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G7が中小企業支援でAI活用環境整備を強化へ

中小企業支援を巡るG7の協議内容 G7各国はカナダ・モントリオールで9日まで開かれた産業・デジタル・技術相会合で、中小企業のAI導入を後押しするための共同方針をまとめた。多くの大企業で業務効率化や新サービス開発にAIが使われる中で、中小企業には導入の遅れが指摘されており、国際的にも改善が求められてきた。会合では、通信環境の高度化、データ利用の基盤整備、人材確保など複数の施策が必要だとの認識を共有した。こうした取り組みの進展が、企業規模による技術格差の縮小につながることが期待される。 高速通信網整備の重要性が確認 会合では、AIの活用に不可欠な高速通信インフラの整備を各国が優先事項として位置づけることが示された。中小企業では大企業と異なり、立地や予算面から十分な通信環境を整えにくい場合がある。高速通信網の拡充は、AIシステムの安定運用や大容量データ処理を可能にし、導入の障壁を引き下げる要素となる。各国は地域間の通信環境の差を減らすことも課題として捉えており、広域的なインフラ整備が中小企業の事業活動を支える基盤になるとの立場を示した。 AI知識普及と高度人材育成の課題 中小企業におけるAI導入の停滞は、技術に関する知識不足も主要な要因とされる。会合では、企業内部で基礎的な理解を広げる取り組みを強化する必要性が指摘された。また、AI分野の高度なスキルを持つ人材が不足している現状も浮き彫りとなり、体系的な教育プログラムの拡充が求められた。人材面の強化はAI活用の持続性にも直結するため、G7全体で育成モデルを共有し、教育機関や産業界との連携を深めることが重要だと位置づけられた。 適切な規制整備とリスク対策 AI活用に伴うリスク管理も議論の柱となった。中小企業は専門部署が限られており、システムの問題点を早期に把握する体制を整えにくいことが課題として挙げられた。会合では、関連する規制の透明性を高めるとともに、リスク評価や問題発生時の対応方法に関する明確な情報提供を進める方針が示された。各国は安全性と信頼性を確保した利用環境の整備を推進する姿勢を強調し、中小企業が安心してAIを導入できる枠組みづくりの必要性を確認した。 量子分野の協力拡大と供給網維持の動向 AI関連以外でも、量子技術を巡る協力体制の構築が合意事項として盛り込まれた。G7は新たな作業部会を立ち上げ、技術開発や人材交流の枠組みを整備する方針を示した。また、半導体供給網の安定化に向けた取り組みを継続する点でも一致した。近年の国際情勢の変動は供給網の脆弱性を示しており、G7は産業基盤を守るため連携強化を重視している。AI導入促進と併せて、これらの分野での協力が経済基盤の強化につながるとの見方が示された。

米政府がH200輸出許可を決定 25%負担を新設

米政権が示した新たな輸出方針 米政権は8日、エヌビディア製の先端半導体「H200」を中国を含む特定の顧客に輸出する手続きを認める方針を明らかにした。対象となる企業は米商務省による承認を受ける必要があり、輸出は追加の条件を伴って実施される。今回の判断には、AI分野における米国の主導権維持と産業基盤の確保を同時に進める狙いがあるとみられる。 25%の徴収措置と審査の仕組み 政府は輸出に際し、チップ価格の25%を米国が受け取る制度を導入する。徴収は台湾から米国内へチップが入る段階で適用され、その後に米当局による詳細なセキュリティ点検を経て輸出が認められる仕組みとなる。これにより収入確保と安全保障上の監視強化を両立させる体制が構築されることになる。 習主席とのやり取りと米企業への波及 トランプ大統領はこの措置について中国の習近平国家主席に直接伝えたと述べ、習氏が肯定的な反応を示したと説明した。大統領は米企業の競争力維持を強調し、エヌビディア以外にもAMDやインテルなどの米半導体メーカーへ同様の手法が適用される可能性に触れた。米国では既に「ブラックウェル」などより高性能な次世代モデルの導入が進んでおり、国内産業の優位性は維持されるという立場を示している。 安全保障面での懸念と専門家の評価 一方、米議会では今回の判断が中国の軍事力強化に寄与する恐れがあるとの懸念が広がっている。超党派の議員グループは、AI半導体の対中輸出に制限を課す法案を提出しており、今回の措置がその動きと矛盾するとの批判もある。元商務省高官は「安全保障を経済的利益と交換すべきではない」と指摘し、従来の対中政策との整合性の欠如を問題視した。 今後の輸出管理の焦点 米商務省は輸出数量や審査基準などの詳細を今後詰める方針で、具体的な枠組みは近く公表される見通しである。H200は既に海外市場で高い需要を持つが、安全保障上のリスクとの調整が問われる局面となる。米中のAI分野をめぐる競争は激しさを増しており、今回の決定がその構図に新たな影響を与える可能性がある。

AI特需が企業価値を押し上げ、エヌビディアの成長加速が鮮明に

強気の業績予測が示す事業環境の変化 エヌビディアは2025年11月〜2026年1月期の売上を650億ドル前後と見込む計画を公表し、市場の想定を上回る予測を提示した。この見通しは、先端GPUの販売が依然として堅調に推移していることを示し、AI関連市場の拡大が続いている事実を裏付けるものとなった。調整後売上総利益率は75%前後とされ、高水準を維持する姿勢が明確になった。 過去最高の四半期業績が報告 同社が公表した8〜10月期決算では、純利益が319億1千万ドル、売上高が570億600万ドルとなり、いずれも四半期として過去最高を更新した。前年と比較して利益と売上が大幅に伸びた背景には、AI向け半導体の需要が拡大し続けていることがある。GPUの供給が逼迫する状況下で、クラウド事業者やAI開発企業による発注が継続した。 主要事業の動向が示した需要の強さ 第3四半期の総売上高は62%増加し、AI向けGPUを中心としたデータセンター事業が業績の中心を担った。この部門での売上は512億ドルとなり、アナリスト予測を超える水準に達した。売上の伸びが7四半期ぶりに加速した点は、AIインフラ需要の底堅さを示す重要な指標となった。同社は先端半導体の予約額が来年にかけて拡大するとの見通しを示している。 資金集中とバリュエーションへの注意が必要 AIブームが続く一方で、市場では企業価値の上昇ペースに対して慎重な見方もある。売上の6割以上が4社に集中している構造や、AI企業への巨額投資が継続している点が、資金循環の偏りを生むとの指摘がある。また、クラウド企業に提供したGPUを後にレンタルとして回収するモデルへの投資が増え、総契約額が260億ドルに達したことも資金の動きを大きくしている。 市場拡大を支える外部環境の動向 米国の規制で中国向け出荷が抑えられている状況下、サウジアラビアとUAEの企業には最大3万5000個のGPU輸出が許可された。この承認により同社は中東地域での事業展開を広げる余地を得たが、大規模AIインフラの運用には電力や用地の確保といった制約が残る。電力網の余力やインフラ整備の進捗が、需要を利益につなげる時期を左右するとの指摘がある。

AI新興アンソロピックに米大手2社が大規模資金投入を表明

大規模投資でAI分野の連携強化が示された動きが判明 米マイクロソフトとエヌビディアが、生成AIの開発を進めるアンソロピックに対し最大150億ドル規模の投資を行う方針を明らかにした。市場で影響力を強める企業が新興AI企業を支援する構図が示され、AI技術の高度化に向けた動きが一段と加速している。11月18日の発表では、クラウド基盤の利用契約や半導体を活用したモデル開発の強化など、複数の協力項目が並行して進められる点も明確化された。 マイクロソフトとエヌビディアが提示した投資枠組みが発表 今回発表された枠組みによれば、マイクロソフトは最大50億ドル、エヌビディアは最大100億ドルの資金投入を行う計画とされる。対象となるアンソロピックは、対話型AI「クロード」を展開し、競争が激しい生成AI業界で存在感を高めている企業だ。アンソロピックが利用するインフラにはマイクロソフトのクラウド「アジュール」が含まれ、サービス購入額として300億ドルを確保する内容が盛り込まれた。 オープンAIと並ぶ競争環境での位置付けが示された点が特徴 アンソロピックは、対話型AI「チャットGPT」を開発したオープンAIと比較される場面が多いが、今回の投資により市場での競争構造がいっそう明確になった。創業メンバーにはオープンAI出身者が含まれ、研究姿勢や開発理念に独自色を持つ。大手2社との提携により、モデル提供範囲の拡大や技術支援が強化され、先端AIモデルの並立が進む様子が示された。 エヌビディア製半導体による計算能力向上計画が判明 協力の一環として、アンソロピックはエヌビディアが提供する最新のAI向け半導体を活用し、モデル開発環境を強化する計画だ。利用するCPUには「グレース・ブラックウェル」や「ベラ・ルービン」が含まれ、最大1ギガワット規模の計算を提供する枠組みが提示された。また、マイクロソフトは自社サービスの利用者にクロードの最新モデルを提供し、開発環境の拡大につなげる意向を示した。 AI市場の多様化に向けた企業間連携の広がりが浮かぶ展開 今回の動きは、AI領域で複数の技術提供元を確保しようとするマイクロソフトの戦略と、エヌビディアが多方面に半導体供給を広げる方針の双方を示すものとなった。生成AIを巡る需要が拡大する中、大手企業が特定企業への依存を下げ、複数の技術基盤を活用する体制を整えつつあることが確認された。投資と技術協力が並行して進む今回の提携は、市場競争のさらなる拡大につながる可能性がある。

高市政権、造船業再生とレアアース開発を重点施策に

成長戦略会議で17分野を提示、高市カラー鮮明に 政府は10日、高市早苗首相の主導による「日本成長戦略会議」を初めて開催し、経済対策に盛り込む重点施策を発表した。AIや半導体、造船業など17分野を戦略領域に設定し、経済安全保障を柱とした「高市カラー」を前面に打ち出した。首相は「従来の枠組みにとらわれない大胆な発想を」と呼びかけ、閣僚に補正予算と税制措置の準備を指示した。 造船再生ロードマップ策定へ、日米協力も反映 重点分野の中心となるのが、国際競争で後れを取る造船業の再生である。政府は「造船再生ロードマップ(仮称)」を策定し、国内メーカーの設備投資を支援する。10月のトランプ大統領来日に合わせた日米の協力覚書を踏まえ、共同研究や技術連携の強化も盛り込む。造船分野の立て直しは、日本の海運産業全体の底上げに直結する施策と位置づけられた。 南鳥島でレアアース試掘を加速、中国依存脱却へ 資源分野では、レアアースの自給体制構築を急ぐ。会議では2026年1月に予定される南鳥島周辺海域での試掘を加速する方針が示され、中国への依存を減らす戦略を明記した。エネルギー安全保障やGX(グリーントランスフォーメーション)政策とも連動し、産業基盤の強靭化を目指す。 設備投資減税で民間資金を誘導、複数年度予算化 会議はまた、企業の大規模設備投資に対する減税制度の創設を検討。単年度に限らない複数年度予算で支援を行うことで、民間企業の投資予見性を高める狙いがある。税優遇措置の導入により、半導体や造船分野での大規模投資を後押しし、経済の長期的な成長基盤を固める方針を示した。 成長戦略は来夏に総括、前倒し実施も視野 政府は来年夏までに成長戦略全体を策定し、緊急性の高い施策は経済対策に前倒しで盛り込む方針だ。人材育成、賃上げ、サイバーセキュリティーなどの横断的課題にも対応し、官民連携による「強い経済」構築を目指す。高市政権の経済運営は、安全保障と成長投資を両輪とする方向性を明確にした形となった。

高市政権が成長戦略を始動 過去の課題克服なるか

経済安全保障と成長の両立を掲げる新方針 高市早苗首相は11月4日、全閣僚が出席する「日本成長戦略本部」の初会合を開催し、経済の再生と安全保障強化を両立させる新たな戦略の方向性を示した。政府はAIや造船、防衛、エネルギー、半導体など17分野を重点支援とし、民間投資を促す制度を整備する。首相は「供給力を抜本的に強化し、危機に備える経済基盤をつくる」と強調した。 「日本成長戦略会議」で官民連携を制度化 この方針のもと、政府は「日本成長戦略会議」を新設した。高市首相と経済政策を共有する有識者が参加し、官民が一体となって投資促進策を議論する。重点分野ごとに担当閣僚を置き、政策の一貫性を確保する体制を採る。政府はこれまでの経済対策に見られた「バラマキ型」を脱し、構造的な成長力強化を目指すとしている。 17分野に広がる投資対象と支援策の焦点 投資対象には、AI・半導体の技術革新、造船産業の再建、防衛関連の国内生産力強化のほか、航空宇宙や核融合技術などの新領域も含まれる。また、アニメやゲーム産業などのコンテンツ分野も「日本独自の競争力を持つ資産」として支援対象となる。これらは単なる成長産業ではなく、危機対応力を高める国家戦略の一部と位置づけられている。 歴代政権の政策を継承しつつ課題を再定義 過去の政権も同様に成長戦略を掲げたが、持続的な経済拡大にはつながらなかった。高市首相は安倍晋三元首相のアベノミクスの投資促進策や、岸田文雄元首相の「新しい資本主義」の分配重視政策を引き継ぎつつ、これらを融合する形で政策を再構築している。政府は「税率を上げずに税収を増やす」との方針を掲げ、企業収益と所得の底上げを通じて財政健全化を図る。 経済基盤の強化と実効性が問われる局面 今回の戦略が成果を上げるかどうかは、実施段階の政策連携にかかっている。専門家は「過去の成長戦略が効果を上げなかった要因を分析し、構造的な障害を取り除けるかが鍵」とみる。急速な物価上昇や実質賃金の伸び悩みが続く中、高市政権が打ち出す新方針は、経済の持続力を左右する試金石となりそうだ。

日産、5年ぶり営業赤字転落 米関税が業績を圧迫

米関税が2,750億円の損失要因に 日産自動車は30日、2026年3月期の連結営業損益が2,750億円の赤字になる見通しを発表した。前年の697億円の黒字から一転し、5年ぶりの営業赤字となる。主因はトランプ政権による自動車関税強化で、これが単独で約2,750億円の押し下げ要因となった。社内で進めてきたコスト削減ではこの影響を吸収できず、利益構造の悪化が顕著となった。 売上高予想を11兆7,000億円に下方修正 日産は同時に、通期の売上高見通しを12兆5,000億円から11兆7,000億円へ下方修正した。米関税の負担増に加え、半導体の供給不安も業績を圧迫している。とくにオランダの中国資本企業ネクスペリアによる供給停止が懸念されており、自動車生産への影響は避けられない状況だ。 純損益見通しは開示を延期 純損益については、経営再建計画に関連する費用の算定が終わっていないため、今回の発表では開示を見送った。日産は11月6日に改めて詳細を公表する予定としている。経営陣は現在、固定費削減や構造改革の実行に重点を置き、財務体質の立て直しを急いでいる。 CFO「慎重な経営姿勢で臨む」 オンラインで説明を行ったジェレミー・パパン最高財務責任者(CFO)は、「コスト削減を着実に進めつつ、慎重な姿勢で事業を運営していく」と述べた。関税率は上期の27.5%から15%へ低下しており、軽減措置も導入されたことで、下期には負担がやや緩和される見込みだという。 半導体・原材料の供給不安が懸念 パパン氏はまた、供給網の混乱が最大のリスクだと強調した。半導体供給の停滞に加え、米アルミ大手ノベリスの工場火災など、原材料調達の遅延が生産計画に影響している。日産はこれらの問題に対応するため、調達経路の多様化と生産ラインの柔軟化を急ぐ方針を示した。

東証大引け 指数主導で最高値更新も広範は軟調

5万1307円まで上昇し年初来高値更新が判明 29日の東京市場で日経平均が前日比1088円47銭(+2.17%)高の5万1307円65銭と最高値更新。米株高(ダウ、ナスダックが最高値)と米中摩擦緩和、米利下げ観測が追い風となり、朝方からハイテク・半導体株に買いが先行した。場中高値は5万1412円97銭、安値は5万0365円62銭。終値で5万1000円台を初めて維持した。 アドテストのストップ高で指数を1000円押し上げが判明 アドバンテスト(6857)が業績上方修正を手掛かりにストップ高水準まで急伸し、1銘柄で約1077円の日経平均押し上げに寄与。上位5銘柄(アドテスト、SBG、東京エレクトロン、フジクラ、レーザーテック)の合計寄与は約1443円。エヌビディア上昇を背景とするAI・半導体関連やデータセンター周辺にも資金が波及した。 広範銘柄は下落優勢で市場の偏りが顕著との影響 一方で、TOPIXは3278.24(-0.23%)と小幅続落、JPXプライム150は1443.01(+0.11%)。東証プライムの値下がり1394(約86%)、値上がり200、変わらず21と下落優勢。売買代金7兆0921億円、売買高23億5745万株。SBG、レーザーテックは上昇したが、コマツ、東京海上、京セラなど景気敏感や金融の一角は軟調。 政策期待と対米投資報道が物色を後押しした影響 高市政権の政策期待に加え、日米首脳会談(10月28日)に合わせ公表された共同ファクトシートで対米投資への関心が示された日立やフジクラが買われたとの観測。米国市場の連騰がセンチメントを改善し、先物絡みのインデックス買いも追い風となった。 過熱感を意識しつつも主力中心の上値追いを継続と発表 急ピッチの上昇で短期的過熱感を指摘する声が残る一方、主力株中心の需給は引き続き良好との見方が根強い。個別ではキオクシアHD、トーエネック、きんでん、四国化成HD、日本車輌が上昇。半面、ニデック、川崎重工、サンリオ、東洋エンジ、ファストリ、テルモ、ダイキン、リクルートなどはさえない値動きとなった。

日本車の世界生産に波及懸念、半導体供給網の歪みが露呈

オランダの管理介入と中国の対抗措置、半導体輸出規制の影響が判明 オランダ政府は9月、企業統治上の重大な欠陥を理由に、ネクスペリアの経営権を掌握した。中国側は対抗し、中国で生産される同社製品を輸出規制の対象とした。両国の措置は、製造拠点と後工程が国境をまたぐ半導体供給網の脆弱性を直撃し、サプライチェーン全体の滞留リスクを顕在化させた。 閣僚協議は不調に終結、対立解消に向けた実効的手段なしが判明 21日にオランダの経済相と中国の商務相が協議したが、具体的な解決策は示されなかった。協議は「さらなる措置」の検討にとどまり、輸出規制と管理介入の両輪が当面継続する構図が続く。調整の出口が見えないなか、在庫の持続期間も不明で、先行きの可視性は低い。 自工会が供給不安を警戒、日本の部品メーカーへの通知の影響 日本自動車工業会の片山正則会長は23日、複数の部品メーカーに半導体の納品保証ができない可能性の通知があったと明らかにした。各社のグローバル生産計画は、一般用途向け半導体の欠配でも即座に影響を受ける。電子制御ユニットなどで代替の即応性が乏しい領域があり、短期の調達障害でもライン停止リスクが高まる。 欧州業界団体が警鐘を発表、生産停止の恐れと供給継続性の課題 独VDAは、供給中断が短期間で解消されなければ生産停止に至る恐れを示した。ネクスペリアの製品は高度品ではないが、自動車・家電で数量依存が大きい。欧州での製造と中国でのパッケージングという分業の断絶は、在庫薄の領域ほど深刻化しやすい。供給継続性の確保が至上課題となる。 在庫・代替・工程移管の三位一体対応、短中期の影響緩和が焦点 短期は在庫の可視化と優先配分で凌ぐほかない。中期は代替部品の適合性検証と調達多様化が鍵となる。後工程の中国依存を下げる工程移管も検討対象だが、立ち上げ期間と品質保証のハードルがある。日本車の世界生産は、分業構造の見直しと調達の冗長性確保が回復力を左右する。

TSMC、熊本第2拠点の建設進行 AI特需で日本展開を加速

熊本での新拠点計画が前倒しで進行 台湾の半導体受託生産大手 TSMC(台湾積体電路製造) は、熊本県菊陽町に建設を予定していた第2工場がすでに着工済みであることを明らかにした。当初は「年内着工予定」としていたが、2025年10月16日に行われた決算発表会で、計画より早い段階で工事が始まっていると説明した。建設後の稼働時期については「顧客の需要や市場の状況を見極めながら判断する」としている。 半導体需要の高まりで売上・利益ともに記録的水準に到達 同社が発表した2025年7〜9月期の連結決算によると、売上高は9,899億台湾ドル(約4兆9,000億円)と前年同期比30.3%増、純利益は4,523億台湾ドル(約2兆2,000億円)で39.1%増となり、いずれも四半期として過去最高を更新した。半導体市場では生成AI向けチップの需要が急拡大しており、それが業績を大きく押し上げた。経営陣は「AI市場は引き続き力強く成長を続けている」との見方を示している。 AI関連需要が業績の追い風に TSMCは世界の主要テクノロジー企業に最先端の製造プロセスを提供し、特にAI用途向け半導体の供給能力で高い評価を得ている。生成AIやクラウド運用の拡大を背景に、データセンター向けの高性能チップ需要が急増しており、この分野での受注が同社の利益率を押し上げる要因となった。世界的なサプライチェーン再編の中で、TSMCの投資戦略が確実に成果を上げている。 熊本第1工場の量産が順調に進む 同社は2024年12月に熊本第1工場の量産を開始しており、生産体制は順調に推移している。幹部は「国や自治体の強力な支援のおかげでスムーズに立ち上げが進んでいる」と述べ、地方との連携を評価した。第1工場では自動車用や産業用の半導体も製造しており、国内供給網の強化につながっている。第2工場はこれを補完する役割を担う見通しで、将来的には高性能製品の生産拠点としての位置づけが期待される。 地域産業と国際競争力の強化へ 今回の第2工場着工は、日本における半導体製造の再構築を象徴する動きとなる。政府の補助制度や地域支援により、熊本が新たな技術集積地として注目される中、TSMCの拡張は地元経済の活性化にも寄与する見込みだ。AI需要の拡大を背景に、同社の日本戦略は今後も重要な転換点となりそうだ。

日経平均、連日で最高値更新 円安とAI関連株が支え

米ハイテク株高で投資心理改善 7日の東京株式市場で日経平均株価は前日比6円12銭高の4万7950円88銭と、わずかながら上昇して取引を終えた。これで4日続伸となり、連日の過去最高値を更新した。前日の米国市場でハイテク株が買われ、ナスダック総合指数が最高値を更新したことが投資家心理を後押しした。半導体関連株やAI銘柄が上昇をけん引した。 円安進行で輸出企業に追い風 外国為替市場では、1ドル=150円台後半まで円安が進行。輸出関連企業にとって採算改善の期待が高まり、トヨタ自動車など主要輸出株が買われた。背景には、新たに自民党総裁に就任した高市早苗氏の経済政策への期待がある。市場では「日銀が10月会合で利上げを見送る」との見方が強まり、円売り・ドル買いが優勢となった。円安基調が続く中、外需関連株への買いが相場全体を支えた。 AI関連株が上昇の主役に 米国での半導体セクター上昇を受け、国内でもAIや半導体関連株への資金流入が続いた。アドバンテストやソフトバンクグループが上昇し、フジクラなどAI関連銘柄も堅調だった。一方で、前日の急騰を受けて利益確定の売りが広がり、午後には一時マイナス圏に転じる場面もあった。東エレクやファーストリテイリング、レーザーテックの下落が指数の上値を抑えた。 内需株や銀行株は軟調 円安によるコスト高懸念から、イオンやハイデ日高など内需関連株は下落した。三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株も利益確定売りに押された。日経平均の200日移動平均線からの乖離率は20%超に達しており、過熱感を警戒する声が高まっている。市場では「新政権による政策の方向性を見極めたい」との慎重姿勢も広がった。 TOPIXも小幅上昇で最高値更新 東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、前日比1.85ポイント高の3227.91で終えた。連日で最高値を更新したが、JPXプライム150指数は小反落。7日の東証プライム市場の売買代金は約6兆6000億円、売買高は約25億株だった。全体では値上がり800銘柄、値下がり747銘柄と拮抗した展開となった。

オープンAI、AMD株最大10%取得へ AI半導体供給体制を強化

オープンAIがAMDと複数年契約を締結、AI開発加速へ 米オープンAIは6日、米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とAI向け半導体の供給に関する複数年契約を結んだ。契約にはAMD株の最大10%を取得できる権利が含まれ、AI分野での長期的な協力を強化する。これにより、オープンAIは依存度の高かったエヌビディア以外の調達ルートを確保し、AIインフラ拡張の安定化を図る。 年数百億ドル規模の契約でGPU供給を大幅拡充 AMDは契約の一環として、2026年後半から次世代GPU「MI450」シリーズをオープンAIに供給する。供給規模は数十万個に及ぶ見通しで、契約総額は年間数百億ドルに達する可能性がある。オープンAIはこれらのGPUを用いて新たなデータセンターを建設し、大規模言語モデルの処理能力向上を目指す。AMDはAI分野での存在感を高め、長期的な収益源の拡大を狙う。 株式取得権付与で両社の連携を深化 契約では、オープンAIがAMD株の最大1億6,000万株(発行済み株式の約10%)を1株あたり1セントで取得できるワラント(新株予約権)が設定された。株式の取得はAI半導体の導入進捗や株価目標など、複数の条件達成をもとに段階的に行使可能となる。最終段階では、AMD株価が600ドルに達した場合に行使できる仕組みとなっており、提携が成果を上げるほどオープンAIの影響力が高まる構造となっている。 株価は一時34%高、過去9年で最大の上昇率 契約発表後、AMD株は取引中に最大34%上昇し、終値でも27%高を記録した。1日の上昇率としては過去9年間で最大となる。投資家の間では、AMDがエヌビディアに続くAI半導体の主要サプライヤーに躍進するとの期待が高まっている。AMDの時価総額は約2,672億ドルに達し、AI関連分野への市場評価が急速に拡大している。 エヌビディア依存脱却とAI市場の再編が進展 オープンAIはこれまでAIモデル開発の多くをエヌビディア製GPUに依存してきたが、今回の契約により供給源の多様化が実現する。AI半導体市場ではエヌビディアが依然として優位に立つものの、AMDが技術面で追い上げる構図が鮮明になっている。アナリストらは「今回の取引はAMDの技術力を証明するもので、AIチップ市場の勢力図を変える可能性がある」と指摘している。