政府が新たな外国人政策体制を始動
高市早苗首相は4日、首相官邸で外国人政策に関する関係閣僚会議の初会合を開いた。政府は、外国人の受け入れや共生に関する制度を見直すための基本方針を2026年1月までにまとめる方針を示した。会議では、一部の外国人による違法行為が国民の不安を招いている現状を踏まえ、法制度の適正運用を柱とする方向性が確認された。
違法行為への懸念に毅然と対応
首相は会合の冒頭、「排外主義とは異なるが、違法行為や制度の乱用には毅然とした姿勢で臨む」と強調した。木原稔官房長官を議長、小野田紀美外国人共生担当相と平口洋法相を副議長とし、政府一体での政策運営を図る。外国人による土地取得の監視や国籍把握の仕組みづくりなど、安全保障上の観点も考慮した取り組みが進められる。
保険料未納防止と医療費対策も推進
上野賢一郎厚生労働相は同日、外国人による国民健康保険料の未納防止策を令和9年6月に導入する計画を表明した。出入国在留管理庁と連携し、滞納者には在留資格の更新や変更を認めない仕組みを想定している。医療費の不払い防止策も強化する方針で、制度の適正化を通じた社会保障の信頼確保を目指す。
経済成長戦略との連動も視野
同日始動した「日本成長戦略本部」では、経済の供給力強化を目的にした「危機管理投資」を柱とする政策づくりが進められた。外国人政策も人材確保や地域社会との共生という観点から、成長戦略の一環として位置づけられている。政府は複数年度にわたる投資計画や制度改革を並行して進め、持続的な経済成長と社会安定を両立させる狙いだ。
国民理解を得るための議論へ
今後は有識者会議を設け、社会的受容性や地方自治体との調整を踏まえた政策提案を検討する。外国人労働力の確保と社会秩序の維持という二つの課題をどのように両立させるかが焦点となる。政府は年明けの基本方針公表に向け、具体策の詰めを急ぐ。
