢、金利据え置き継続 中国人民銀行は、最優遇貸出金利(LPR)を5カ月連続で据え置き、景気刺激策に慎重な姿勢を維持している。米国との貿易関係改善で輸出が底堅い中、当局はバランスを重視した政策運営を続けている。物価上昇が定着するかどうかは、今後の内需回復と政策対応に左右される。

小泉防衛相、原子力潜水艦導入の議論加速を示唆

原潜保有国の拡大を受けた日本の対応方針 小泉進次郎防衛相は11月6日、TBS番組での発言で、日本の防衛力強化に向けて原子力潜水艦導入の議論を進める必要性を示した。発言の背景には、トランプ米大統領が韓国の原潜建造を承認したことがある。小泉氏は「周りの国々はすでに原潜を持つ」と指摘し、日本も同様の議論を避けてはならないとの考えを示した。 厳しさを増す安全保障環境への認識 小泉氏は、「ディーゼル潜水艦を維持するのか、それとも原子力へ転換するのかを考える段階にある」と述べた。中国やロシアの原潜運用に加え、北朝鮮も開発を進めていることから、海洋での抑止力強化が急務であるとの認識を示した。さらに、オーストラリアがAUKUS(オーカス)を通じて原潜導入を進めていることも、日本にとって無視できない動きとした。 ASEAN諸国の関心と防衛装備移転の可能性 小泉氏は今月、マレーシアで開催されたASEAN拡大国防相会議に出席し、同会議に参加した複数の国から日本製ディーゼル潜水艦の中古装備に関心が寄せられたと説明した。これは、日本の防衛技術が東南アジア諸国の安全保障政策に影響を与えつつあることを示すものであり、小泉氏は防衛装備移転の推進にも強い意欲を表明した。 技術的・法的な課題が立ちはだかる現実 政府内では、まず米国から原潜を調達し、将来的には国産化を視野に入れる構想も浮上している。ただし、建造費は1隻で1兆円を超えるとされ、財政面の負担は極めて大きい。さらに、原子力基本法との整合性や原子炉運用を担う専門人材の確保といった課題が山積しており、人員不足に悩む海上自衛隊では実現性を疑問視する声もある。 政府内で再燃する原潜導入の是非 小泉氏の発言は、防衛政策の新たな議論を呼び起こした。日本周辺の軍事バランスが変化する中、原潜導入をめぐる政治・技術・法的課題の整理が焦点となる。政府内では今後、費用対効果や国際的責任の観点を含め、慎重な検討が求められる見通しだ。

日本車の世界生産に波及懸念、半導体供給網の歪みが露呈

オランダの管理介入と中国の対抗措置、半導体輸出規制の影響が判明 オランダ政府は9月、企業統治上の重大な欠陥を理由に、ネクスペリアの経営権を掌握した。中国側は対抗し、中国で生産される同社製品を輸出規制の対象とした。両国の措置は、製造拠点と後工程が国境をまたぐ半導体供給網の脆弱性を直撃し、サプライチェーン全体の滞留リスクを顕在化させた。 閣僚協議は不調に終結、対立解消に向けた実効的手段なしが判明 21日にオランダの経済相と中国の商務相が協議したが、具体的な解決策は示されなかった。協議は「さらなる措置」の検討にとどまり、輸出規制と管理介入の両輪が当面継続する構図が続く。調整の出口が見えないなか、在庫の持続期間も不明で、先行きの可視性は低い。 自工会が供給不安を警戒、日本の部品メーカーへの通知の影響 日本自動車工業会の片山正則会長は23日、複数の部品メーカーに半導体の納品保証ができない可能性の通知があったと明らかにした。各社のグローバル生産計画は、一般用途向け半導体の欠配でも即座に影響を受ける。電子制御ユニットなどで代替の即応性が乏しい領域があり、短期の調達障害でもライン停止リスクが高まる。 欧州業界団体が警鐘を発表、生産停止の恐れと供給継続性の課題 独VDAは、供給中断が短期間で解消されなければ生産停止に至る恐れを示した。ネクスペリアの製品は高度品ではないが、自動車・家電で数量依存が大きい。欧州での製造と中国でのパッケージングという分業の断絶は、在庫薄の領域ほど深刻化しやすい。供給継続性の確保が至上課題となる。 在庫・代替・工程移管の三位一体対応、短中期の影響緩和が焦点 短期は在庫の可視化と優先配分で凌ぐほかない。中期は代替部品の適合性検証と調達多様化が鍵となる。後工程の中国依存を下げる工程移管も検討対象だが、立ち上げ期間と品質保証のハードルがある。日本車の世界生産は、分業構造の見直しと調達の冗長性確保が回復力を左右する。

中国、レアアース輸出技術を規制 米国を牽制する動き

輸出制限を強化し安全保障を優先 中国は10月9日、希少金属レアアースおよび関連分野の技術について、輸出管理をさらに強化すると明らかにした。商務省は声明で、軍事転用の恐れを排除し国家安全を確保するための措置だと説明。新制度では、レアアース資源だけでなく、採掘・精錬・磁石製造に関する技術を国外に提供する場合、政府の許可取得が義務付けられる。 軍事利用への懸念と個別審査制度 新制度では、軍事目的での利用が疑われる案件については原則として許可を出さない方針が明示された。半導体研究や人工知能分野で使用される一部レアアースについては、個別審査を行う仕組みを導入する。これにより、最先端分野での軍事転用防止を徹底する構えだ。 世界供給の7割を握る中国の影響力 中国は世界のレアアース供給の約70%を占めており、同資源の採掘・加工・精製を一手に担う。レアアースは電気自動車、風力発電、半導体、ミサイル誘導装置など幅広い用途を持ち、グローバル産業の根幹を支える。今回の規制強化は、各国の供給網に大きな影響を与える可能性がある。 米中関係への影響と外交的思惑 この発表は、トランプ米大統領と習近平国家主席の首脳会談を数週間後に控えたタイミングで行われた。中国がレアアース政策を通じて、米国に対する外交的圧力を強める狙いがあるとの見方が広がっている。中国はこれまでも貿易摩擦下で資源分野の主導権を交渉材料として活用してきた。 国際市場の不安定化と今後の焦点 レアアース市場はすでに供給リスクを織り込みつつあり、国際価格の変動が続いている。米国や日本、欧州各国は、代替調達先の確保やリサイクル技術の強化を急ぐ見通しだ。今後は、中国の規制運用の具体的な内容と、各国の対応策が世界経済の新たな焦点となる。

高市総裁、靖国参拝見送りへ 外交環境を最優先

外交リスクを避ける慎重な判断 自民党の高市早苗総裁は、10月17〜19日に行われる靖国神社の秋季例大祭での参拝を見送る方向で最終調整に入った。複数の党関係者によると、高市氏はかねてから閣僚時代を含めて節目ごとに参拝を続けてきたが、総裁として初の例大祭を前に、外交問題化の可能性を慎重に検討したとされる。中国や韓国の反発が想定される中、日中・日韓関係への影響を最小限に抑える判断とみられる。 公明党との協議で方向性を確認 7日に行われた公明党の斉藤鉄夫代表との会談では、靖国参拝に関して「外交問題にすべきではない」との意見交換が行われ、両者が一定の認識を共有した。高市氏にとっては、連立与党の公明党との関係維持も重要な政治課題であり、内政と外交の双方に配慮する立場が鮮明となった。 総裁就任後の立場と公約の変化 高市氏は昨年の総裁選出馬時には「首相就任後も参拝する」と明言していたが、今年の選挙では「適切に判断する」と柔軟な姿勢を示していた。就任後初の外交対応が問われる中で、現実的な対応への転換は、総裁としての国際的責任を意識したものとみられる。 トランプ来日とAPECを念頭にした調整 今月27〜29日にはトランプ米大統領の来日が予定されており、米国の立場にも一定の配慮を示した格好だ。また、月末には韓国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)で中国の習近平国家主席との首脳会談を模索しており、直前の靖国参拝が火種となることを避けたとみられる。 参拝見送りがもたらす今後の影響 今回の判断は、国内保守層の一部から批判を受ける可能性もあるが、外交的安定を優先する姿勢は、国際社会との信頼構築に寄与するとの見方もある。高市政権の初動として、内政よりも外交均衡を重視する方針が明確になった。

中国3隻目空母「福建」就役間近と国防省発表

新型空母「福建」の進展が判明 中国国防省は9月25日の定例記者会見で、新型空母「福建」の就役が近いと発表した。張暁剛報道官は試験と訓練が計画通りに進んでいると説明し、就役の時期は「遠くない」と明言した。「福建」は「遼寧」「山東」に続く中国海軍3隻目の空母で、最新の技術を導入した艦艇として注目されている。 艦載機発着訓練の成功を発表 国営メディアは22日、「福建」が電磁式カタパルトを活用し、新型ステルス戦闘機「殲35」を含む3種類の艦載機による発着艦訓練に初めて成功したと報じた。従来の空母と異なり、電磁カタパルトの導入により発艦能力が大幅に強化された点が特徴とされる。張報道官はこの成果を「空母建設の重要な一里塚」と評価した。 南シナ海での活動を公表 中国海軍は今月12日、「福建」が南シナ海での試験航行に入ったと発表していた。これにより新型空母の運用能力を実戦に近い環境で検証する段階に入ったことが確認された。発表は国内外で注目を集め、地域の軍事的緊張を意識させるものとなった。 台湾や周辺国への影響 「福建」の就役が現実味を帯びる中、中国が軍事的圧力を強めている台湾や周辺諸国では警戒感が一段と高まっている。特に南シナ海をめぐる領有権問題を抱える国々は、中国の空母戦力の増強が地域の軍事情勢に与える影響を注視している。米国も同様に、中国海軍の近代化を強く警戒している。 国慶節前後の就役が焦点 「福建」の正式就役時期については明言されていないが、10月1日の国慶節に合わせた発表の可能性が報じられている。中国にとって建国記念日に合わせて空母の就役を発表することは、国内外に軍事力の誇示としての意味を持つことから、今後の動向が注目される。

プーチン氏、新STARTの延長提案で米に協調を呼びかけ

条約失効を前にロシアが延長案を提示 ロシアのプーチン大統領は22日、安全保障会議で来年2月に期限を迎える米ロ核軍縮条約「新START」について発言した。条約失効後も1年間にわたり規定された核弾頭数や運搬手段の制限を維持する用意があると表明し、アメリカに同様の対応を促した。新STARTは2010年に発効し、両国が戦略核兵器の数を制限する枠組みを提供してきた唯一の軍縮協定となっている。 アメリカ側の初期反応が明らかに アメリカのレビット大統領報道官は、プーチン氏の提案を「非常に良い」と評価した。しかし、トランプ大統領がどのように応じるかは依然として注目点だ。トランプ氏は7月に、新STARTで定められた制限を失効後も維持する意向を示しており、今回の提案が両国間の対話を前進させるかどうかが焦点となっている。 軍拡競争回避と国際的な影響 ロシアはウクライナ侵攻の長期化に伴い、軍事費負担の増大に直面している。プーチン大統領の今回の姿勢には、米国との軍拡競争を避け、国内経済への影響を抑えたい意図があるとみられる。一方で、条約延長は国際的な核不拡散体制にとっても重要な意味を持つと評価されている。 米国の軍事活動への警戒を表明 プーチン大統領はまた、アメリカのミサイル防衛計画や宇宙空間での迎撃機能の整備案に懸念を示した。これらの動きが新STARTの枠組みを無効化しかねないと警告し、必要に応じて「相応の対応を取る」と強調した。ロシアとしては、既存の戦略的均衡を維持することを最優先としている。 中国も前向きな評価を発表 中国外務省の郭嘉昆報道官は23日の記者会見で、ロシアの提案を歓迎すると述べた。さらに米ロが「検証可能で、不可逆的かつ法的拘束力を持つ形」で核兵器削減を進めるべきだと指摘した。米ロだけでなく国際社会全体に波及する軍縮協議の行方は、今後の安全保障環境に大きな影響を与えることになる。

トランプ氏、バグラム基地返還要求で緊張高まる

米大統領が返還要求を発表 トランプ大統領は9月18日、かつて対テロ戦争の中心的拠点だったバグラム空軍基地をアメリカに返還するよう公に求めた。同基地は首都カブール近郊に位置し、中国の核兵器施設に近いことから、戦略上の重要性が再び注目されている。トランプ氏は返還を求める理由として、中国への対抗を挙げた。 タリバン軍トップが拒否を表明 21日、タリバン軍参謀総長ファシフディンは演説で「領土の一部も譲渡することは不可能だ」と強く反発した。彼はまた「アフガニスタンは独立した国家であり、どんな外国勢力の威圧にも屈しない」と強調した。タリバンの姿勢は一貫しており、返還交渉の余地を完全に否定している。 政権側からの追加批判 同日、タリバン暫定政権の副報道官フィトラトは声明を発表し、「米国は過去の失敗を繰り返すべきではなく、現実的かつ合理的な政策を採用すべきだ」と主張した。これにより、タリバン内部でも一致して返還を拒否する立場が確認された。 トランプ氏の圧力と警告 トランプ氏はSNSを通じて「要求に従わなければアフガニスタンにとって悪いことが起きる」と警告した。さらに過去の米軍撤退を例に挙げ、前政権を批判しつつ、武器や軍事資産がタリバンに渡った状況を問題視した。米国内でもこの要求は外交・安全保障上の大きな議論を呼んでいる。 象徴化された旧米軍基地 現在、バグラム空軍基地はタリバンによって軍事資産や車両の展示場として利用され、政権掌握の象徴となっている。記念式典や軍事パレードでも公開され、国民への誇示の場とされてきた。基地の返還をめぐる米タリバン間の緊張は、今後の地域情勢に重大な影響を及ぼす可能性がある。

中国レアアース輸出、8月は大幅増加を記録

輸出全体が高水準に回復 中国税関総署が公表したデータによれば、2025年8月のレアアース磁石輸出量は6146トンに達し、前月比10.2%増、前年同月比でも15.4%増となった。輸出は3カ月連続の増加を記録し、約7カ月ぶりの高水準に戻ったことになる。 規制緩和による影響が明確化 中国は4月、米国の関税強化への対抗措置として、レアアースや関連製品の輸出を制限した。しかしその後、米国や欧州との協議で一部規制を緩めており、今回の輸出増はこの政策転換を反映している。特に磁石製品の扱いが緩和され、取引が再び活発化した。 米国向けは依然として低迷 一方で、8月の米国向け輸出は590トンにとどまり、前月比4.7%減、前年同月比11.8%減と減少傾向が続いた。米国の防衛産業向け供給に対しては、中国が制限を緩和していないと報じられており、戦略物資としての側面が強調されている。 日本市場での需要拡大 日本向け輸出は前年同月比で40.1%増の255トンとなり、顕著な伸びを見せた。これは日本企業の需要増加やサプライチェーン安定化の動きと関連しているとみられる。規制緩和の恩恵がアジア市場にも広がりつつあることを示している。 国際取引と資源供給に及ぶ影響が浮き彫りに レアアースは電気自動車や電子機器、軍需産業に欠かせない重要資源であり、中国の輸出動向は国際市場に直結する。今回のデータは、規制緩和により供給が増加している一方で、米国向けだけが抑制されている状況を浮き彫りにしている。

憲法9条改正を視野に維新が新提言を発表

維新が国防と憲法改正に関する提案を発表 日本維新の会は18日、国防政策と憲法改正に関する提言を正式に公表した。中心となるのは憲法9条2項で規定されている「戦力不保持」の削除であり、これにより集団的自衛権の行使を全面的に認める方針を示した。さらに憲法に「自衛権」や「国防軍」の保持を明記し、軍事裁判所の設置も含めるべきとした。 周辺国の軍拡を背景に防衛体制見直しを訴え 提言では、中国による海軍力拡張や北朝鮮の核兵器・大陸間弾道ミサイル開発、さらにはロシアの軍事的圧力を安全保障上の脅威として挙げた。これらを背景に、従来の「専守防衛」から「積極防衛」へと基本方針を転換すべきだと訴えている。 日米同盟と多国間協力の強化 維新はまた、日米安全保障条約を改正し、両国間に相互防衛義務を明文化する必要性を強調した。さらに中国の海洋進出を念頭に置き、米国、オーストラリア、フィリピンとの新たな安全保障同盟の締結も提言の中に盛り込まれた。 政局との関連性 藤田文武共同代表は記者会見で、今回の提言は22日に告示される自民党総裁選を意識したものであると説明した。自民、公明両党との連立入りが取り沙汰される中で、維新の憲法や国防に関する立場が今後の政治判断の材料となる可能性がある。 国会での憲法改正をめぐる議論が焦点に 藤田共同代表は「安全保障環境は憲法改正を避けて通れない段階にある」と述べ、これまで先送りされてきた議論を進める意向を示した。維新の提言は、日本の防衛政策と憲法改正をめぐる今後の国会論議に大きな影響を与えることになりそうだ。

中国CPIが再びマイナスに転落、需要減速が鮮明に

消費者物価が3か月ぶりの下落を記録 中国国家統計局が発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で0.4%低下し、3か月ぶりにマイナスに転じた。7月は横ばいで推移していたが、再び物価が下落に転じたことで消費の弱さが浮き彫りとなった。エコノミスト予想は0.2%減にとどまっており、下落幅は市場予測を上回った。 食品と自動車価格が下落の要因に 今回の下落の大きな要因は生鮮野菜や豚肉の価格低下に加え、消費者の節約志向による自動車など耐久財の値下がりにあると指摘されている。物価の低下は消費心理の冷え込みを反映しており、需要喚起が進まない現状が続いている。 生産者物価は縮小傾向を示す 同時に発表された生産者物価指数(PPI)は前年同月比2.9%減となり、35か月連続のマイナスとなった。ただし7月の3.6%減からは下落幅が縮小し、底打ちの兆しもわずかに見られる。生産現場では過剰供給が続いているものの、価格下落の勢いには鈍化がみられる。 GDPデフレーターの低下が続く構図 CPIやPPIの動きと連動する形で、中国のGDPデフレーターも9四半期連続でマイナスが続いている。今年で3年目に突入したことは、1970年代後半の計画経済から市場経済への移行以来初めての事態となっている。需給の不均衡が長期化し、企業収益を圧迫する状況が広がっている。 政府が内需拡大策を最優先に掲げる背景 こうした中で、中国政府は内需拡大を最重要課題とし、消費刺激策の実施に注力している。過剰生産能力や過当競争の抑制も課題であり、経済安定化に向けた政策の実効性が問われる状況だ。さらに、米中間の関税交渉の進展や再燃する可能性のある貿易摩擦も景気動向を左右する重要な要素となっている。