株価急落の背景と今後の焦点が浮上
東京株式市場で10月23日、日経平均株価が急落した。前日比約666円の下落となり、4万8641円61銭で取引を終えた。高水準まで上昇していた「高市トレード」とされる銘柄群の反動が、まず利益確定売りを誘った。米国のハイテク企業の決算内容の弱さや、米中貿易摩擦の再燃への警戒も売りを加速させた。
利益確定売りが主力株を直撃
この日は寄り付き直後に441円安、さらに安値では908円安となる場面もあった。主力株中心に売りが波及し、特に半導体関連の銘柄で大幅な下げが確認された。ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンがそれぞれ3〜4%超の安値をつけ、これら3銘柄のみで日経平均を約480円押し下げた。
米中環境の悪化が影響拡大を促す
市場では、米中貿易摩擦の再燃に対する警戒感が浮上しており、輸出関連・ハイテク関連株の上値を抑える要因となっている。加えて、米国の主要ハイテク企業の決算が市場の期待に届かず、世界的な景気先行きへの不透明感が改めて意識された。
日経平均とTOPIXの動きに明暗
この日のTOPIXは4営業日ぶりに反落し、日経平均に比べて優位な展開となった。NT倍率(=日経平均/TOPIX)も1%程度低下し、主力株への物色が一巡し、出遅れ感のある中小型株へ関心が移っているとの見方も出ている。
今後の焦点:実効性と下値の保ち合い
SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は「期待先行での上昇フェーズは一巡し、これからは実効性を見極める段階に入ってきた」とコメント。政権交代を背景にした政策期待は依然として残るものの、市場では政策実行のスピードが下支え材料となる一方で、短期的には調整局面を通じた下値の探り合いが続く可能性が高い。
