東京株が続伸一服、利益確定売りで5万2000円下回る
11月4日の東京株式市場では、日経平均株価が前週末比914円14銭安の5万1497円20銭と大幅に下落した。4営業日ぶりの反落で、取引時間中には一時上昇する場面もあったが、終値では節目の5万2000円を下回った。市場では「短期間での急騰に対する利益確定売りが広がった」との見方が支配的だった。
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為替と米先物の軟調が相場を圧迫
午後に入り、外国為替市場で円高が進行。1ドル=153円台に達したことが輸出関連株の売りを誘った。また、同時に米株価指数先物の下落も加わり、国内投資家のリスク回避姿勢を強めた。為替と海外要因の二重の圧力が、後場にかけての急速な値下がりにつながった。
ソフトバンクGやアドバンテストが下落主因に
市場全体の下げを主導したのはソフトバンクグループとアドバンテストだった。前週までの上昇が大きかった分、反動売りが顕著となった。加えて、スクリンやフジクラなどハイテク関連銘柄の下落も続き、日経平均全体の押し下げ要因となった。TOPIXは21.69ポイント安の3310.14と3営業日ぶりの反落となった。
決算発表銘柄に買い 東エレクやファナック堅調
一方で、明暗を分けたのは決算内容だった。東京エレクトロンはAI需要を追い風に業績予想を上方修正し、買いが優勢に。ファナックも増益見通しが好感され、ハイテク株の中で唯一強さを維持した。こうした動きは、決算発表が進むなかで銘柄ごとの選別相場が強まっていることを示している。
投資家心理に冷却感、取引高は高水準維持
東証プライム市場の売買代金は約8兆7000億円、出来高は30億5738万株に達した。相場全体は冷静さを取り戻す一方で、依然として活発な売買が続いている。市場関係者は「年金基金などの機関投資家が持ち高調整に動いたことが一因」と分析している。急騰相場の反動が顕在化した形だが、基調としては依然として高水準を維持している。
